
matterは、理科では「物質」、会話では「問題・事柄」、動詞になると「重要である」と訳されます。日本語では別々に見えますが、英語では中身のあるもの→考える対象→無視できない重要なことという流れで捉えられます。
結論からいうと、動詞matterは「そのことに重要性や影響がある」という意味です。単に「大切だ」と評価するだけでなく、その事柄が結果・判断・人の気持ちに関わる景色があります。
Your opinion matters.
あなたの意見は大切です。/あなたの意見には意味があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
matterの主な意味を先に整理
| 品詞・意味 | 中心となる見方 | 例 |
|---|---|---|
| 名詞:物質・中身 | 物を構成する実体 | organic matter |
| 名詞:事柄・問題 | 考えたり扱ったりする対象 | a serious matter |
| 動詞:重要である | 結果や人に影響・重要性がある | It matters. |
学校や辞書では、これらを別々の語義として覚えることがあります。それは間違いではありません。ただ、意味の広がりを知ると、会話でどのmatterなのかを判断しやすくなります。
matterの意味はどう広がった?

matterは、ラテン語で「材料・物質」を表す語に由来します。英語では早い時期から、物理的な材料だけでなく、文章や話の「内容・題材」、さらに人が考えたり処理したりする「事柄・案件」にも使われました。
その事柄が人や状況にとって重要性を持つことから、16世紀には動詞で「重要である・影響がある」という用法が確認されています。
つまり、「物質だから重い。重いから重要」という単純な語呂合わせではありません。歴史的には、中身・内容→扱うべき事柄→重要性のあることという意味の広がりとして見るほうが適切です。
ここでは、学習者が理解しやすいように意味の流れを整理しています。すべての用法を一つの図だけで厳密に説明するものではありません。
名詞matter:物質・材料
Matter can exist as a solid, liquid, or gas.
物質は固体・液体・気体として存在できます。
理科や物理で使うmatterは、空間を占め、物を構成する「物質」です。この意味では通常、数えない名詞として使われます。
- organic matter:有機物
- dark matter:暗黒物質
- waste matter:廃棄物・排出物
このmatterには、物を成り立たせる実体・中身という感覚があります。
名詞matter:事柄・問題
We need to discuss this matter.
この件について話し合う必要があります。
物理的な材料ではなく、会議や思考の「中身」として扱う対象です。日本語では「件」「事柄」「問題」「案件」など、場面に応じて訳し分けます。
It’s a private matter.
それは個人的なことです。
This is a serious matter.
これは重大な問題です。
problemが「解決すべき困難」を強く感じさせるのに対し、matterはまず「考慮・処理・議論の対象となる事柄」を表します。そのため、必ずしも悪い問題とは限りません。
なぜmatterが「重要である」になるの?
What you do matters.
あなたが何をするかは重要です。
ここでは、行動が結果に影響し、無視できない意味を持っています。matterは形容詞importantではなく動詞なので、英語では次のような骨格になります。
主語+matter(s)
- Details matter.:細部は重要です。
- Timing matters.:タイミングが重要です。
- Your feelings matter.:あなたの気持ちは大切です。
主語が三人称単数ならmattersになります。
× Your opinion matter.
○ Your opinion matters.
しゅみすけ(大山俊輔)
What matters?は「何が重要?」
What really matters?
本当に大切なことは何ですか。
このwhatは「何」を尋ねる疑問詞であると同時に、matterの主語です。したがって、一般の疑問文のようにdoを入れません。
○ What matters most?
× What does matter most?(通常の中立的な質問としては不自然)
What matters most is your health.
最も大切なのはあなたの健康です。
What matters is that you tried.
大切なのは、あなたが挑戦したことです。
「何が大切か」を先にひとまとまりで示し、その答えをisの後ろに置く形です。
It doesn’t matter.はなぜ「気にしないで」になる?
It doesn’t matter.
それは重要ではありません。/大丈夫です。/気にしないで。
直訳は「それは重要性を持たない」です。会話では、「結果に影響しない」「問題として扱うほどではない」という判断になり、文脈によって「どちらでもいい」「大丈夫」「気にしないで」と訳されます。
Sorry I’m late.
遅れてごめんなさい。
It doesn’t matter. We haven’t started yet.
大丈夫。まだ始めていません。
ただし、相手が深刻に受け止めていることへ短くIt doesn’t matter.だけ返すと、「そんなことはどうでもいい」と冷たく響く場合があります。安心させるなら、理由を続けると自然です。
- It doesn’t matter. We can try again.
大丈夫。また試せます。 - It doesn’t matter to me.
私は気にしません。/私にはどちらでも構いません。
matter to+人の使い方
You matter to me.
あなたは私にとって大切です。
matter to+人で、「その人にとって重要である・大切な存在である」と表せます。
This project matters a lot to her.
このプロジェクトは彼女にとってとても大切です。
日本語では「彼女はこのプロジェクトを大切にしている」と人を主語にしやすいところですが、英語では「プロジェクトが彼女にとって重要性を持つ」という景色にできます。
matterとimportantの違い
| 表現 | 品詞 | 焦点 |
|---|---|---|
| be important | 形容詞 | 重要という性質・評価 |
| matter | 動詞 | 意味・影響・重要性を持つ |
Sleep is important.
睡眠は重要です。
Sleep matters.
睡眠は大事です。/睡眠は実際に影響します。
二つは多くの場面で近い意味になります。ただしmatterには、「結果を左右するから無視できない」「人にとって意味がある」という響きが出やすくなります。
matterとcountの違い
Every vote matters.
一票一票が重要です。
Every vote counts.
一票一票に価値があります。/一票一票がものをいいます。
どちらも重要性を表せます。matterは重要・影響があることを広く表し、countは結果に数え入れられる、価値として認められる感覚があります。詳しくはcount forの意味とmatterとの違いも参考にしてください。
日本人が間違えやすいポイント
matterを形容詞として使わない
matterは「重要な」という形容詞ではありません。
× This is matter.
○ This matters.
○ This is important.
進行形には通常しない
「重要性がある」という状態を表すmatterは、通常is matteringとはしません。
○ It matters to me.
× It is mattering to me.
What’s the matter?のmatterは「重要」ではない
What’s the matter?は「何が重要なの?」ではなく、「どうしたの?」「何か問題があるの?」です。ここでは名詞matterが「問題・不都合な状態」を表します。
詳しい返事やWhat’s wrong?との違いは、What’s the matter?の意味と使い方で解説しています。
会話で使えるmatterの例文
- Your ideas matter.
あなたの考えは大切です。 - It matters to me.
それは私にとって重要です。 - Does the order matter?
順番は重要ですか。 - It doesn’t matter which one you choose.
どちらを選んでも構いません。 - What matters is how you use it.
大切なのは、それをどう使うかです。
no matterとのつながり
No matter what happens, I’ll support you.
何が起きても、あなたを支えます。
no matterは、直感的には「どの事柄も結果を左右しない」と捉えられます。そこから「〜に関係なく」「何が〜しても」になります。
語順やwhateverとの違いは、no matter+疑問詞の意味と使い方をご覧ください。
まとめ
matterの意味は、次の流れで整理できます。
- 物を構成する中身 → 物質
- 考えたり扱ったりする中身 → 事柄・問題
- 無視できない事柄 → 重要性・影響がある
動詞matterは「重要である」だけでなく、「結果や人に意味・影響を持つ」と考えるのがポイントです。
しゅみすけ(大山俊輔)
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