
「悲憤(ひふん)する」は英語で、代表的には be filled with grief and anger、feel sorrow and indignation、be heartbroken and outraged と表せます。
「悲憤する」は、単に悲しむことでも、単に怒ることでもありません。悲しい出来事や不正を目の前にして、深い悲しみと強い憤りを同時に感じることです。そのため、英語でも無理に一語へ置き換えず、grief / sorrow と anger / indignation / outrage を組み合わせるのが自然です。
会話なら I was both sad and angry. と基本語で言うだけでも、悲憤の中心は十分伝えられます。
Contents
「悲憤する」の主な英語表現
| 英語 | 中心的な意味 | 使う場面 | 代表例文 |
|---|---|---|---|
| be filled with grief and anger | 悲しみと怒りで胸がいっぱいになる | 喪失、不正、深刻な出来事 | She was filled with grief and anger. |
| feel sorrow and indignation | 悲しみと義憤を感じる | 文章、声明、社会問題 | Many people felt sorrow and indignation. |
| be heartbroken and outraged | 胸を痛め、同時に激怒する | 会話、SNS、強い反応 | I was heartbroken and outraged by the news. |
| grieve and rage over | 〜を深く悲しみ、怒る | 文学的・強い感情表現 | They grieved and raged over the injustice. |
一番自然な表現は?
日常会話では、I was both sad and angry. や I felt sad and angry at the same time. が最も自然で分かりやすい表現です。
深刻な出来事を受けて「胸が張り裂けるほど悲しく、同時に許せない」と伝えるなら、I was heartbroken and outraged. が合います。
文章や公式な発言では、feel sorrow and indignation が使いやすいでしょう。indignation は、不正・不当な扱い・道徳的に間違ったことへの怒りを表します。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語と英語の意味のズレ
日本語の「悲憤」は、悲しみと憤りが一つにまとまった熟語です。しかし、英語では感情の二要素を並べて説明するのが一般的です。
- 喪失や被害への深い悲しみ:grief / sorrow / heartbreak
- 不正や理不尽さへの怒り:anger / indignation / outrage
anger は広い意味の「怒り」です。indignation は「それは正しくない」という道徳的な憤り、outrage は衝撃を伴う非常に強い怒りを表します。
つまり、何に悲しみ、何を不当だと感じたのかによって、組み合わせる語が変わります。
各表現の使い方と語順
be filled with+感情
be filled with は「〜で満たされている」です。主語に人を置き、その人の心を占める感情を with の後ろに並べます。
- He was filled with grief and anger.(彼は悲しみと怒りで胸がいっぱいだった)
- We were filled with sorrow and frustration.(私たちは悲しみと悔しさでいっぱいだった)
feel+感情
feel の後ろには感情を表す名詞や形容詞を置けます。
- I felt sorrow and indignation.(私は悲しみと憤りを感じた)
- I felt both sad and angry.(私は悲しく、同時に腹が立った)
both A and B を使うと、「AとBの両方」を明確に示せます。
be heartbroken/outraged by+原因
heartbroken と outraged は、人が感じている状態を表す形容詞です。原因は by の後ろに置きます。
- She was heartbroken by the loss.(彼女はその喪失に深く心を痛めた)
- They were outraged by the unfair decision.(彼らは不当な決定に激怒した)
- We were heartbroken and outraged by what happened.(私たちは起きたことに悲しみ、激しく憤った)
over/at/byの使い分け
- grieve over+出来事・喪失:〜を深く悲しむ
- be angry at+行為・状況:〜に腹を立てる
- be outraged by+原因:〜に激怒する
場面別の例文
独り言
This is so sad and so unfair.
これはとても悲しく、あまりにも不公平だ。
How could this happen?
どうしてこんなことが起きたのだろう。
英語日記
I felt both sad and angry when I read the report.
その報告を読んだとき、悲しみと怒りの両方を感じた。
I was heartbroken by what happened and angry that no one took responsibility.
