
コインや紙幣は一枚、二枚と数えられます。それなのに、英語ではmoneyを不可算名詞として扱い、通常はa moneyやmany moneysとは言いません。なぜでしょうか。
結論から言うと、英語のmoneyは、個々の硬貨や紙幣ではなく、それらが表す「金額・財産・購買力という価値の量」をまとめて捉える名詞だからです。物として数えるならcoinやbill、金額を数えるならdollarやyenなど、輪郭のある単位へ切り替えます。
しゅみすけ(大山俊輔)
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moneyは不可算名詞|基本の使い方
一般的な標準英語では、moneyは不可算名詞です。単数・複数に分けず、量を表す語と組み合わせます。
- 正:I need some money.(いくらかお金が必要です)
- 正:She has a lot of money.(彼女はたくさんのお金を持っています)
- 正:We don’t have much money left.(残っているお金はあまりありません)
- 誤:I need a money.
- 誤:She has many money.
manyではなくmuch、fewではなくlittleを使います。ただし肯定文の会話では、much moneyよりa lot of moneyのほうが自然な場面が多くあります。
硬貨や紙幣は数えられるのに、なぜmoneyは数えられない?
可算・不可算を考えるとき、現実の世界に複数存在するかどうかだけでは判断できません。英語がその名詞を、どんな単位と輪郭で見せているかが大切です。
coinは一枚の硬貨、billまたはイギリス英語のnoteは一枚の紙幣です。それぞれ物として境界があるので、one coin、three coins、two billsと数えられます。
一方、moneyはそれらの物体をまとめて、「いくら使えるか」「どのくらい所有しているか」という価値の量へ視点を移します。千円札一枚と百円玉十枚は、物の数や形は違っても、金額としては同じ1,000円です。moneyが焦点を当てるのは、紙や金属の枚数ではなく、この交換可能な価値です。

しゅみすけ(大山俊輔)
お金を数えたいときは何を数える?
お金について具体的な数を言いたいときは、何を数えているかに合わせて名詞を選びます。
| 数える対象 | 英語 | 例 |
|---|---|---|
| 硬貨 | coin | three coins(硬貨3枚) |
| 紙幣 | bill/note | two ten-dollar bills(10ドル札2枚) |
| ドルという通貨単位 | dollar | twenty dollars(20ドル) |
| 円という通貨単位 | yen | five hundred yen(500円) |
| ある金額 | sum/amount | a large sum of money(多額のお金) |
yenは、one yenでもfive hundred yenでも通常形が変わりません。一方、dollarは複数ならdollarsになります。いずれも通貨単位を数えているので、moneyそのものを複数形にしているわけではありません。
moneyとcurrency・cash・coinの違い
money|価値や財産を広く表す
moneyは現金だけでなく、銀行口座にある資金なども含めて広く使えます。
I don’t have enough money to buy it.
それを買うだけのお金がありません。
cash|すぐ使える現金
cashは、カードや振込ではなく、手元の現金を表します。これも通常は不可算名詞です。
Do you take cash?
現金は使えますか。
currency|ある国や地域の通貨制度・通貨
currencyは「日本円」「米ドル」のような通貨の種類を指すとき、可算名詞として使えます。
The euro is used in many countries, but Europe also has other currencies.
ユーロは多くの国で使われていますが、ヨーロッパにはほかの通貨もあります。
coin・bill/note|物としての硬貨・紙幣
目の前の硬貨や紙幣の枚数を数えるなら、coin、bill、noteを使います。
I have four coins and two bills in my wallet.
財布に硬貨が4枚、紙幣が2枚あります。
日本語の「お金」と英語のmoneyのズレ
日本語でも「お金がたくさんある」のように量として扱えますが、「お金が三つある」のように、文脈次第で硬貨や金額の項目を指すこともできます。名詞の形は変わらず、「枚」「円」「つ」などの助数詞や単位が数え方を補います。
英語では、数える対象に応じて名詞そのものを切り替える傾向があります。
- 価値の量を見る → money
- 硬貨を数える → coins
- 紙幣を数える → bills/notes
- 金額の単位を数える → dollars/yen
- 複数の通貨を区別する → currencies
日本語の「お金」を見て毎回moneyと置き換えるのではなく、話し手が価値、現金、紙幣、硬貨、通貨のどれを見ているかを考えると、自然な名詞を選びやすくなります。
会話でよく使うmoneyの例文
お金を節約する
I’m trying to save money.
お金を節約しようとしています。
お金を使いすぎる
I spent too much money this month.
今月はお金を使いすぎました。
少し現金を持っている
I have some cash with me.
現金を少し持っています。
紙幣を崩す
Could you change this bill?
この紙幣を崩していただけますか。
金額をたずねる
How much money do we need?
いくら必要ですか。
間違えやすい形を整理
| 不自然・誤り | 自然な英語 | 理由 |
|---|---|---|
| a money | some money a sum of money |
量ならsome、ある金額ならsumで単位化 |
| many money | much money a lot of money |
moneyは通常不可算名詞 |
| few money | little money | fewではなくlittle |
| three moneys | three coins three dollars |
硬貨または通貨単位を数える |
| two money | two currencies | 通貨の種類ならcurrencyを数える |
しゅみすけ(大山俊輔)
例外|moneys・moniesという複数形もある?
一般的な日常英語では、moneyを不可算名詞として使います。ただし、法律・会計・金融などの専門的な文脈では、複数の資金源や支払金を区別してmoneysまたはmoniesという複数形が使われることがあります。
これは日常会話で「お金が複数ある」と言う形ではありません。初心者が通常の会話や作文でmoneysを使う必要はほぼなく、まずmoneyを不可算名詞として身につければ十分です。
まとめ|moneyは物の枚数ではなく価値の量を見る
moneyが不可算名詞なのは、コインや紙幣が物理的に数えられないからではありません。moneyが、それらをまとめた金額・財産・購買力という価値の量を表すからです。
- moneyは通常、不可算名詞
- a money、many moneyとは言わない
- 量ならsome money、a lot of money、much money
- 硬貨・紙幣ならcoin、bill、noteを数える
- 金額ならdollarやyenなどの通貨単位を数える
- 複数の通貨の種類ならcurrenciesを使う
同じ不可算名詞でも、情報の中身をまとまりとして見る例は、informationはなぜ数えられない?で解説しています。可算・不可算の基本は、可算名詞・不可算名詞の例と見分け方も参考にしてください。
数量表現の使い分けは、a lot of・many・much・a few・a littleの違いで詳しく整理しています。
「現実に数えられるか」ではなく、英語が対象をどんな単位として切り取るかを体系的に理解したい方は、be-rize.comの可算名詞と不可算名詞の違い|数えられるかより「どう切り取るか」へ進んでください。
参考資料
- Cambridge Dictionary: money
- Cambridge Dictionary: Nouns: countable and uncountable
- British Council LearnEnglish: Uncount nouns
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