
「慟哭(どうこく)する」は英語で、代表的には wail、sob uncontrollably、cry bitterly、break down in tears と表せます。
声を上げて激しく泣くなら wail、しゃくり上げながら泣き止めないなら sob uncontrollably、深い悲しみから激しく泣くことを文章的に表すなら cry bitterly が合います。知らせを聞いた瞬間などに感情が崩れて泣き出すなら break down in tears が自然です。
日本語の「慟哭する」には、ただ涙を流すだけでなく、抑えきれない深い悲しみが声や全身に表れるという強さがあります。英語では「声を上げたのか」「すすり泣いたのか」「その場で泣き崩れたのか」に分けて表現します。
Contents
「慟哭する」の主な英語表現
| 英語 | 中心的な意味 | 使う場面 | 代表例文 |
|---|---|---|---|
| wail | 大きな声を上げて泣く | 強い悲嘆、物語、報道 | She wailed in grief. |
| sob uncontrollably | 泣き止めず、激しくすすり泣く | 会話、具体的な描写 | He began sobbing uncontrollably. |
| cry bitterly | 深い悲しみから激しく泣く | 文章、物語的な描写 | She cried bitterly over the loss. |
| break down in tears | 感情が崩れて泣き出す | 知らせ、会見、突然の反応 | He broke down in tears at the news. |
一番自然な表現は?
日常会話で「泣き止めないほど激しく泣いた」と伝えるなら、sob uncontrollably が具体的で分かりやすい表現です。
wail は泣き声の大きさが中心です。悲しみだけでなく、痛みや恐怖で声を上げる場合にも使われます。そのため、日本語の「慟哭」に近づけるには wail in grief や wail with grief のように、悲嘆を添えると明確です。
break down in tears は、泣き方そのものより「感情を保てなくなり、泣き出した」という変化を表します。会見、葬儀、つらい知らせを聞いた場面などで自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語と英語の意味のズレ
日本語の「慟哭」は、深い悲しみに耐えられず激しく泣くことを表す、強く文章的な言葉です。英語の cry は広い意味の「泣く」で、静かに涙を流す場合にも使えるため、cry だけでは慟哭の強さが十分に出ないことがあります。
- 涙を流す・泣く全般:cry
- 声を詰まらせ、しゃくり上げて泣く:sob
- 大声や長く引く声を上げて泣く:wail
- 感情を抑えられず泣き出す:break down in tears
また、wail は必ずしも涙を強調する語ではありません。「泣き叫ぶ」「嘆きの声を上げる」という音の印象が強い点も、日本語とのズレです。
各表現の使い方と語順
wail+in/with/over
wail は自動詞として単独でも使えます。悲しみの状態なら in grief、感情を原因として示すなら with grief、嘆く対象なら over+名詞 を続けられます。
- She wailed in grief.(彼女は悲しみに暮れて慟哭した)
- They wailed with sorrow.(彼らは悲しみで声を上げて泣いた)
- He wailed over the loss of his home.(彼は家を失ったことを嘆き、泣き叫んだ)
wail that節 では、泣くような声で不満や悲しみを口にする意味にもなります。
sob+副詞/sob into+物
sob は「すすり泣く」という自動詞です。強さは副詞で補えます。
- She sobbed uncontrollably.(彼女は抑えきれず激しくすすり泣いた)
- He sobbed quietly.(彼は静かにすすり泣いた)
- She sobbed into her hands.(彼女は両手に顔をうずめて泣いた)
会話では start sobbing、couldn’t stop sobbing も自然です。
cry bitterly+over/for
bitterly は、ここでは「深い悲しみを込めて」という意味です。
- She cried bitterly over what had happened.(彼女は起きたことを思って激しく泣いた)
- The child cried bitterly for his mother.(その子は母親を求めて激しく泣いた)
日常会話ではやや文章的なので、cry very hard と基本語で言うこともできます。
break down in tears
語順は 人+break down in tears です。現在形では breaks、過去形は broke、過去分詞は broken になります。
- She broke down in tears after the call.(彼女は電話の後、泣き崩れた)
- He nearly broke down in tears.(彼は泣き崩れそうになった)
場面別の例文
独り言
I can’t stop crying.
