
rob A of B は、「AからBを奪う」「AにBを失わせる」という意味です。お金や持ち物を奪う場面だけでなく、sleep(睡眠)、confidence(自信)、freedom(自由)、the chance to …(〜する機会)など、形のないものを失わせる場面でもよく使われます。
この表現を使いこなす鍵は、robは奪われる側のAに焦点を置くと理解することです。日本語の「財布を盗む」につられて目的語を選ぶと、rob と steal を混同しやすいので注意しましょう。
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rob A of Bの意味は「AからBを奪う・AにBを失わせる」
基本の形は次のとおりです。
rob + A(奪われる人・場所)+ of + B(奪われるもの)
- The thief robbed him of his money.
泥棒は彼からお金を奪いました。 - The gang robbed the bank of millions of dollars.
その一味は銀行から数百万ドルを奪いました。 - The loud music robbed me of sleep.
大音量の音楽のせいで私は眠れませんでした。
最初の2文は実際に物やお金を奪う用法です。3文目には泥棒が登場しませんが、「本来得られるはずだった睡眠を奪われた」という感覚があります。
なぜ「rob A of B」の語順になるの?
rob は、まず「被害に遭った人・狙われた場所」を目的語に取る動詞です。そのため、rob him なら「彼を襲って奪う」、rob a bank なら「銀行を襲って奪う」という骨組みになります。
そのあとに of B を続けると、「AのところからBが離れてなくなった」という内容を加えられます。直訳の語順にこだわるより、A=被害を受ける側、B=そこから失われるものと役割で覚えるのが実用的です。

しゅみすけ(大山俊輔)
物だけでなく、睡眠・自信・機会も「奪う」
rob A of B は、目に見える物よりも、むしろ抽象的なものを奪う表現で印象的に使われることがあります。単に「なくなった」と述べるより、不本意に、あるいは不当に失わされたという感情が出やすい表現です。
睡眠を奪う
The construction noise robbed us of a good night’s sleep.
工事の騒音のせいで、私たちはぐっすり眠れませんでした。
騒音が実際に睡眠を盗んだわけではありません。「眠れるはずだったのに、その機会を奪われた」と捉えています。
自信を失わせる
One bad presentation shouldn’t rob you of your confidence.
一度プレゼンに失敗したからといって、自信を失う必要はありません。
rob you of your confidence は、何かがあなたから自信を奪うイメージです。仕事や人間関係について励ます場面でも使えます。
機会を奪う
The injury robbed her of the chance to compete in the final.
そのけがのせいで、彼女は決勝に出場する機会を失いました。
この場合も、けがが意図的に何かを盗んだわけではありません。本人が得るはずだった大切な機会を失わせたことを、強く印象づけています。
自由や大切な時間を奪う
- No job should rob you of all your free time.
どんな仕事でも、自由時間をすべて奪うようであってはいけません。 - The strict rule robbed the children of their freedom.
その厳しい規則は、子どもたちから自由を奪いました。 - Don’t let fear rob you of new experiences.
恐怖心のせいで新しい経験を逃さないでください。
robとstealの違い:人・場所か、物か
rob と steal はどちらも「盗む」と訳せますが、英語では目的語の選び方が違います。
- rob + 人・場所:被害を受ける人や襲われる場所に焦点
They robbed a tourist.(彼らは旅行者を襲って金品を奪った) - steal + 物:盗まれる物に焦点
They stole the tourist’s bag.(彼らは旅行者のバッグを盗んだ) - rob A of B:被害者Aと奪われた物Bの両方を示す
They robbed the tourist of his bag.(彼らは旅行者からバッグを奪った)
したがって、普通は × rob money や × steal a bank とは言いません。「お金を盗む」なら steal money、「銀行を襲って盗む」なら rob a bank です。
deprive A of Bとの違い
deprive A of B も「AからBを奪う」という意味ですが、rob A of B より硬く、制度・環境・状態によって必要なものを与えない場合にも広く使えます。
- The new policy deprived many families of financial support.
新しい方針によって、多くの家庭が経済的支援を受けられなくなりました。 - The scandal robbed him of his reputation.
その不祥事は彼の評判を奪いました。
deprive は客観的・説明的になりやすく、rob は「大切なものを無理に奪われた」という鮮明で感情的な響きを出しやすい、と考えるとよいでしょう。
受け身の「be robbed of B」もよく使う
被害を受けた側を主語にしたいときは、A be robbed of B の受け身にできます。
- He was robbed of his life savings.
彼は一生かけて貯めたお金を奪われました。 - We were robbed of a peaceful weekend by the endless phone calls.
鳴りやまない電話のせいで、私たちは穏やかな週末を台なしにされました。
日常の犯罪については、奪われた物を中心に My phone was stolen.(スマホを盗まれた)と言うほうが簡単で自然なこともあります。何を強調したいかで選びましょう。
日本人が間違えやすいポイント
1. robの直後に物を置かない
× Someone robbed my wallet.
○ Someone stole my wallet.
○ Someone robbed me of my wallet.
rob my wallet では「財布が被害者」のような構造になってしまいます。財布そのものを目的語にするなら steal を使います。
2. 「rob B from A」にしない
× They robbed money from him.
○ They stole money from him.
○ They robbed him of his money.
steal B from A と rob A of B は、AとBの並びが逆です。セットで比べて覚えましょう。
3. 過去形はrobbed
rob の過去形・過去分詞は、bを重ねて robbed です。発音は「ロブド」に近く、語尾は /d/ の音になります。
難しければ中学英語でこう言い換えよう
rob A of B がすぐに出なくても、具体的な意味に合わせて簡単に言い換えられます。
- Someone stole my wallet.
誰かが私の財布を盗みました。 - The noise kept me awake.
騒音のせいで眠れませんでした。 - The injury made her miss the competition.
けがのせいで彼女は大会に出られませんでした。 - I lost my confidence because of that mistake.
その失敗のせいで自信をなくしました。
「奪う」を一語で再現しようとせず、実際に何が起きたかを説明すれば十分伝わります。
関連表現
- steal B from A:AからBを盗む(物Bに焦点)
- deprive A of B:AからBを奪う、AにBを与えない(やや硬い)
- take B away from A:AからBを取り上げる・遠ざける
- keep A from doing:Aが〜するのを妨げる
英熟語を「完成した形」として整理したい方は、英熟語・イディオム・定型表現の総合ガイドもあわせてご覧ください。
まとめ
rob A of B は「AからBを奪う」「AにBを失わせる」という表現です。Aには被害を受ける人・場所、Bには奪われる物や睡眠・自信・自由・機会などが入ります。
rob は人や場所、steal は物に焦点を置くのが基本です。まずは rob a person/place と steal a thing の対比を押さえ、必要なときに of B を加えると迷いにくくなります。








