「多能工化する」は英語で?cross-train・multi-skilled・learn multiple rolesの違いと簡単な言い換え

「多能工化する」は英語で?複数の業務を学び役割を交代する社員のイラスト

「社員を多能工化する」は英語で、最も実務的なのが cross-train employees です。社員に本来の担当とは異なる仕事も教え、複数の役割を担当できるようにすることを表します。

「多能工を育成する」なら develop multi-skilled workers、社員側から「複数の役割を覚える」と言うなら learn multiple roles が自然です。日本語の「多能工化する」に完全に対応する動詞一語を探すより、誰が何を学ぶのかを英語にしましょう。

しゅみすけ(大山俊輔)

多能工化は「一人に仕事を押しつける」ことではありません。複数の仕事ができるよう、計画的に教えることなので、cross-trainが中心になります。

「多能工化する」の主な英語表現

英語 中心的な意味 使う場面 代表例文
cross-train employees 社員に別の業務も教える 人材育成・現場運営 We cross-trained our employees.
develop multi-skilled workers 複数技能を持つ人材を育てる 製造・物流・人事計画 We are developing multi-skilled workers.
train employees to handle multiple roles 複数の役割を担当できるよう訓練する 意味を明確に説明するとき We train employees to handle multiple roles.
learn multiple roles 複数の役割を覚える 社員本人の経験を説明 Everyone learns multiple roles.

一番自然な表現は?

会社や上司が社員を多能工化するなら、cross-train employees が最も自然です。

We cross-train employees so they can support different teams when needed.
必要なときに別のチームも支援できるよう、社員を多能工化しています。

工場などで「多能工を育成する」という人材戦略を述べるなら、develop multi-skilled workers が合います。会話で難しい表現を避けるなら、teach everyone more than one job(全員に二つ以上の仕事を教える)でも十分です。

日本語の「多能工化する」と英語の意味のズレ

日本語では、教育する行為、複数技能を持つ人材の育成、柔軟な配置ができる組織づくりまで、まとめて「多能工化」と呼ぶことがあります。

英語では、どこに焦点を置くかで表現を分けます。

  • 別の担当業務も教える:cross-train employees
  • 多技能人材を育成する:develop multi-skilled workers
  • 複数の役割を担当できるようにする:train people to handle multiple roles
  • 職場内で担当を順番に経験させる:use job rotation

cross-train は、多能工化に向けた教育行為そのものを表します。一方、multi-skilled は教育後の人材の状態を説明する形容詞です。

各表現の使い方と語順

cross-train + 人

cross-train は他動詞として使い、後ろに教育する人を置きます。

  • We cross-trained all team members.(チーム全員を多能工化しました)
  • The company is cross-training staff in customer service and inventory control.(会社は接客と在庫管理の両方についてスタッフを訓練しています)

cross-train A in B で「AにBの業務も教える」と表せます。

develop + multi-skilled workers

develop はここでは「人材を育成する」です。multi-skilled は名詞の前に置きます。

  • We need to develop more multi-skilled workers.(より多くの多能工を育成する必要があります)
  • The program helps develop a multi-skilled workforce.(その制度は多技能型の人材集団を育てるのに役立ちます)

train + 人 + to不定詞

train + 人 + to + 動詞 で「人が〜できるよう訓練する」です。

  • We trained operators to handle three different machines.(作業員が3種類の機械を扱えるよう訓練しました)
  • Staff are trained to work in multiple departments.(スタッフは複数部署で働けるよう訓練されています)

learn + 複数の仕事・役割

社員本人を主語にするなら、基本動詞の learn が使えます。

  • Each employee learns at least two roles.(各社員が少なくとも二つの役割を覚えます)
  • I learned how to handle both sales and customer support.(営業と顧客対応の両方を担当する方法を学びました)

場面別に使える例文

独り言

I should learn one more role so I can help the team.
チームを助けられるよう、もう一つ役割を覚えたほうがよさそう。

英語日記

I started training in inventory control today. Soon, I’ll be able to handle two roles.
今日は在庫管理の研修を始めた。もうすぐ二つの役割を担当できるようになる。

