
「レポートを書き終えました」と言いたくて、I finished to write the report. としていませんか。
finishは「終える」、to writeは「書くこと」と訳せるので、日本語から組み立てると正しそうに見えます。しかし、標準的な英語ではfinishの後ろに行動を置くとき、to doではなくdoingを使います。
I finished to write the report.- I finished writing the report.
私はレポートを書き終えました。
finishは、すでに始まっている活動の最後の部分まで進み、その活動全体を完了させる動詞です。doingで活動全体をひとかたまりにし、それをfinishの「終える対象」として置きます。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
- 1 結論:finishの後ろに行動を置くならdoing
- 2 学校文法ではどう説明される?
- 3 finish doingが見せる景色
- 4 なぜfinish to doではないの?
- 5 finish doingとstop doingの違い
- 6 finish doingとbe done doingの違い
- 7 finish doingとfinish withの違い
- 8 会話でよく使うfinish doingの例文
- 9 finishの後ろに名詞だけを置ける場合
- 10 日本人がfinish to doを作りやすい理由
- 11 to finish doingはなぜ正しい?
- 12 よくある間違いを直してみよう
- 13 迷ったときの3秒判定
- 14 まとめ:finishはdoingで表した活動を終点まで運ぶ
結論:finishの後ろに行動を置くならdoing
| 終える対象 | 自然な形 | 例 |
|---|---|---|
| 仕事・課題 | finish+名詞 | finish the report |
| 食事・飲み物 | finish+名詞 | finish dinner |
| 行動 | finish+doing | finish writing |
| 場所・時刻 | finish+副詞句 | finish at five |
- I finished the book.
私はその本を読み終えました。 - I finished reading the book.
私はその本を読むことを終えました。 - Have you finished your homework?
宿題は終わりましたか。 - Have you finished doing your homework?
宿題をするのは終わりましたか。

学校文法ではどう説明される?
学校文法では、finishは「動名詞を目的語に取る動詞」と説明されます。動名詞とは、動詞に-ingを付け、文の中で名詞のように働かせる形です。
- finish doing:標準的な形
- finish to do:通常使わない
writing the report全体が、「何を終えたのか」に答える目的語になっています。
She finished cleaning the kitchen.
彼女はキッチンの掃除を終えました。
この規則は正確です。ただ、「finishの後ろは-ing」とだけ覚えると、なぜdecide to writeはよくてfinish to writeは不自然なのかが見えません。ここでは学習者が理解しやすい見方として、finishが示す終点から考えます。
finish doingが見せる景色
finishの中心には、始点から続いてきた物事が終点へ到達する景色があります。
- finish the race:レースの終点まで行く
- finish the meal:食事の最後まで食べる
- finish the project:プロジェクトの最後まで進める
行動を終える場合も同じです。doingが「書く」「食べる」「掃除する」といった活動を、始まりから終わりまで含む一つのまとまりにします。finishはそのまとまりの終点へ到達させます。
| 名詞を終える | 活動を終える |
|---|---|
| finish the report | finish writing the report |
| finish dinner | finish eating dinner |
| finish the cleanup | finish cleaning the room |
doingはここで「今まさに進行中」という意味だけを表すのではありません。行動全体をfinishが扱える対象にしています。
なぜfinish to doではないの?
to不定詞は、これから向かう行動、目的、意図と結び付きやすい形です。
- decide to write:書く方向へ決定する
- plan to write:書く方向へ計画を立てる
- start to write:書く動きへ入り始める
finishは「これからその行動へ向かう」動詞ではありません。すでに対象となっている活動の最後まで進みます。そのため、活動全体を対象化するdoingが自然な型として定着しています。
| 表現 | 見せる動き |
|---|---|
| plan to clean | 掃除することへ計画を向ける |
| start to clean | 掃除する動きへ入る |
| finish cleaning | 掃除という活動の終点へ到達する |
ただし、doingとto doの選択を一つのイメージだけですべて断定できるわけではありません。動詞ごとに定着した語法もあります。イメージは理解の手掛かりにし、finish doingという型を例文ごと覚えてください。
しゅみすけ(大山俊輔)
finish doingとstop doingの違い
どちらも活動を終わらせますが、終わり方が違います。
| 表現 | 中心となる意味 | 例 |
|---|---|---|
| finish doing | 予定された最後まで完了する | finish reading the book |
| stop doing | 続いている活動をやめる | stop reading the book |
- I finished reading the book.
私はその本を最後まで読みました。 - I stopped reading the book.
