
not … at all は、「まったく〜ない」「少しも〜ない」と否定を強める表現です。
I’m not tired at all. なら、単に「疲れていません」ではなく、「疲れはゼロと言ってよいくらい、まったく疲れていません」という感覚になります。
一方、会話で Not at all. だけを使うと、「全然」「まったくそんなことはありません」、文脈によっては「どういたしまして」という返答にもなります。この記事では、文の中で否定を強める使い方と、単独の返答を分けて整理します。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
not … at allの意味は「まったく〜ない」
基本の形は次のとおりです。
否定文+at all
- not … at all:まったく〜ない
- don’t … at all:まったく〜しない
- can’t … at all:まったく〜できない
This coffee isn’t bitter at all.
このコーヒーはまったく苦くありません。
I don’t understand this rule at all.
このルールがまったく分かりません。
She can’t swim at all.
彼女はまったく泳げません。
not の直後に at all を置くのではなく、通常は否定したい内容の後ろに置きます。at all は文末に来ることが多い表現です。
at allでなぜ否定が強くなる?
all は「全部」、at all は否定文の中で「少しでも」「どの点においても」という範囲を表します。そこへ not が加わるため、どの部分を取っても当てはまらない=まったく〜ないという意味になります。
He isn’t interested in sports.
彼はスポーツに興味がありません。
He isn’t interested in sports at all.
彼はスポーツにまったく興味がありません。
最初の文は普通の否定です。2つ目は、興味の程度をゼロまで下げるように強調しています。
前置詞 at の基本的な働きから整理したい場合は、be-rize.comのatのコアイメージは「一点」も参考になります。ただし at all は現代英語ではまとまりとして定着しているため、会話では「少しでも・どの点でも」と範囲を広げる表現として覚えるのが実用的です。
not at allの2つの大きな使い方

1.文の中で否定を強める
The movie wasn’t scary at all.
その映画はまったく怖くありませんでした。
We weren’t surprised at all.
私たちは少しも驚きませんでした。
My new job isn’t stressful at all.
私の新しい仕事はまったくストレスがありません。
be動詞、一般動詞、助動詞のどの否定文でも使えます。
2.Not at all.と単独で返答する
Not at all. は、直前の質問・感謝・謝罪などを受ける返答です。何を否定しているかは文脈から分かるため、文の残りが省略されています。
“Are you cold?” “Not at all.”
「寒いですか」「全然寒くありません」
“I hope I didn’t bother you.” “Not at all.”
「ご迷惑でなければよかったのですが」「まったく迷惑ではありませんよ」
“Thank you for your help.” “Not at all.”
「手伝ってくれてありがとうございます」「どういたしまして」
感謝への Not at all. は、「お礼を言うほどのことではありません」という丁寧な返しです。自然な表現ですが、日常会話では You’re welcome.、No problem.、Of course. などもよく使われます。
at allは疑問文でも使える
at all は否定文だけでなく、疑問文で「少しでも」「そもそも」という意味にもなります。
Did you sleep at all last night?
昨夜は少しでも眠れましたか。
Do you know him at all?
彼のことを少しでも知っていますか。
Is this helping at all?
これは少しでも役に立っていますか。
話し手は「ゼロかもしれない」と考えながら、少しでも該当するかを尋ねています。日本語では状況に応じて「少しでも」「いくらか」「そもそも」などと訳します。
at allを置く位置
基本的には文末が最も分かりやすく自然です。
I don’t like crowded places at all.
私は混雑した場所がまったく好きではありません。
目的語や補語がある場合は、それらの後ろに置きます。
- I don’t understand the question at all.
- She isn’t angry at all.
- He can’t cook at all.
I don’t at all understand the question. のように動詞の前へ置く形も、特に改まった文章では見られます。しかし、学習者が自分で使うなら文末に置く形が簡単で自然です。
場面別の自然な例文
日常会話
I’m not hungry at all.
まったくお腹が空いていません。
The test wasn’t difficult at all.
そのテストはまったく難しくありませんでした。
I don’t mind waiting at all.
待つことはまったく気になりません。
仕事
The new system isn’t complicated at all.
新しいシステムはまったく複雑ではありません。
I wasn’t satisfied with the first draft at all.
最初の原稿にはまったく満足していませんでした。
Don’t worry. Your question didn’t interrupt me at all.
心配しないでください。あなたの質問で仕事を邪魔されたとは全然思っていません。
恋愛・人間関係
I’m not mad at you at all.
あなたにはまったく怒っていません。
He doesn’t look like his brother at all.
彼は兄(弟)にまったく似ていません。
It wasn’t awkward at all. We talked for hours.
