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『ドリーム』(原題:Hidden Figures)は、1960年代初頭のNASAで宇宙開発を支えた、黒人女性の数学者・技術者たちを描く2016年の映画です。キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンという実在の人物がモデルになっています。
人種と性別による差別が制度として残る時代に、三人は高い専門性と行動力で道を切り開きました。この記事では、原題に込められた二重の意味と、能力・異動・学習・確信を伝える仕事英語を紹介します。

Contents
舞台は、米国とソ連が宇宙開発競争を繰り広げていた1961年のバージニア州。NASAラングレー研究所では、電子計算機が普及する前から、多くの女性が「human computer(人間計算手)」として複雑な計算を担っていました。
卓越した数学者キャサリン・ゴーブル・ジョンソンは、宇宙飛行の軌道計算を行うスペース・タスク・グループへ配属されます。しかし職場では、機密情報へのアクセス、人種別に分けられた設備、女性への固定観念など、能力とは無関係な壁に直面します。

同僚のドロシー・ヴォーンは、正式な肩書きがないまま管理業務を担いながら、新しく導入されるIBMコンピューターの可能性を見抜きます。メアリー・ジャクソンは、黒人女性には受講が難しかった講座への道を求め、エンジニアを目指します。
映画が大きく扱うのは、ジョン・グレンによる米国初の有人地球周回飛行「フレンドシップ7」です。三人の知識と働きは、米国の宇宙開発を前へ進める力になりました。
hiddenは「隠された、表に出ていない」、figureは「人物」「数字」「図形」など複数の意味を持ちます。そのためHidden Figuresには、歴史の陰に隠れていた「知られざる人物たち」と、宇宙飛行を支えた「表に出ない数字・計算」という二重の意味があります。
Could you check these figures again?
この数値をもう一度確認してもらえますか?
She was a leading figure in the project.
彼女はそのプロジェクトの中心人物でした。
邦題の『ドリーム』は三人が夢をかなえる物語を強調していますが、原題は「誰が歴史を支え、その功績がなぜ見えなくなっていたのか」という作品の核心を表しています。
be qualified forは、仕事や役割に必要な資格・経験・能力を備えていることです。後ろに動作を続けるならbe qualified to doを使います。
She is fully qualified for the position.
彼女はその職務に十分な資格があります。
He is qualified to operate the equipment.
彼にはその機器を操作する資格があります。
assignは、人に仕事や役割を「割り当てる」ことです。受け身のbe assigned toで「〜に配属される」「〜を担当する」となります。
I was assigned to the new project.
私は新しいプロジェクトへ配属されました。
assign a task to someoneなら「人に仕事を割り当てる」です。
get up to speedは、仕事を進められる水準まで情報や技能を身につけることです。新しい担当、システム、業界を短期間で理解するときによく使います。
I need a few days to get up to speed.
必要な知識に追いつくまで数日必要です。
Could you bring me up to speed?
これまでの状況を教えてもらえますか?
take the initiativeは、指示を待たずに必要な行動を始めることです。ドロシーが新しい技術を学び、同僚にも共有する姿に重なる表現です。
She took the initiative and learned the new system.
彼女は率先して新しいシステムを学びました。
overlookは「見落とす」という意味です。人や功績を目的語にすると、「見過ごす」「正当に注目しない」という意味になります。
Her contribution was overlooked for years.
彼女の貢献は長年見過ごされていました。
for certainは「確実に」「間違いなく」という副詞句です。know for certainの形でよく使われます。
We don’t know for certain what caused the error.
何がエラーの原因だったのか、確かなことは分かりません。
形容詞のcertainはI’m certain that …(私は〜だと確信しています)のように使います。

sirは、男性への丁寧な呼びかけです。軍隊で上官に使うことで知られていますが、接客、警察、学校、改まった職場などでも使われます。名前の代わりに単独で使い、通常は姓に直接付けません。
Excuse me, sir. You dropped this.
すみません。これを落としましたよ。
女性への丁寧な呼びかけには、米国英語ではma’amがよく使われます。madamは非常に改まった場面や役職名で見られます。Missを見知らぬ成人女性への万能な敬称として使うのは避け、必要なければ呼びかけ自体を省くほうが自然な場合もあります。
1960年代を描く本作では、sirが単なる礼儀だけでなく、組織内の上下関係や時代背景も伝えています。

本作では、登場人物が「自分には何ができるか」「なぜその機会が必要か」を相手に説明します。難しい単語より、事実・根拠・求める行動を順番に並べる力が重要です。
I have the experience required for this role.
この役割に必要な経験があります。
I’d like the opportunity to prove myself.
自分の力を証明する機会をいただきたいです。
Without access to the data, I can’t verify the results.
データへアクセスできなければ、結果を検証できません。
仕事の英会話では、遠慮して結論をぼかすより、「現状」「障害」「必要なもの」を短く整理すると伝わりやすくなります。
難易度の目安は中級です。数学・宇宙開発・法律の語彙が登場し、職場の会話も速めです。一方、三人の目標が明確なので、専門語をすべて理解しなくても場面の目的を追えます。
詳しい英文法より先に、「この人はいま何を求めているのか」を意識すると、会話の流れをつかみやすくなります。
諦める・見切りをつける表現を整理したい方は、give up doingとgive up onの違いもあわせて確認できます。
『ドリーム』は、歴史の陰に置かれていた人物と数字を表すHidden Figuresという原題そのものが、作品のテーマになっています。be qualified for、be assigned to、get up to speed、take the initiative、be overlookedは、現代の仕事でも使える表現です。
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