日常会話

Everyone here knows how to do at least two jobs.
ここの全員が少なくとも二つの仕事をできます。

仕事

We are cross-training employees to make shift scheduling more flexible.
シフト編成をより柔軟にするため、社員の多能工化を進めています。

Our goal is to develop a multi-skilled workforce that can respond to changes in demand.
需要の変化に対応できる多技能型の人材を育てることが目標です。

cross-train employees、develop multi-skilled workers、learn multiple rolesの違い

cross-train・upskill・job rotationの違い

cross-train は、現在の担当とは別の仕事もできるように教えることです。upskill は、現在の仕事に必要な技能を高めることが中心で、必ずしも担当範囲は増えません。

job rotation は、一定期間ごとに担当や部署を替える人事制度です。多能工化の手段にはなりますが、配置転換すること自体を表す言葉です。

  • 複数の仕事を教える:cross-train
  • 現在の技能を高める:upskill
  • 担当を順番に替える:use job rotation

「分業化する」と「多能工化する」の違い

「分業化する」は仕事を専門的な役割や工程に分けることです。「多能工化する」は、一人が複数の役割や工程を担当できるようにすることです。

  • 各自が一つの専門工程を担当する:divide the work into specialized roles
  • 各自が複数の工程を担当できるようにする:cross-train employees

両者は必ずしも完全な反対ではありません。専門担当を維持しながら、欠員時に別工程を支援できるよう多能工化する組織もあります。

専門ごとに仕事を分ける表現は、「分業化する」は英語で?division of labor・specialize・split into rolesの違いで詳しく解説しています。

この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】

cross-trainmulti-skilled が出てこなくても、「全員が複数の仕事を学ぶ」と基本語で説明できます。

  • We teach everyone more than one job.
    全員に二つ以上の仕事を教えます。
  • Everyone can do two or three different tasks.
    全員が二つか三つの異なる作業をできます。
  • I usually work in sales, but I can also help at reception.
    普段は営業ですが、受付も手伝えます。
  • If one person is away, another person can do the work.
    一人が休んでも、別の人がその仕事をできます。
  • We learn each other’s jobs.
    私たちはお互いの仕事を学びます。

しゅみすけ(大山俊輔)

多能工化という単語を訳せなくても、「私は営業も受付もできる」と、できる仕事を並べれば中身はきちんと伝わります。

よくある間違い

× make employees multi-skill

multi-skill をこの形で人の状態として使うのは不自然です。make employees multi-skilled または、より自然に cross-train employees とします。

× cross-train to employees

cross-train は他動詞なので、to を入れずに cross-train employees とします。

multi-taskingと同じだと思う

multitasking は複数の作業を同時または短時間に切り替えながら行うことです。複数の職務技能を身につける多能工化とは異なります。

upskillだけで多能工化を表す

upskill は技能向上全般を指します。担当できる仕事を増やす点まで伝えるなら、cross-traintrain people to handle multiple roles が明確です。

「多能工化する」のFAQ

Q1. 「社員の多能工化を進める」は英語で?

promote cross-training among employeesexpand our cross-training program と表せます。

Q2. 「多能工」は英語で?

a multi-skilled worker が基本です。職場全体なら a multi-skilled workforce と言えます。

Q3. 「多能工化研修」は英語で?

cross-training program または multi-skilling program と表せます。一般には前者が分かりやすい表現です。

Q4. 「複数の工程を担当できる」は英語で?

be able to handle multiple stages of the process と言えます。製造なら operate multiple machines も使えます。

Q5. polyvalent workerは使える?

polyvalent は一部の地域・業界では使われますが、一般的なビジネス英語では multi-skilled worker のほうが伝わりやすい表現です。

まとめ

「多能工化する」は、教育する側と学ぶ側のどちらを主語にするかで英語が変わります。

  • 社員に別の業務も教える:cross-train employees
  • 多能工を育成する:develop multi-skilled workers
  • 複数の役割を担当できるよう訓練する:train employees to handle multiple roles
  • 本人が複数の役割を覚える:learn multiple roles

難しい表現が出てこないときは、We teach everyone more than one job.I can do both sales and reception. のように、誰がどの仕事をできるのかを基本語で伝えれば大丈夫です。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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