涙が止まらない。
This hurts too much.
これはつらすぎる。
英語日記
I broke down in tears when I heard the news.
その知らせを聞いたとき、私は泣き崩れた。
I sobbed for a long time and couldn’t calm down.
長い間すすり泣き、落ち着くことができなかった。
日常会話
She was sobbing uncontrollably.
彼女は泣き止めないほど激しくすすり泣いていた。
He just sat there and cried his heart out.
彼はただそこに座り、思い切り泣いていた。
ニュース・物語の描写
The family wailed in grief after hearing the news.
家族は知らせを聞き、悲しみのあまり声を上げて泣いた。
She fell to her knees and cried bitterly.
彼女は膝から崩れ落ち、激しく泣いた。

cry・sob・wail・break downの違い
cry は最も広い「泣く」です。涙の量や声の大きさは決まりません。sob は息を詰まらせ、しゃくり上げる泣き方です。wail は長く大きな声を上げることが中心です。
break down は、機械が故障する意味から、人が精神的に持ちこたえられなくなる意味へ広がった句動詞です。詳しくはbreak downの意味と使い方で確認できます。
死や重大な喪失を「悼む」こと自体は、泣く動作ではなく mourn や grieve が中心です。違いは「哀悼する」の英語表現も参考にしてください。
社会や時代のあり方を深く嘆く場合は、泣くことを表す wail より lament が合います。こちらは「慨嘆する」の英語表現で整理しています。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
wail や sob uncontrollably が出てこなくても、「とても激しく泣いた」「止められなかった」「大きな声が出た」と基本語に分ければ伝わります。
- She cried very hard.
彼女はとても激しく泣きました。 - She could not stop crying.
彼女は泣くのを止められませんでした。 - He cried for a long time.
彼は長い間泣きました。 - She cried out loud because she was very sad.
彼女はとても悲しくて、大きな声を上げて泣きました。 - The news was too much for him. He started crying.
その知らせは彼にはつらすぎました。彼は泣き出しました。
「慟哭」という難しい日本語を一度に訳す必要はありません。何が起きた→とても悲しかった→激しく泣いたの順に、短い文で言い切れば十分です。
しゅみすけ(大山俊輔)
よくある間違い
× cry loudlyだけで必ず慟哭になる
cry loudly は単に「大きな声で泣く」です。深い悲嘆を明確にするなら wail in grief や、原因を説明する文を加えます。
× sob tears
sob は通常、自動詞として She sobbed. と使います。「涙を流す」は shed tears ですが、sob tears とは言いません。
× broke down tears
正しくは前置詞 in を入れた broke down in tears です。
wailをどんな「嘆く」にも使う
wail は声を上げる印象があります。社会状況を文章で嘆くなら lament、好ましくない行為を強く遺憾に思うなら deplore が合います。
FAQ
「声を上げて慟哭する」は英語で?
wail in grief や cry out in grief と言えます。実際の泣き声の大きさを強調するなら wail が適しています。
「その場に泣き崩れる」は英語で?
break down in tears が自然です。身体的に膝から崩れたことまで表すなら fall to one’s knees and cry と具体的に描写できます。
号泣するとの違いは?
どちらも激しく泣く意味ですが、「慟哭する」は深い悲嘆や喪失のために泣くという文章的な響きが強い言葉です。英語では泣き方に注目して wail や sob uncontrollably を選びます。
cry one’s eyes outは使えますか?
はい。「目がなくなるほど」という比喩で「大泣きする」を表す口語です。She cried her eyes out. のように、所有格を主語に合わせます。
wailは赤ちゃんにも使いますか?
使います。赤ちゃんが大声で長く泣く場合にも The baby was wailing. と言えます。そのため、悲嘆による慟哭なら in grief などで理由を補うと明確です。
まとめ
「慟哭する」は、泣き方と場面によって英語が変わります。
- 大きな声を上げて激しく泣く:wail
- 泣き止めず、しゃくり上げる:sob uncontrollably
- 深い悲しみから激しく泣く:cry bitterly
- 感情が崩れて泣き出す:break down in tears
難しい表現が出なければ、She was very sad. She could not stop crying. のように、感情と行動を基本語で分けて伝えましょう。








