
句動詞と英熟語の違いを簡単に言うと、句動詞は「動詞+副詞・前置詞」を中心に作られる表現、英熟語は複数の単語がまとまって一つの意味を表す表現全般です。
つまり、句動詞は英熟語の一種として扱われることが多いものの、両者はまったく同じ言葉ではありません。
たとえば、give up(諦める)やlook after(世話をする)は句動詞であり、広い意味では英熟語でもあります。一方、by the way(ところで)のように動詞を含まない英熟語は、句動詞ではありません。
しゅみすけ(大山俊輔)
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句動詞と英熟語の違いを比較
| 項目 | 句動詞 | 英熟語 |
|---|---|---|
| 基本的な意味 | 動詞に副詞・前置詞などが加わり、まとまった意味を表す表現 | 複数の単語が結びつき、一まとまりの意味を表す表現全般 |
| 代表的な形 | 動詞+副詞/動詞+前置詞/動詞+副詞+前置詞 | 動詞を含むもの、前置詞句、慣用表現などさまざま |
| 例 | get up、look after、put up with | by the way、in fact、as soon as |
| 関係 | 英熟語の一種として扱われることが多い | 句動詞を含む、より広い呼び方 |

句動詞とは?
句動詞(phrasal verb)は、基本的には動詞と副詞・前置詞などが組み合わさり、一つの動詞のように働く表現です。
- get up:起きる
- turn down:断る/音量などを下げる
- look after:世話をする
- put up with:我慢する
動詞だけの意味から推測しやすいものもあれば、組み合わせによって新しい意味になるものもあります。
たとえば、giveは「与える」、upは「上へ・すっかり」といった感覚を持ちます。しかし、give upになると「続けていたものを手放す」ことから「諦める」という意味になります。
句動詞には主に3つの形がある
- 動詞+副詞:wake up、sit down、give up
- 動詞+前置詞:look at、deal with、rely on
- 動詞+副詞+前置詞:put up with、look forward to、get away with
文法書や辞書によっては、動詞+前置詞を「前置詞動詞」として句動詞から分ける場合もあります。ただし、英語学習ではこれらを広く句動詞としてまとめて扱うことも一般的です。
英熟語とは?
「英熟語」は、日本の英語教育で広く使われる学習上の呼び方です。複数の語が結びつき、まとまった意味や働きを持つ表現を幅広く含みます。
- give up:諦める
- be interested in:~に興味がある
- by the way:ところで
- as soon as:~するとすぐに
- in front of:~の前に
このように、英熟語には句動詞だけでなく、前置詞句、接続表現、形容詞を使った定型表現なども含まれます。
句動詞は英熟語の一種なの?
日本の英語学習という文脈では、「句動詞は英熟語の一種」と考えてほぼ問題ありません。
関係を図式化すると、次のようになります。
英熟語・定型表現という大きなまとまり
└ 句動詞
└ イディオム
└ 前置詞を使った定型表現
└ 接続表現
└ コロケーションなど
ただし、「英熟語」は厳密な言語学用語として境界が統一されているわけではありません。教材によって、熟語・イディオム・句動詞をほぼ同じ意味で使っている場合もあります。
句動詞とイディオムの違い
句動詞とイディオムも重なることがありますが、注目している点が違います。
- 句動詞:動詞+副詞・前置詞という構造に注目した呼び方
- イディオム:単語を一つずつ訳しても全体の意味を推測しにくい慣用性に注目した呼び方
sit downは「座る」という意味を比較的推測しやすい句動詞です。一方、spill the beans(秘密を漏らす)は慣用的な意味を持つイディオムですが、通常は句動詞とは呼びません。
give upのように、句動詞であると同時に慣用性が高く、イディオム的でもある表現もあります。
句動詞と動詞句の違い
「句動詞」と「動詞句」は名前が似ていますが、同じものではありません。
- 句動詞:give upのような特定の語の組み合わせ
- 動詞句:文法上、動詞を中心に形成されるまとまり
たとえば、次の文を見てみましょう。
She has given up smoking.
彼女は喫煙をやめました。
この文では、give upが句動詞です。一方、文法上どこまでを動詞句と分析するかは理論によって異なりますが、has given up、あるいは目的語まで含めたまとまりを動詞句として説明する場合があります。
つまり、句動詞は語彙の組み合わせ、動詞句は文の構造を見るための用語です。
句動詞とコロケーションの違い
コロケーションとは、ネイティブが自然によく使う単語同士の組み合わせです。
- make a decision:決断する
- heavy rain:大雨
- strong coffee:濃いコーヒー
make a decisionは自然なコロケーションですが、make+副詞・前置詞の形ではないため句動詞ではありません。
句動詞にも語の結びつきという側面があるため、広い意味ではコロケーションとして扱えるものがあります。ただし、学習上は「動詞+パーティクルなら句動詞」「自然な語の組み合わせ全般ならコロケーション」と考えると分かりやすいでしょう。
分類に迷ったときの見分け方
- 中心に動詞があるか
- 動詞の後ろに副詞・前置詞が続いているか
- 組み合わせ全体で一つの動作・状態を表しているか
この3点を満たすなら、句動詞である可能性が高いと考えられます。
| 表現 | 句動詞? | 理由 |
|---|---|---|
| get up | はい | 動詞+副詞で「起きる」を表す |
| look after | はい | 動詞+前置詞で「世話をする」を表す |
| put up with | はい | 動詞+副詞+前置詞で「我慢する」を表す |
| by the way | いいえ | 動詞を含まない定型表現 |
| heavy rain | いいえ | 形容詞+名詞のコロケーション |
| spill the beans | 通常はいいえ | 動詞を含むイディオムだが、動詞+パーティクルではない |
しゅみすけ(大山俊輔)
句動詞を忘れたときは簡単な英語で言い換えよう
句動詞がすぐに出てこなくても、意味を直接説明すれば会話は続けられます。
| 句動詞 | 簡単な言い換え |
|---|---|
| give up | stop trying(挑戦するのをやめる) |
| look after | take care of(世話をする) |
| put off | do it later(あとでする) |
| find out | learn the answer(答えを知る) |
| run out of | have no more(もう残っていない) |
「正しい句動詞を思い出さなければ話せない」と考える必要はありません。知っている基本語で伝えながら、少しずつ自然な句動詞を増やしていきましょう。
まとめ:句動詞は英熟語より範囲が狭い
- 句動詞は、動詞+副詞・前置詞を中心に作られる表現
- 英熟語は、複数の語でまとまった意味を表す表現全般
- 句動詞は英熟語の一種として扱われることが多い
- イディオムは慣用的な意味、動詞句は文法構造、コロケーションは自然な語の組み合わせに注目した用語
- 実際の英会話では、分類より意味・語順・使い方を身につけることが大切
句動詞を一つずつ詳しく学びたい方は、英熟語・定型表現の総合ページもあわせてご覧ください。今後、基本動詞別・パーティクル別・場面別に句動詞を探せるページも整備していきます。









