
英語には、目・頭・手・足・背中など、身体の部位を使ったイディオムが数多くあります。
たとえば see eye to eye は「目と目を見る」ではなく「意見が一致する」、get off my back は「私の背中から降りて」ではなく「もう放っておいて」という意味です。
身体イディオムは、身体の動きや感覚を比喩として使い、人の気持ち・態度・人間関係を短く印象的に伝える表現です。直訳と実際の意味を対比すると、丸暗記よりも理解しやすくなります。
この記事では、日常会話や仕事で使いやすい身体の部位を使った英語イディオムを、目・頭・口・足・肩・背中などに分けて紹介します。詳しいニュアンスや例文は、それぞれの専門記事でも確認できます。
Contents
身体の部位を使った英語イディオム一覧
| イディオム | 直訳イメージ | 実際の意味 |
|---|---|---|
| see eye to eye | 目と目を見る | 意見が一致する |
| the apple of my eye | 私の目のりんご | かけがえのない大切な人 |
| turn a blind eye to | 見えない目を向ける | 見て見ぬふりをする |
| in the blink of an eye | まばたきの間に | 一瞬で |
| more than meets the eye | 目に見える以上 | 見た目以上の事情がある |
| pull someone’s leg | 人の脚を引っ張る | 冗談でからかう |
| put your best foot forward | 一番よい足を前に出す | 好印象を与えるよう最善を尽くす |
| give someone the cold shoulder | 冷たい肩を向ける | 冷たい態度を取る |
| get under someone’s skin | 人の皮膚の下に入る | イライラさせる・心に入り込む |
| get off someone’s back | 人の背中から降りる | 口出しをやめて放っておく |
| watch your back | 自分の背中を見る | 背後や裏切りに注意する |
| bite your tongue | 舌をかむ | 言いたいことをこらえる |
しゅみすけ(大山俊輔)
目(eye)を使った英語イディオム
see eye to eye|意見が一致する
see eye to eye は、二人が同じ高さで目を合わせているイメージから「考え方や意見が一致する」を表します。通常は see eye to eye on/about … の形で、同意する話題を続けます。
We don’t always see eye to eye on money.
私たちはお金のことでは、いつも意見が一致するわけではありません。
簡単に言い換えるなら We don’t always agree. です。
the apple of my eye|かけがえのない大切な人
the apple of my eye は、家族や恋人など「とても大切で愛おしい人」を表します。単に好きな物を指すより、人への深い愛情を表すときに自然です。
My granddaughter is the apple of my eye.
孫娘は私にとってかけがえのない存在です。
turn a blind eye to|見て見ぬふりをする
turn a blind eye to … は、問題に気づいているのに意図的に無視することです。単に見落とした場合には使いません。
We can’t turn a blind eye to this problem.
この問題を見て見ぬふりすることはできません。
in the blink of an eye|一瞬で
in the blink of an eye は「まばたきするほど短い間に」から「一瞬で」を表します。
The weekend was over in the blink of an eye.
週末はあっという間に終わりました。
more than meets the eye|見た目以上の事情がある
more than meets the eye は、目に見えていることだけがすべてではなく、隠れた事情や複雑さがあると伝える表現です。
There’s more to this story than meets the eye.
この話には、見た目以上の事情があります。

足・脚(foot・leg)を使った英語イディオム
pull someone’s leg|冗談でからかう
pull someone’s leg は「本気ではなく、冗談を言って相手をからかう」という意味です。日本語の「足を引っ張る」とは意味が違います。
Relax. I’m just pulling your leg.
安心して。ただ冗談でからかっているだけです。
相手を傷つけるような嘲笑ではなく、親しい間柄の軽い冗談に向いています。
put your best foot forward|好印象を与えるよう最善を尽くす
put your best foot forward は、面接・初対面・新しい仕事などで、自分の最もよい面を見せようとすることです。
Put your best foot forward at the interview.
面接では、よい印象を与えられるよう最善を尽くしてください。
しゅみすけ(大山俊輔)
肩・皮膚・背中を使った英語イディオム
give someone the cold shoulder|冷たい態度を取る
give someone the cold shoulder は、相手を歓迎せず、よそよそしく冷たい態度を取ることです。
She gave me the cold shoulder at the party.
彼女はパーティーで私に冷たい態度を取りました。
get under someone’s skin|イライラさせる・心に入り込む
get under someone’s skin には「人をイライラさせる」と、文脈によっては「人の心に入り込み、忘れられない存在になる」という意味があります。
His constant complaints are getting under my skin.
彼の絶え間ない不満にイライラしてきました。
get off someone’s back|口出しをやめて放っておく
get off someone’s back は、批判・催促・干渉を続ける人に「もう口出ししないで」と伝える表現です。Get off my back! はかなり強いので、相手との関係に注意しましょう。
Please get off my back. I’ll finish it today.
もう催促しないでください。今日中に終わらせます。
watch your back|背後に気をつける
watch your back は、物理的な背後だけでなく、裏切り・競争・危険に注意するよう警告するときにも使います。
Watch your back. He may try to blame you.
気をつけて。彼はあなたのせいにしようとするかもしれません。
口・舌を使った英語イディオム
bite your tongue|言いたいことをこらえる
bite your tongue は、言えば問題になりそうな言葉をぐっとこらえることです。
I wanted to correct him, but I bit my tongue.
彼を訂正したかったのですが、言うのをこらえました。
「黙っている」なら stay quiet、「言いかけたことを意識的にこらえる」なら bite your tongue が合います。
身体イディオムを覚える「しゅみすけ式」
身体イディオムがすぐに出てこないときは、最初から難しい表現を無理に使う必要はありません。まず簡単な英語で意味を伝え、そのあとイディオムへ置き換えます。
| 伝えたい意味 | まず簡単な英語 | イディオム |
|---|---|---|
| 意見が一致する | We agree. | We see eye to eye. |
| 冷たい態度を取った | She was cold to me. | She gave me the cold shoulder. |
| もう放っておいて | Please leave me alone. | Please get off my back. |
| 言うのをこらえた | I stopped myself from saying it. | I bit my tongue. |
- 意味を簡単な英語で言う
- 身体の絵を思い浮かべる
- イディオムへ置き換える
- 自分の一文として声に出す
しゅみすけ(大山俊輔)
身体イディオムを使うときの注意点
- 日本語の身体表現と同じ意味だと思い込まない:pull someone’s legは「足を引っ張る」ではありません。
- 強さを確認する:Get off my back! は強い拒絶として聞こえることがあります。
- 人への評価は慎重に:cold shoulderやget under someone’s skinは否定的な文脈になりやすい表現です。
- 前置詞までセットで覚える:see eye to eye on、turn a blind eye to のように覚えます。
関連する英語イディオム一覧
まとめ|身体の動きと本当の意味をセットで覚えよう
身体の部位を使った英語イディオムは、直訳だけを見ると不思議ですが、目線・足の動き・肩の向き・背中への圧力などをイメージすると意味がつながります。
まずは see eye to eye、pull someone’s leg、give someone the cold shoulder、bite your tongue など、自分の生活で使いそうな3つを選びましょう。簡単な英語で意味を確認してから、自分の一文として声に出すと、会話で使える表現として定着しやすくなります。
表現を選ぶときは、日本語訳だけでなく、褒め言葉・注意・冗談のどれとして使われるかも個別解説で確認しましょう。同じ意味に見えても、相手との距離や場面によって自然さが変わります。