まったく気まずくありませんでした。私たちは何時間も話しました。
海外旅行
Is the water cold? — Not at all. It’s actually warm.
「水は冷たいですか」「全然。むしろ温かいですよ」
I don’t speak French at all.
私はフランス語をまったく話せません。
The hotel wasn’t far from the station at all.
そのホテルは駅からまったく遠くありませんでした。
not at allとnot reallyの違い
not at all は強い否定、not really はやわらかい否定です。
| 表現 | 感覚 | 例 |
|---|---|---|
| not at all | まったく〜ない・ほぼゼロ | I’m not worried at all. |
| not really | それほど〜ではない・正確には違う | I’m not really worried. |
“Do you like horror movies?” “Not really.”
「ホラー映画は好きですか」「それほどでもありません」
“Were you scared?” “Not at all.”
「怖かったですか」「全然怖くありませんでした」
Not really. は断言を避けるため、好みや意見をやわらかく伝えるのに便利です。Not at all. は否定をはっきり伝えます。
not at allとnot veryの違い
not very は「それほど〜ではない」で、程度が低いだけです。not at all は「まったく〜ない」とゼロに近いことを表します。
The soup isn’t very hot.
そのスープはそれほど熱くありません。
The soup isn’t hot at all.
そのスープはまったく熱くありません。
最初のスープは少し温かい可能性があります。2つ目は、熱いとはまったく言えない状態です。
not allとの違いに注意
not at all と not all は、at が1語あるかどうかで意味が大きく変わります。
| 表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| not at all | まったく〜ない | I don’t agree at all. |
| not all | すべてが〜というわけではない | Not all students agreed. |
I don’t agree at all.
私はまったく賛成しません。
Not all students agreed.
すべての生徒が賛成したわけではありません。
not all は「賛成した人もいるが、全員ではない」という部分否定です。not at all の「ゼロ」とは別物です。
Would you mind …?へのNot at all.
Would you mind opening the window? は直訳すると「窓を開けることを気にしますか」。これに Not at all. と答えると、「まったく気にしません」つまり「いいですよ」という意味になります。
“Would you mind opening the window?” “Not at all.”
「窓を開けていただけますか」「ええ、構いませんよ」
日本語の感覚で依頼に対して Yes. と答えると、「はい、気にします」と解釈される可能性があります。混乱しそうなら、次のように行動を直接伝えると安全です。
- Sure.(もちろんです)
- Of course.(いいですよ)
- No problem.(問題ありません)
よくある間違い
肯定文で「とても」の意味に使う
at all は通常、否定文・疑問文・条件文など、ゼロの可能性を意識する環境で使われます。
× I like this restaurant at all.
「このレストランがとても好き」と言うなら、次のようにします。
○ I really like this restaurant.
私はこのレストランがとても好きです。
not allと混同する
not all は「全部ではない」、not … at all は「まったく〜ない」です。at を落とすと、否定の範囲が変わってしまいます。
Not at all.をいつでも「どういたしまして」と訳す
単独の Not at all. の意味は、直前の言葉で決まります。
- 質問への返答:全然〜ではありません
- 謝罪や心配への返答:まったく問題ありません
- 感謝への返答:どういたしまして
機械的に「どういたしまして」と訳さず、何を否定しているのかを考えましょう。
簡単な英語での言い換え
not … at all がすぐに出ないときは、次の簡単な表現でも伝えられます。
- really not:本当に〜ない
- not even a little:少しも〜ない
- no+名詞:〜がない
- never:決して〜しない
I’m not tired at all.
→ I’m really not tired.
本当に疲れていません。
I don’t understand it at all.
→ I understand none of it.
その内容を何も理解していません。
会話では、短く Not even a little.(少しも)と返すこともできます。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連表現
- not really:それほど〜ではない
- not very:あまり〜ではない
- not in the least:少しも〜ない(やや強調的・文章的)
- by no means:決して〜ではない(改まった表現)
- Not a chance.:絶対に無理・ありえない
Not a chance. は依頼や可能性を強く拒否する表現で、Not at all. の丁寧な安心感とは大きく異なります。相手や場面に合わせて使い分けてください。
まとめ
- not … at all は「まったく〜ない」「少しも〜ない」
- 普通の否定を、程度ゼロまで強める
- at all は文末に置く形が基本
- 疑問文では「少しでも」「そもそも」になる
- Not at all. は文脈により「全然」「問題ありません」「どういたしまして」
- not all は「すべてが〜というわけではない」で別の表現
まずは I’m not tired at all. のように、短い否定文の最後へ at all を加えて使ってみましょう。「ただ否定する」のではなく、「本当に少しも違わない」とはっきり伝えられるようになります。









