英語はなぜ分詞を使う?現在分詞・過去分詞が動作を人や物の姿に変える仕組み

英語の分詞が動作を人や物の姿に変える仕組みを示した図解

英語の現在分詞・過去分詞は、なぜ動詞から作られるのに、形容詞のように人や物を説明できるのでしょうか。

分詞は、動作を表す動詞と、性質を表す形容詞の間にある仕組みです。英語は分詞を使うことで、時間の中で起きる出来事を、人や物の「今見えている姿・残された状態」として切り取ります

この記事では、現在分詞と過去分詞の作り方を覚えるのではなく、英語がなぜ出来事を説明へ変換するのかを、日本語との違いから考えます。

しゅみすけ(大山俊輔)

分詞は「動詞の変化形」というより、動いている映像から一枚の姿を切り出す仕組みだと考えると見通しがよくなります。

結論:分詞は「出来事」を「人・物の説明」へ変える

普通の動詞は、文の中心で出来事を進めます。

The girl is reading a book.
その女の子は本を読んでいる。

一方、readingを分詞として名詞に結びつけると、その出来事が女の子を識別する説明になります。

the girl reading a book
本を読んでいる女の子

「読む」という動作が消えたわけではありません。動作を文の中心として述べるのではなく、女の子がどのような姿なのかを示す材料へ変えています。

過去分詞も同じです。

Someone broke the window.
誰かが窓を割った。

この出来事の結果に焦点を置くと、the broken window(割れた窓)になります。分詞は、出来事全体の中から名詞に関係する部分を取り出しているのです。

現在分詞は「動作が内側から展開している姿」

現在分詞の-ingは、名詞が動作の流れに参加している姿を見せます。

  • a crying baby:泣いている赤ちゃん
  • the people waiting outside:外で待っている人々
  • running water:流れている水

共通するのは、「現在」という時刻ではなく、動きが展開中のものとして捉えられていることです。そのため、a sleeping babyは過去や未来の文脈にも置けます。

I saw a sleeping baby yesterday.
昨日、眠っている赤ちゃんを見た。

sleepingは昨日という時制を持つ動詞ではなく、そのときの赤ちゃんの姿を示しています。分詞そのものには、文の中心となる動詞と同じ時制はありません。

過去分詞は「出来事の影響が残った状態」

過去分詞は「過去の出来事」だけを表すものではありません。対象が動作を受け、その影響や結果を帯びている姿を見せます。

  • a broken window:割れた窓
  • a written message:書かれたメッセージ
  • the food prepared this morning:今朝用意された食べ物

brokenが重要なのは「過去だから」ではなく、窓が割る出来事の影響を受けた側にあるからです。

現在分詞と過去分詞の中心的な違いは、時刻の現在・過去ではなく、出来事を見る向きにあります。

出来事との関係 見せる姿
現在分詞 -ing 動作を展開する側 動いている・働きかけている姿
過去分詞 -ed等 動作の影響を受ける側 結果・影響を帯びた状態

分詞は長い文を、名詞の説明へ圧縮できる

現在分詞と過去分詞が文の出来事を人や物の説明へ圧縮する図解

分詞の大きな役割は、出来事を保ったまま説明を小さくできることです。

The woman who is talking to Ken is my teacher.
ケンと話している女性は私の先生です。

関係詞節who is talking to Kenを分詞にすると、次のようにできます。

The woman talking to Ken is my teacher.

英語は先にthe womanを置き、その後ろからtalking to Kenを加えて対象を絞ります。これは英語が後ろから修飾する理由や、関係詞を使う理由と同じ情報設計です。

関係詞節が「小さな文」として出来事を述べるのに対し、分詞は主語やbe動詞などを表面に出さず、動作の像だけを名詞へ直接つなぎます

なぜ分詞は形容詞のように働けるのか

形容詞は、人や物の性質・状態を説明します。分詞も、動詞が持つ出来事の意味を残したまま、名詞の姿を説明します。

  • a quiet room:静かな部屋(もともとの性質)
  • a crowded room:人で混み合った部屋(出来事・状況の結果)
  • a changing world:変化している世界(展開中の動き)

分詞は「動詞と形容詞の中間」にいるからこそ、静的な性質だけでは表しにくい、動きのある特徴を短く描けます。

この役割分担は、英語の品詞はなぜ必要なのか形容詞と副詞を区別する理由にもつながります。

excitingとexcitedは「物か人か」だけでは決まらない

学校では「物には-ing、人には-ed」と覚えることがあります。しかし、本質は人か物かではなく、感情という出来事のどちら側にいるかです。

The movie was exciting.
その映画は人をわくわくさせる性質を持っていた。

I was excited.
私はその働きかけを受け、わくわくした状態になった。

人でも感情を起こす側ならexcitingになります。

She is an exciting speaker.
彼女は人をわくわくさせる話し手です。

逆に、知らせや表情などが影響を受けた状態を示せば過去分詞が使われます。判断軸は「人・物」ではなく、働きかける側か、影響を受ける側かです。

具体的な形・用法・見分け方は、be:RIZEの英語の現在分詞と過去分詞の違いexcitedとexcitingの違いで詳しく確認できます。

日本語も動作で名詞を説明するが、英語とは組み立て方が違う

日本語でも「本を読んでいる女の子」「割れた窓」のように、動作や状態で名詞を説明できます。ただし、語順が英語と逆です。

言語 基本的な組み立て
日本語 説明を先に置き、最後に名詞を出す 本を読んでいる+女の子
英語 短い説明は前、長い説明は名詞の後ろ a sleeping baby / the girl reading a book

日本語では動詞の形を保ったまとまりを名詞の前に置けます。英語は語順によって文の骨格を明示するため、中心の文とは別に動詞を置くとき、その動詞を分詞へ変えて「これは文の中心ではなく説明です」と示します。

ここに、日本語話者がthe girl reads a bookthe girl reading a bookを混同しやすい理由があります。英語では、定形動詞は文を成立させ、分詞は名詞を描くという担当の違いが形に現れます。

しゅみすけ(大山俊輔)

分詞を見たら、まず「現在か過去か」ではなく、「誰が動いている姿か、何が影響を受けた状態か」を探してみてください。

まとめ:分詞は動作を静止画のように名詞へ重ねる

英語が分詞を使うのは、動詞の出来事を失わずに、人や物の説明へ変えるためです。

  • 現在分詞は、動作が展開している側の姿を描く
  • 過去分詞は、動作の影響や結果を帯びた側の状態を描く
  • 現在・過去という名前より、出来事との関係が重要
  • 分詞は文や関係詞節の内容を、短い説明へ圧縮できる
  • 英語では分詞形が「中心動詞ではなく説明」という役割を示す

分詞を活用表としてではなく、出来事を一枚の姿へ変える装置として見ると、修飾・進行形・受動態・完了形が、ばらばらの文法ではなく同じ英語の情報設計としてつながってきます。

英語の基本構造を全体から確認したい方は、英語の基本・構造とは?もあわせてご覧ください。

分詞をto不定詞・動名詞と同じ非定形動詞として捉える全体像は、英語はなぜ1文に動詞をいくつも置ける?で解説しています。

分詞が目的語の後ろに置かれ、Oの動作・状態を描く仕組みは、目的語+動詞で「小さな出来事」を作る英語の構造でも確認できます。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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