experienceは可算名詞?不可算名詞?an experience・experiencesとの違い

experienceは数えられる?経験の蓄積と一回の出来事の違い

experienceは「経験」と訳されます。それなのに、I have experience in sales.では冠詞がなく、It was an amazing experience.ではanがつきます。いったい何が違うのでしょうか。

しゅみすけ(大山俊輔)

日本語ではどちらも「経験」なので迷いますよね。ポイントは、経験を“蓄積”として見るか、“一回の出来事”として切り取るかです。

結論:蓄積なら数えず、出来事として区切れば数える

まず結論からいうと、身についた経験・知識の蓄積を表すexperienceは、ふつう数えない名詞として扱います。一方、始まりと終わりのある一回の体験として切り取ると、an experienceexperiencesのように数えられます。

  • experience:経験の蓄積、技能、知識
  • an experience:一回の体験・出来事
  • experiences:複数の個別体験

学校文法では「不可算」と「可算」の両方

文法用語では、数えない使い方を不可算用法、一回ずつ数える使い方を可算用法と呼びます。ただし、「experienceは不可算名詞」と単語だけで固定すると、an amazing experienceが説明できません。

名詞そのものに永久的なラベルがついているというより、話し手がその場面でどんな輪郭を与えるかによって使い方が変わる、と考えると整理しやすくなります。

experienceとan experience・experiencesの違いを示す図解

experience:身についた経験をひとまとまりで見る

仕事や技術について「どれくらい経験があるか」を話すとき、経験は一件、二件と数えるものではなく、時間をかけてたまった知識や技能として捉えられます。

I have experience in sales.
私は営業経験があります。

She has a lot of teaching experience.
彼女には豊富な指導経験があります。

Do you have any work experience?
職務経験はありますか。

この使い方ではan experienceとはせず、量を表すならa lot of experiencemuch experiencelittle experienceなどを使います。なお、肯定文のmuch experienceはやや硬いため、会話ではa lot of experienceが自然です。

an experience:一回の出来事に輪郭をつける

旅行、コンサート、失敗、出会いなどを「ある一回の体験」として振り返ると、始まりと終わりのある出来事になります。そこでa / anをつけて数えられます。

It was an amazing experience.
それはすばらしい体験でした。

I had a strange experience on the train.
電車で不思議な体験をしました。

Living abroad was a valuable experience.
海外で暮らしたことは貴重な経験でした。

しゅみすけ(大山俊輔)

「経験にaがつく」と覚えるより、写真の一枚のように“この出来事”と枠で囲めるかを考えてみましょう。囲めるなら数えられます。

experiences:別々の体験を複数並べる

個別の体験が二つ以上あるときは複数形のexperiencesを使えます。

We shared our travel experiences.
私たちはそれぞれの旅行体験を語り合いました。

Her experiences abroad changed her.
海外でのさまざまな経験が彼女を変えました。

ここでは、旅行や海外生活の出来事が一つずつ区切られ、複数のカードのように並んでいるイメージです。

日本人が間違えやすいポイント

「職務経験があります」をI have an experience.にしない

I have an experience.は、職歴や技能としての経験を言いたいときには通常不自然です。蓄積を表すので、次のように言います。

I have experience in customer service.
接客の経験があります。

一方、具体的な出来事を話すなら、どんな体験かを示す言葉や文脈を添えると自然です。

I had an unusual experience yesterday.
昨日、変わった体験をしました。

「経験が多い」はmany experiencesとは限らない

技能や経験値が豊富だと言いたいならa lot of experienceです。many experiencesにすると、「個別の体験をたくさんした」という意味になります。

  • She has a lot of experience.:彼女は経験豊富だ
  • She has had many interesting experiences.:彼女はいろいろ面白い体験をしてきた

会話ではどう使い分ける?

迷ったときは、次の二つを自分に問いかけてみてください。

  1. 仕事や人生を通じて身についたものを話している? → experience
  2. 思い出として一回ずつ語れる出来事? → an experience / experiences

A: Do you have experience with this software?
このソフトを使った経験はありますか。

B: Yes. I used it for three years at my previous job.
はい。前の仕事で3年間使っていました。

A: How was your first day there?
そこでの初日はどうでしたか。

B: It was a great experience.
とてもよい体験でした。

同じ会話の中でも、前者は技能の蓄積、後者は初日という一回の出来事です。

この見方はほかの名詞にも使える

timecoffeeなども、連続した量として見るか、一回・一杯という単位で区切るかによって数え方が変わります。大切なのは「この単語は絶対に可算/不可算」と決めつけるのではなく、今どんな意味で、どんな輪郭を見せているかを見ることです。

ただし、すべての用法が一つのイメージだけで機械的に決まるわけではありません。ここでは、学習者が使い分けを理解しやすい見方として紹介しています。

しゅみすけ(大山俊輔)

会話では「蓄積ならそのままexperience、一回の出来事ならan experience」。まずはこの対比を使えるようにすると十分です。

まとめ

  • experienceは、身についた経験・知識の蓄積なら数えない
  • 一回の出来事として輪郭をつけるとan experienceになる
  • 複数の個別体験ならexperiencesになる
  • 職務経験は通常have experience in …と表す

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この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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