
「英語を学ぶのを楽しんでいます」と言いたくて、I enjoy to learn English. としていませんか。
enjoy は「楽しむ」、to learn は「学ぶこと」と訳せるため、日本語から組み立てると正しそうに見えます。しかし、標準的な英語では、enjoyの後ろに行動を置くときはto doではなくdoingを使います。
I enjoy to learn English.- I enjoy learning English.
私は英語を学ぶことを楽しんでいます。
enjoyは「何を楽しむのか」という対象を必要とする動詞です。行動を楽しむときは、doingでその行動をひとかたまりの対象にして、enjoyの後ろへ置きます。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
結論:enjoyの後ろに行動を置くならdoing
| 楽しむ対象 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 物・内容 | enjoy+名詞 | enjoy the movie |
| 時間・経験 | enjoy+名詞 | enjoy the trip |
| 行動 | enjoy+doing | enjoy cooking |
| 自分が過ごす時間 | enjoy+oneself | enjoy yourself |
共通しているのは、enjoyの直後に「楽しむ対象」が置かれていることです。
- We enjoyed the concert.
私たちはコンサートを楽しみました。 - We enjoyed listening to the band.
私たちはそのバンドを聴くことを楽しみました。 - Did you enjoy your trip?
旅行は楽しかったですか。 - Do you enjoy travelling alone?
一人旅を楽しみますか。

学校文法ではどう説明される?
学校文法では、enjoyは「動名詞を目的語に取る動詞」と説明されます。動名詞とは、動詞に-ingを付け、文の中で名詞のように働かせる形です。
- enjoy doing:標準的な形
- enjoy to do:通常使わない
たとえば reading mystery novels 全体が、「何を楽しむのか」に答える目的語になっています。
I enjoy reading mystery novels.
私はミステリー小説を読むのが好きです。
この規則は正確です。ただ、「enjoyの後ろは-ing」とだけ暗記すると、なぜ want to read はよくて enjoy to read は不自然なのかが見えにくいままです。ここでは学習者が理解しやすい見方として、enjoyが見せる景色から考えてみましょう。
enjoy doingが見せる景色
enjoyは、ある物・出来事・活動から喜びや満足を得ることを表します。つまり、話し手の目の前には「味わう対象」があります。
- enjoy music:音楽という対象を楽しむ
- enjoy the view:景色という対象を楽しむ
- enjoy spending time with friends:友人と過ごす活動を楽しむ
doingは、動きのある行動を「一つの活動・経験」としてまとめます。そのため、物を目的語にするのと同じ場所へ、行動を置けます。
| 名詞を楽しむ | 行動を楽しむ |
|---|---|
| enjoy coffee | enjoy drinking coffee |
| enjoy the conversation | enjoy talking with you |
| enjoy the class | enjoy learning new expressions |
doingは必ずしも「今まさに進行中」という意味ではありません。ここでは、読む・料理する・旅するなどの行動を、enjoyが味わえる一つの対象にしています。
なぜenjoy to doではないの?
to不定詞は、これから向かう行動、目的、意図と結び付きやすい形です。
- want to travel:旅行する方向へ気持ちが向く
- plan to travel:旅行する方向へ計画を立てる
- decide to travel:旅行する方向へ決定する
一方、enjoyは行動へ向かう意思を示す動詞ではありません。その活動を経験し、そこから楽しさを得る動詞です。そのため、行動を「楽しむ対象」にするdoingが定着しています。
| 表現 | 中心となる景色 |
|---|---|
| plan to cook | 料理することへ計画を向ける |
| decide to cook | 料理することへ決定を向ける |
| enjoy cooking | 料理という活動を味わう |
ただし、doingとto doの選択を一つのイメージだけですべて断定できるわけではありません。動詞ごとに定着した語法があります。イメージを理解の手掛かりにしながら、enjoy doingという自然な型も例文と一緒に覚えましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
enjoy doingとlike doing・like to doの違い
enjoyはdoingを取りますが、likeはdoingとto doの両方を取れます。ただし、見せる焦点が少し違うことがあります。
| 表現 | 中心となる意味 | 例 |
|---|---|---|
| enjoy doing | 活動から実際に楽しさを得る | I enjoy walking. |
| like doing | 活動そのものが好き | I like walking. |
| like to do | そうするのを好む・習慣として選ぶ | I like to walk before breakfast. |
I enjoy walking. は、歩いている時間や経験を楽しいと感じることに焦点があります。I like to walk before breakfast. は、朝食前に歩くという選択・習慣を好む意味で使えます。
もちろん、like doingとlike to doの差がほとんど問題にならない文脈もあります。しかしenjoyの場合は、行動を続けるならdoingが必要です。
Enjoy! とEnjoy yourself.はどう違う?
