
What I need is a break. は「私に必要なのは休憩です」という意味です。しかし、普通に I need a break. と言っても内容はほぼ同じ。なぜわざわざWhatから始めるのでしょうか。
結論からいうと、What I needで「私に必要なもの」という空席を先に作り、isの後ろへ答えを置くことで、最後のa breakへ焦点を集めるためです。
この形は疑似分裂文(pseudo-cleft sentence)と呼ばれます。専門用語を覚えるより、「話題の箱を先に作り、答えを後ろで見せる文」と捉えると会話で使いやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
普通の文とWhat I need is …は何が違う?
まず、同じ場面を二つの形で比べてみましょう。
- I need a break.
休憩が必要です。 - What I need is a break.
私に必要なのは、休憩です。
普通の文は、needという動作・状態の後ろに必要なものをそのまま置きます。事実を素直に伝える中立的な形です。
What I need is …では、まず「私に必要なもの」を一つの話題として取り出します。そのうえで、a breakを答えとして提示します。「必要なのはコーヒーでも助言でもなく、休憩だ」という対比が生まれることもあります。

What I needは疑問文ではない
Whatで始まるため、What do I need? と混同しやすいところです。しかし、二つは役割も語順も異なります。
| 形 | 役割 | 意味 |
|---|---|---|
| What do I need? | 疑問文 | 私は何が必要ですか |
| What I need | 名詞の働きをする節 | 私に必要なもの |
疑問文ではdoが主語Iの前に出ます。一方、What I needは文の部品なので、後ろはI needという通常の語順です。
- ○ What do I need?
- ○ What I need is more time.
- × What do I need is more time.
whatは「何?」ではなく「〜するもの・こと」
What I needのwhatは、ここでは答えを尋ねる疑問詞ではありません。the thing that I need(私が必要とするもの)に近い働きをしています。
- What she said surprised me.
彼女が言ったことは私を驚かせました。 - What we need is a clear plan.
私たちに必要なのは明確な計画です。 - What matters is what we do next.
大切なのは、次に何をするかです。
文法用語では融合関係詞などと説明されますが、初心者はwhat+文を「〜するもの・こと」という箱として読めれば十分です。
なぜ後ろの答えが強調される?
1.先に話題の範囲を決める
What I need … と言った時点で、話題は「欲しいもの」でも「昨日したこと」でもなく、「私に必要なもの」に限定されます。
2.聞き手に空席を作る
What I needだけでは、具体的な答えはまだ分かりません。聞き手は無意識に、その空席を埋める情報を待ちます。
3.文末で答えを提示する
英語では、文末に新しい情報や重い情報を置くと自然に目立ちやすくなります。is A BREAKと最後に答えを出すことで、a breakが焦点になります。
ここでいう「強調」は、必ず大声で感情的に言うという意味ではありません。文の情報を並べ替え、聞き手が注目する場所を設計するということです。
しゅみすけ(大山俊輔)
What I need is …が自然な場面
複数の候補から一つを選ぶ
What I need is a quiet place to work.
私に必要なのは、静かに仕事ができる場所です。
道具や助言ではなく「静かな場所」が必要だと、答えを絞っています。
相手の誤解を訂正する
A: Do you need more coffee?
B: No. What I need is some sleep.
必要なのはコーヒーではなく睡眠だ、と対比しています。
結論をはっきり提示する
What we need is a decision today.
私たちに必要なのは、今日決断することです。
会議で論点が広がったあと、必要なものを一つに絞って示すときにも便利です。
need以外の動詞でも使える
疑似分裂文はWhat I need is …だけの決まり文句ではありません。what節の中身を変えると、行動・原因・驚き・希望などへ焦点を送れます。
- What I want is an honest answer.
私が欲しいのは正直な答えです。 - What surprised me was her calm response.
私を驚かせたのは、彼女の落ち着いた返答でした。 - What caused the delay was a system error.
遅延を引き起こしたのはシステムエラーでした。 - What I remember most is her smile.
私がいちばん覚えているのは彼女の笑顔です。 - What I mean is that we need more time.
私が言いたいのは、もっと時間が必要だということです。
最後のWhat I mean is …は、誤解を避けて自分の意図を言い直すときによく使います。meanの用法は、be-rize.comのmeanのコアイメージは「意味する」だけではないでも確認できます。
動作を焦点にするWhat I did was …
「私がしたことは〜だ」と動作を見せる場合は、What I did was …が使えます。
- What I did was call the customer.
私がしたのは、顧客へ電話することでした。 - What she did was change the password.
彼女がしたのは、パスワードを変更することでした。
wasの後ろには、callのような動詞の原形がよく置かれます。What I didの中にdoがすでにあるため、「具体的に何をしたか」を後ろの動詞で示す形です。to callを使う場合もありますが、まずは会話でよく使う原形の型を覚えるとよいでしょう。
What I need isとIt is … thatの違い
どちらも焦点を作りますが、情報を見せる順番が異なります。
| 形 | 焦点の見せ方 | 例 |
|---|---|---|
| 普通の文 | 事実を中立的に述べる | I need a break. |
| What疑似分裂文 | 範囲を先に作り、答えを後ろで見せる | What I need is a break. |
| It強調構文 | 焦点を特別席へ取り出して早めに見せる | It is a break that I need. |
It is a break that I need.は文法的に作れますが、日常会話では文脈がなければ少し強く、対比的に響きます。「必要なのは休憩であって、助言ではない」と訂正する景色です。
It型の仕組みは、強調構文It is … thatとは?スポットライトで理解で詳しく解説しています。体系的な作り方はbe-rize.comの強調構文とは?It is … that …の意味・見分け方も参考になります。
isとareはどう選ぶ?
基本は、主語となるwhat節を一つのまとまりとして受けるため、isがよく使われます。
- What I need is two days off.
- What we need is better tools.
後ろが複数でもisが自然に使われます。ただし、複数の項目を明確に並べる文脈ではareが見られることもあります。初心者はまず「What+文+is+答え」を基本形にすると安定します。
日本人が間違えやすいポイント
what節を疑問文の語順にしない
- × What do I want is more time.
- ○ What I want is more time.
whatの後ろに欠けている場所を二重に埋めない
- × What I need it is a break.
- ○ What I need is a break.
what自体がneedの目的語に当たるため、itを追加しません。
何でもこの形で言わない
単純な事実なら普通の文のほうが自然です。
- 中立:I bought a new laptop.
- 焦点あり:What I bought was a new laptop.
二つ目には「私が買ったものは何か」が話題になっている背景が必要です。
会話で使う3ステップ
- 先に範囲を決める:What I need/want/mean/remember
- be動詞で答えの席につなぐ:is/was
- 本当に伝えたい答えを最後へ置く
まずは次の三つを、自分の内容へ入れ替えてみましょう。
- What I need is ______.
- What I want is ______.
- What I mean is ______.
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ:What I need is …は答えを最後に見せる
- What I needは「私に必要なもの」という一つの名詞の箱
- 疑問文ではないため、What do I needではなくWhat I needの語順
- 先に空席を作り、isの後ろへ答えを置くことで文末へ焦点を集める
- need以外にもwant・mean・remember・surprise・causeなどで使える
- 普通の文、What疑似分裂文、It is … thatでは焦点を見せる順番が異なる
What I need is …を見たら、一語ずつ訳すより、「必要なものは……答えはこれ」という情報の流れを感じてみてください。英語が、語順で聞き手の注意を動かしていることが見えてきます。