起きたことに胸を痛め、誰も責任を取らないことに腹が立った。
日常会話
I’m not just sad. I’m angry too.
悲しいだけではない。怒ってもいる。
The news left me heartbroken and outraged.
その知らせに胸を痛め、激しい怒りを感じた。
仕事・公式な場面
We feel deep sorrow and indignation over this incident.
私たちはこの事件に深い悲しみと憤りを感じています。
The community was filled with grief and anger after the tragedy.
その悲劇の後、地域は悲しみと怒りに包まれた。

悲憤・憤慨・慨嘆・慟哭の違い
「悲憤する」は、悲しみと怒りが同時にあります。「憤慨する」は理不尽さや不正への怒りが中心です。英語では be outraged や be indignant が代表的です。詳しくは「憤慨する」の英語表現で整理しています。
「慨嘆する」は、社会や状況を嘆かわしく思うことが中心で、必ずしも強い怒りは含みません。「慨嘆する」の英語表現では lament / deplore との違いを解説しています。
「慟哭する」は、深い悲しみから声を上げて激しく泣く動作です。泣き方の違いは「慟哭する」の英語表現を参考にしてください。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
indignation や outraged が出てこなくても、「何が起きたのか」「悲しかった」「許せないと思った」に分ければ伝えられます。
- I was very sad and angry.
私はとても悲しく、腹が立ちました。 - What happened was terrible.
起きたことはひどいものでした。 - It made me sad. It also made me angry.
それで悲しくなりました。同時に腹も立ちました。 - This was not fair.
これは公平ではありませんでした。 - People were hurt, and no one helped them.
人々が傷ついたのに、誰も助けませんでした。
出来事→悲しみ→怒りの理由の順に短い文で話せば、「悲憤する」という感情を基本語だけで具体的に伝えられます。
しゅみすけ(大山俊輔)
よくある間違い
× I was grief and anger.
grief と anger は名詞なので、I was filled with grief and anger. または I felt grief and anger. とします。
× I felt sadly and angrily.
feel の後ろに状態を置くなら、副詞ではなく形容詞の I felt sad and angry. が自然です。
× indignationを単なる機嫌の悪さに使う
indignation は、不正や不当さへの憤りです。電車が少し遅れた程度の不満なら annoyed や frustrated のほうが自然です。
悲しみを言わずoutragedだけにする
outraged だけでは強い怒りが中心になります。「悲憤」の両面を出すには heartbroken and outraged のように悲しみも明示します。
FAQ
「悲憤慷慨する」は英語で?
文脈によりますが、speak with grief and indignation や express sorrow and righteous anger と説明できます。感情だけでなく、それを強い言葉で表す点まで伝えます。
「悲しみと怒りでいっぱいだった」は英語で?
I was filled with sadness and anger. が分かりやすい表現です。より深い悲しみなら grief を使います。
righteous angerは使えますか?
はい。「正義感に基づく怒り」「道徳的に正当だと感じる怒り」です。ただし、自分の怒りを righteous と呼ぶと強く響くため、場面を選びます。
griefとsorrowの違いは?
grief は死や重大な喪失に伴う深い悲しみでよく使われます。sorrow は広く、深い悲しみや残念な気持ちを表せる、やや文章的な語です。
会話で一番簡単な言い方は?
I was both sad and angry. です。理由を続けるなら I was sad about what happened and angry that it was allowed to happen. のように言えます。
まとめ
「悲憤する」は、悲しみと怒りの両方を英語にするのがポイントです。
- 悲しみと怒りで満たされる:be filled with grief and anger
- 悲しみと義憤を感じる:feel sorrow and indignation
- 胸を痛め、激しく憤る:be heartbroken and outraged
- 基本語で簡単に言う:be both sad and angry
難しい語が出なければ、It made me sad. It also made me angry. のように二文へ分ければ、悲憤の意味を自然に伝えられます。








