drawはなぜ「引き分け」になる?意味・使い方とtieとの違い

drawが引き分けを表す理由を1対1の試合で示すアイキャッチ

drawと聞くと、最初に思い浮かぶのは「引く」や「絵を描く」ではないでしょうか。それなのにスポーツでは、The game ended in a draw.で「試合は引き分けに終わった」になります。

結論からいうと、現代英語のdrawには「勝者が決まらない試合・結果」という確立した意味があります。ただし、この意味が「引く」からどのように生まれたかは、語源資料でも確定していません。

そのため、「両者が互いに引っ張るから引き分け」のような覚え方を、歴史的な事実として断定するのは避けたほうが安全です。今回は、分かっていることと学習用の整理を分けて解説します。

しゅみすけ(大山俊輔)

コアイメージは便利ですが、すべての意味に無理やり当てはめる必要はありません。由来がはっきりしない用法は、その事実ごと理解するほうが英語を正確に捉えられます。

drawの意味は「引き分け」

The match ended in a draw.
その試合は引き分けに終わりました。

ここでのdrawは名詞です。どちらにも勝者がいない試合や、両者の得点が同じ結果を表します。

  • a draw:引き分け
  • end in a draw:引き分けに終わる
  • play to a draw:引き分ける
  • a scoreless draw:0対0の引き分け

It was a 1–1 draw.
1対1の引き分けでした。

The teams played to a scoreless draw.
両チームは0対0で引き分けました。

「引く」から「引き分け」になったの?

drawの古い中心的な意味には「引く・引っ張る」があります。そこから、線を引く、武器を引き抜く、結論を引き出すなど、多くの意味が広がりました。

しかし、試合の「引き分け」を表すdrawについては、語源資料でも起源は不確かとされています。17世紀初頭のdrawn matchという形が古い用例として確認されており、withdrawとの関係を推測する説もありますが、確定した説明ではありません。

したがって、ここでは「両者の力が釣り合い、どちらにも勝敗が引き寄せられない」とイメージすることは、あくまで現在の意味を覚えるための補助にとどめます。

辞書でもdrawは、動作の「引く」とは別に、名詞として「勝者のいない試合・同点の結果」という語義が掲載されています。学習上は、このスポーツ用法を一つのまとまりとして覚えるのが確実です。

drawとtieの違い

イギリス英語のdrawとアメリカ英語のtieを比較する図解

drawとtieは、どちらも勝者がいない同点の結果を表せます。大まかな傾向として、スポーツの結果にはイギリス英語でdraw、アメリカ英語でtieがよく使われます。

表現 傾向
draw イギリス英語で特によく使う The match ended in a draw.
tie アメリカ英語で特によく使う The game ended in a tie.

ただし、国だけで完全に分かれるわけではありません。アメリカのサッカー報道でもdrawは使われ、イギリス英語でも得点が同じ状態をbe tiedと表すことがあります。競技や文脈による重なりがあります。

しゅみすけ(大山俊輔)

まずは、サッカーならa draw、アメリカのスポーツならa tieを目安にすれば十分です。「片方だけが正しい」と覚えないのがポイントです。

動詞のdrawで「引き分ける」と言う形

draw with+相手

We drew with Spain.
私たちはスペインと引き分けました。

相手を示すときはdraw with+チーム・人が使えます。drawの過去形はdrewです。

draw against+相手

They drew against the league leaders.
彼らはリーグ首位のチームと引き分けました。

draw againstも対戦相手との引き分けを表します。対戦関係を少し意識させる形です。

draw+スコア

The teams drew 2–2.
両チームは2対2で引き分けました。

スコアをdrawの後ろへ直接置く形もあります。読み方はtwo allまたはtwo–twoです。

draw a gameは文脈に注意

They drew the game.で「彼らはその試合を引き分けた」と表す用法もあります。ただし、日常的にはThe game ended in a draw.They drew 1–1.のほうが意味を取りやすいでしょう。

日本人が間違えやすいポイント

drawをいつも「描く」と訳さない

She drew a picture.なら「彼女は絵を描いた」ですが、The teams drew.なら「両チームは引き分けた」です。目的語や文脈を見る必要があります。

引き分けた相手にtoを使わない

「〜に負ける」のlose toにつられて、引き分けにもtoを使いたくなることがあります。

We drew with Brazil.
× We drew to Brazil.

一方、アメリカ英語ではWe tied with Brazil.と言えます。

くじ引きのdrawとは別の場面

drawには「抽選」もあります。

The prize draw is tomorrow.
賞品の抽選は明日です。

こちらは候補の中から当選者や番号を「引き出す」場面と結びつけやすい用法です。スポーツの引き分けとは、文脈で区別しましょう。

勝ち・負け・引き分けを一緒に覚えよう

結果 動詞 名詞を使う形
勝つ We won. It was a win.
負ける We lost. It was a loss.
引き分ける We drew. It was a draw.

Did your team win?
あなたのチームは勝ちましたか。

No, we drew 1–1.
いいえ、1対1で引き分けました。

会話では、この二文だけでも試合結果を自然に伝えられます。

会話で使える例文

  • It ended in a draw.
    引き分けに終わりました。
  • We drew 0–0.
    0対0で引き分けました。
  • The game is still tied.
    試合はまだ同点です。
  • A draw is enough to advance.
    引き分けでも勝ち進めます。
  • They scored late to earn a draw.
    彼らは終盤に得点して引き分けに持ち込みました。

この考え方が使える別のdraw

drawの多くの用法には「こちらへ引く・何かを引き出す」という動きが見えます。

  • draw a line:線を引く
  • draw a conclusion:結論を導き出す
  • draw attention:注意を引く
  • draw a card:カードを引く

ただし、今回の「引き分け」は由来が確定していません。意味ネットワークを考えるときは、きれいな説明を作ることより、資料で確認できる範囲を守ることが大切です。

複数の意味をコアイメージから理解する考え方は、be-rize.comの英語の句動詞とは?基本動詞+前置詞をコアイメージで理解する方法も参考になります。コアイメージが便利な場面と、個別用法として覚える場面を分けながら学べます。

まとめ

スポーツのdrawは「引き分け・勝者のいない結果」を表します。

  • end in a draw=引き分けに終わる
  • draw with+相手=相手と引き分ける
  • draw 1–1=1対1で引き分ける
  • drawはイギリス英語、tieはアメリカ英語で特によく使われる傾向
  • 「引く」からの歴史的な意味展開は断定できない

しゅみすけ(大山俊輔)

由来が分からなくても、使い方ははっきりしています。試合結果ならIt ended in a draw.を一つ覚えれば、すぐ会話で使えます。

参考にした辞書資料

多義語の意味をつながりで学ぶ

この単語と同じように、一見ばらばらに見える英単語の意味を、中心のイメージから整理した記事をまとめています。

英単語の意味はなぜ多い?コアイメージでつながりが分かる基本語10選

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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