私はその本を読むのを途中でやめました。
finishには「必要なところまでやり切った」という完了があります。stopは、その活動がそこで続かなくなったことを表し、最後まで済んだとは限りません。
finish doingとbe done doingの違い
会話では、特にアメリカ英語でbe done doingもよく使われます。
- I finished cleaning the kitchen.
キッチンの掃除を完了しました。 - I’m done cleaning the kitchen.
キッチンの掃除はもう終わりました。
finish doingは「完了する」という動作を表し、be done doingは「もう終わった状態」に焦点を当てます。会話ではAre you done using this?(これ、使い終わりましたか)のような形も便利です。
finish doingとfinish withの違い
finish with+名詞は、その物・人・用事との関わりを終える形です。
- I’ve finished writing the report.
レポートを書く作業を終えました。 - I’ve finished with the report.
そのレポートについての用事は終わりました。 - Are you finished with the printer?
プリンターはもう使い終わりましたか。
finish doingは活動に焦点を当て、finish with somethingはその対象をもう必要としない状態に焦点を当てます。
会話でよく使うfinish doingの例文
- I just finished eating.
ちょうど食べ終わったところです。 - Have you finished packing?
荷造りは終わりましたか。 - Let me finish speaking.
最後まで話させてください。 - She finished getting ready early.
彼女は早めに支度を終えました。 - We need to finish preparing for the meeting.
会議の準備を終える必要があります。 - I’ll call you when I finish working.
仕事が終わったら電話します。
finishの後ろに名詞だけを置ける場合
行動をdoingで言わなくても、対象の名詞だけで十分伝わる場合があります。
- finish the report=レポートを仕上げる
- finish the book=本を読み終える/書き終える
- finish dinner=夕食を食べ終える
finish the bookは文脈によって「読み終える」にも「書き終える」にもなり得ます。どの行動か明確にしたいときは、finish reading the bookやfinish writing the bookとdoingを使います。
日本人がfinish to doを作りやすい理由
1.doingもto doも「~すること」と訳せる
日本語訳だけを見ると、どちらを置いても意味が通りそうです。しかし英語では、前の動詞によって続く自然な型が異なります。
2.finishを「次の行動へ移る合図」と捉える
「仕事を終えて帰る」のように次の行動が意識されると、toを置きたくなります。しかしfinishの直後は、次の行動ではなく、終えた対象を置く場所です。
3.目的を表すtoと混同する
I stayed late to finish the report.のtoは、「レポートを終えるために」という目的です。finish to writeという構造ではありません。
to finish doingはなぜ正しい?
I stayed late to finish writing the report.
レポートを書き終えるため、遅くまで残りました。
最初のtoは「何のために遅くまで残ったか」を表します。その後ろに動詞finishがあり、finishの目的語としてwriting the reportが続きます。
- I stayed late:私は遅くまで残った
- to finish…:終えるために
- finish writing…:書く活動を終える
つまり、to → finish → doingは役割の異なる要素が並んでいる正しい形です。
よくある間違いを直してみよう
I finished to eat dinner.
→ I finished eating dinner.She finished to clean the room.
→ She finished cleaning the room.Did you finish to pack?
→ Did you finish packing?Let me finish to explain.
→ Let me finish explaining.
迷ったときの3秒判定
- 「何を終えた?」の答えが物・課題? → finish+名詞
- 「何を終えた?」の答えが行動? → finish+doing
- 「終えるために」と目的を足す? → to finish+名詞/doing
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ:finishはdoingで表した活動を終点まで運ぶ
- finishの後ろに行動を置くならfinish doing
- finish to doは標準的な英語では通常使わない
- doingは始まりから終わりまでを含む活動全体を対象化する
- finish doingは最後まで完了、stop doingは活動の中止
- be done doingは終わった状態に焦点を当てる
- to finish doingのtoは「~を終えるために」という目的
finish doingを使うときは、doingで活動全体を一本のコースにし、finishがその終点まで進む景色を思い浮かべてください。すると、finish the reportとfinish writing the reportが同じ仕組みとしてつながります。
finish・end・completeなどの語彙としての違いは、b-cafe.netの「終了する」は英語で?finish・end・complete・wrap upの違いで解説しています。
不定詞と動名詞の全体的な使い分けは、be:RIZEの不定詞と動名詞の使い分け|to do・doingを取る動詞と意味の違いも参考にしてください。
参考:British Council: Verbs followed by the ‘-ing’ form、Cambridge Dictionary: finish










