
chickenには「鶏」と「鶏肉」の両方の意味があります。では、a chickenやtwo chickensと言えるのに、料理ではsome chickenになるのはなぜでしょうか。
結論はシンプルです。生きた鶏を一羽の個体として見るとchickenは可算名詞、食材になった鶏肉を量として見ると不可算名詞になります。同じものでも、英語が「一羽の動物」として輪郭を見せるか、「切り分けられる食材」として中身を見るかで文法が変わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
chickenは可算名詞?不可算名詞?
| 意味・見せ方 | 可算/不可算 | 例 |
|---|---|---|
| 一羽の動物 | 可算 | a chicken / two chickens |
| 鶏という動物全般 | 複数可算 | Chickens lay eggs. |
| 食材としての鶏肉 | 不可算 | some chicken / much chicken |
| 一切れ・一品として数える | 単位を加える | two pieces of chicken |
a chicken・two chickens|動物には輪郭がある
農場にいる鶏は、一羽ずつ体の境界があり、別々の個体として見分けられます。そのため可算名詞です。
- There is a chicken in the yard.(庭に鶏が一羽います)
- They keep twenty chickens.(彼らは鶏を20羽飼っています)
- The chicken laid an egg.(その鶏が卵を産みました)
- Chickens have feathers.(鶏には羽毛があります)
単数なら冠詞などが必要なので、通常はI saw chicken.ではなくI saw a chicken.です。複数ならchickensと-sを付けます。
some chicken|鶏肉になると「量」を見る
料理の材料として見ると、chickenは通常、不可算名詞になります。
- We had chicken for dinner.(夕食に鶏肉を食べました)
- There is some chicken in the fridge.(冷蔵庫に鶏肉があります)
- Do you eat much chicken?(鶏肉をよく食べますか)
- I need a little more chicken.(鶏肉がもう少し必要です)
肉は切っても、切ったそれぞれが同じchickenです。「ここまでが一個」という自然な単位より、重さや量に焦点が移るため、a chickenやmany chickenではなく、some chicken、much chicken、a lot of chickenを使います。

しゅみすけ(大山俊輔)
鶏肉を数えたいときはどうする?
食材としての鶏肉に具体的な数を付けたいときは、数えられる単位を加えます。
| 数えたいもの | 自然な英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 一切れ | a piece of chicken | 鶏肉一切れ |
| 二切れ | two pieces of chicken | 鶏肉二切れ |
| 胸肉一枚 | a chicken breast | 鶏の胸肉一枚 |
| もも肉二本 | two chicken legs | 鶏もも肉二本 |
| 一人前 | a serving of chicken | 鶏肉一人前 |
| 500グラム | 500 grams of chicken | 鶏肉500グラム |
chicken breastでは、数えている中心はbreastです。複数ならchicken breastsとなり、通常chicken自体には-sを付けません。
I ate a chickenは「鶏肉を食べた」ではない?
I ate chicken.なら「鶏肉を食べた」です。一方、I ate a chicken.は文法上「鶏を一羽丸ごと食べた」という読みになりやすく、かなり大きな量を食べた印象を与えます。
- I ate chicken for lunch.(昼食に鶏肉を食べました)
- I ate a whole chicken.(鶏を丸ごと一羽食べました)
- I ate a piece of chicken.(鶏肉を一切れ食べました)
日本語の「チキンを食べた」につられて冠詞を付けるのではなく、食材の量なら無冠詞のchickenを使います。
chickenとa chickenの景色の違い
chicken|食材・料理の中身
This soup contains chicken.
このスープには鶏肉が入っています。
a chicken|一羽の動物
A chicken escaped from the farm.
鶏が一羽、農場から逃げました。
the chicken|文脈で特定できる鶏または鶏肉
The chicken in the oven is almost ready.
オーブンの鶏料理はもうすぐできあがります。
theは話し手と聞き手がどれを指すか共有できる印です。the chickenだけでは動物か肉かは決まらず、文脈で判断します。
レストランでa chickenと言うことはある?
通常、料理を一品注文するなら料理名や部位、数えられる品目を使います。
- I’ll have the chicken.(鶏料理にします)
- I’d like a chicken sandwich.(チキンサンドを一つお願いします)
- Two chicken salads, please.(チキンサラダを二つお願いします)
- Can I have an order of chicken wings?(手羽先を一皿お願いします)
a chicken sandwichで数えているのはsandwich、two chicken saladsではsaladsです。前に置かれたchickenは「鶏肉を使った」という種類を示します。
日本人が間違えやすい形
| 不自然・誤り | 自然な英語 | 理由 |
|---|---|---|
| I ate a chicken. ※鶏肉を食べたつもり |
I ate chicken. | 食材は量として見る |
| There are some chicken in the fridge. | There is some chicken in the fridge. | 鶏肉のchickenは不可算 |
| many chicken ※多数の鶏のつもり |
many chickens | 動物の複数形には-s |
| two chickens ※肉二切れのつもり |
two pieces of chicken | chickensは通常、鶏二羽 |
fish・lamb・turkeyにも似た切り替えがある
動物とその肉・食材を同じ語で表す場合、同様の切り替えが見られます。
- a fish(一匹の魚)/some fish(食材としての魚)
- a lamb(一匹の子羊)/some lamb(ラム肉)
- a turkey(一羽の七面鳥)/some turkey(七面鳥の肉)
一方、動物と肉で別の単語を使う組み合わせもあります。a cow(牛)に対するbeef(牛肉)、a pig(豚)に対するpork(豚肉)などです。単語の対応は異なっても、「個体を見るか、食材の量を見るか」という視点は共通しています。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ|動物なら輪郭、鶏肉なら量
- 一羽の鶏はa chicken
- 二羽以上ならchickens
- 食材としての鶏肉は不可算のchicken
- 鶏肉の量ならsome chicken、much chicken、a lot of chicken
- 切れ数を数えるならa piece of chicken、two pieces of chicken
液体を1杯単位で区切る例はcoffeeは数えられる?Two coffeesが成立する理由、価値を量として見る例はmoneyはなぜ数えられない?も参考にしてください。
可算・不可算の基本は可算名詞・不可算名詞の例と見分け方で整理しています。英語が対象を「個体」または「量」として切り取る原理は、be-rize.comの可算名詞と不可算名詞の違い|数えられるかより「どう切り取るか」で深掘りしています。
参考資料
- Cambridge Dictionary: chicken
- Cambridge Dictionary: Nouns: countable and uncountable
- British Council LearnEnglish: Nouns: countable and uncountable
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