enjoyは通常、後ろに楽しむ対象を必要とします。ただし会話では、対象が状況から明らかなときに Enjoy! と単独で言うことがあります。
- Here’s your lunch. Enjoy!
ランチです。どうぞ楽しんで。 - Enjoy the show!
ショーを楽しんでね。 - Enjoy your trip!
旅行を楽しんでね。 - Enjoy yourself!
楽しんできてね。
Enjoy! は、食事・イベント・旅行など、何を楽しむかがその場で明らかな短い言い方です。Enjoy yourself. は「あなた自身が楽しく過ごして」という形で、パーティーや休暇へ送り出す場面によく合います。
会話でよく使うenjoy doingの例文
- I enjoy talking with you.
あなたと話すのは楽しいです。 - She enjoys trying new restaurants.
彼女は新しいレストランを試すのが好きです。 - Do you enjoy working from home?
在宅勤務を楽しんでいますか。 - We enjoyed walking around the old town.
私たちは旧市街を歩いて楽しみました。 - He doesn’t enjoy cooking for himself.
彼は自分のために料理するのを楽しめません。 - I’ve always enjoyed learning about other cultures.
私は昔から異文化について学ぶのが好きです。
日本人がenjoy to doを作りやすい理由
1.doingもto doも「~すること」と訳せる
日本語訳だけなら、どちらも名詞のように見えます。しかし英語では、前にある動詞によって自然な型が決まります。
2.「楽しみたい」をwantのような未来志向で捉える
これから楽しむ予定だからto doと思いやすいのですが、enjoyは予定を立てる動詞ではなく、対象から楽しさを得る動詞です。
3.enjoyの後ろに目的語が必要だと意識しにくい
日本語の「楽しんで!」は目的語なしで自然です。英語でも会話の Enjoy! はありますが、普通の文では enjoy the party、enjoy dancingのように対象を置きます。
よくある間違いを直してみよう
I enjoy to watch movies.
→ I enjoy watching movies.She enjoys to cook for her family.
→ She enjoys cooking for her family.Did you enjoy to travel alone?
→ Did you enjoy travelling alone?I enjoyed to talk with you.
→ I enjoyed talking with you.
迷ったときの3秒判定
- enjoyの後ろに物・出来事を置く? → enjoy+名詞
- enjoyの後ろに行動を置く? → enjoy+doing
- 「~する計画・決定・希望」を表す? → enjoyではなく、plan/decide/want+to doなどを検討
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ:楽しんでいる行動をdoingで対象にする
- enjoyの後ろに行動を置くなら enjoy doing
- enjoy to do は標準的な英語では通常使わない
- enjoyは「何を楽しむか」という対象を必要とする
- doingは行動を一つの活動・経験としてまとめる
- likeはdoingとto doの両方を取れるが、enjoyはdoingを取る
- Enjoy! は対象がその場で明らかな会話表現
enjoy doingを使うときは、楽しんでいる活動をdoingでひとかたまりにし、enjoyの味わう対象として置く景色を思い浮かべてください。すると、enjoy musicとenjoy listening to musicが同じ仕組みとしてつながります。
enjoyを使った別の定番表現は、b-cafe.netのenjoy oneselfの意味・使い方でも詳しく紹介しています。
不定詞と動名詞の全体的な使い分けは、be:RIZEの不定詞と動名詞の使い分け|to do・doingを取る動詞と意味の違いも参考にしてください。
参考:British Council: Verbs followed by ‘-ing’ or infinitive、Cambridge Dictionary: Verb patterns










