
食パンなら1枚、ロールパンなら1個と、日本語では普通に数えられるのに、英語ではなぜbreadが不可算名詞なのでしょうか。
結論からいうと、英語のbreadは基本的に、パンを形の決まった一個ではなく、切ったり分けたりできる食べ物の素材・まとまりとして見せる言葉だからです。数えたいときは、a slice of breadやa loaf of breadのように単位をつけて輪郭を作ります。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
breadは不可算名詞:a breadやbreadsにはしないのが基本
一般的なパンを表すbreadは不可算名詞なので、通常は次のように使います。
- some bread:いくらかのパン
- much bread:たくさんのパン(主に疑問・否定文)
- a lot of bread:たくさんのパン
- a piece of bread:パンひとかけ
I bought some bread.
パンを買いました。
Do we have any bread?
パンはありますか?
一般的な意味でI bought a bread.やtwo breadsとは言いません。学校文法なら「breadは不可算名詞だから」と説明されますが、ここからは、その見え方を考えてみましょう。
なぜbreadは数えられない?形ではなく中身として見るから
パンには、食パン、バゲット、丸パン、切った一枚など、さまざまな形があります。どこからどこまでを「一つ」とするかは、breadという語だけでは決まりません。
一斤を一つと見ることも、スライス一枚を一つと見ることも、ちぎった一片を一つと見ることもできます。そこで英語はbreadを、粘土や水のように必要に応じて分けられる中身として扱います。
不可算名詞は「現実に数えられない物」ではありません。英語で話すときに、名詞そのものが一個ずつの境界線を示していない、ということです。
単位をつけるとbreadを数えられる
breadそのものに輪郭がないなら、数えたい場面では外側から単位をつけます。
| 表現 | 見せる単位 | 意味 |
|---|---|---|
| a slice of bread | 薄く切った一枚 | パン一枚 |
| a loaf of bread | 焼き上がった一塊 | パン一斤/一個 |
| a piece of bread | 一部分 | パンひとかけ |
| a bread roll | 一個のロールパン | 丸パン一個 |

Could I have two slices of bread?
パンを2枚いただけますか?
We need three loaves of bread.
パンが3斤必要です。
複数になるのはbreadではなく、輪郭を与えたslicesやloavesです。なお、loafの複数形はloavesになります。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語の「パン1個」を英語にすると?
日本語では形が違っても「パンを一個買った」と言えます。しかし英語では、実物に合う名詞を選ぶほうが自然です。
- 食パンを一斤:a loaf of bread
- 薄切りパンを一枚:a slice of bread
- ロールパンを一個:a bread roll/a roll
- バゲットを一本:a baguette
- パンをひとかけ:a piece of bread
I bought a loaf of bread and four rolls.
食パンを一斤とロールパンを4個買いました。
日本語の「個」に相当する万能な英語を探すより、どんな形で切り取るかを伝えると自然になります。
Two breadsが成立することはある?
文脈によってはbreadsが使われることもあります。その場合は、パンの塊を単純に複数にしたというより、種類の違うパンを表すのが一般的です。
The bakery sells several traditional breads.
そのパン屋では、伝統的なパンを数種類販売しています。
ここではwhole-wheat bread、rye bread、sourdoughなど、種類ごとに境界線を引いています。coffeeが飲み物としては不可算でも、注文ではTwo coffeesと言えるのと似ています。ただし、日常の買い物で「パンを二個」の意味なら、通常はtwo breadsではなくtwo loavesやtwo rollsを使います。
日本人が間違えやすい理由
日本語には「枚・本・斤・個」のような助数詞がありますが、会話ではとりあえず「一個」で済ませることもできます。そのため、英語でもaをつければ一個になると思いやすいのです。
しかし、英語のaは名詞が一つの輪郭を持つときにつきます。bread自体は輪郭を示さないので、a breadではなく、a slice/a loaf/a pieceを使って数える枠を作ります。
breadと似た考え方をする名詞
| まとまりとして見る名詞 | 数えるときの表現 |
|---|---|
| cake | a piece of cake/a slice of cake |
| cheese | a piece of cheese/a slice of cheese |
| paper | a sheet of paper/a piece of paper |
| chocolate | a piece of chocolate/a bar of chocolate |
同じ不可算名詞でも理由や自然な単位は異なります。情報のまとまりについてはinformationはなぜ数えられない?、飲み物が注文単位で可算になる仕組みはcoffeeは数えられる?Two coffeesが成立する理由もご覧ください。
まとめ:breadに単位をつけて輪郭を作る
- breadは基本的に、形の決まらない食べ物のまとまりとして見る不可算名詞
- 一枚ならa slice、一斤ならa loaf、ひとかけならa pieceを使う
- breadsは、文脈によって「複数種類のパン」を表すことがある
- 不可算名詞は、現実に数えられないのではなく、名詞自体が一個の境界線を示さない
しゅみすけ(大山俊輔)
可算・不可算を単語別の暗記ではなく、対象の切り取り方から体系的に理解したい方は、be-rize.comの可算名詞と不可算名詞の違い|数えられるかより「どう切り取るか」も参考にしてください。
参考資料
- British Council LearnEnglish: Nouns: countable and uncountable
- Cambridge Dictionary: Piece words and group words
- Cambridge Dictionary: Nouns: countable and uncountable
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