
英単語帳を見ていると、一つの単語に日本語訳が何個も並んでいて、「全部覚えないといけないの?」と思うことがあります。chargeは「請求する・充電する・突進する」、drawは「描く・引く・引き分け」、matterは「物質・問題・重要である」。一見すると、意味はばらばらです。
けれども、多くの多義語は、中心となる捉え方が場面や対象によって具体化したものです。日本語訳を一個ずつ覚える前に、「その単語は何をどう捉えているのか」を見ると、知らない用法にも応用しやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
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英単語の意味が多くなる仕組み
単語の意味は、中心のイメージだけで決まるわけではありません。何を目的語にするか、どんな場面で使うか、物理的な話か抽象的な話かによって、自然な日本語訳が変わります。

たとえばcoverの中心を「対象の上に広がり、その範囲を受け持つ」と見ると、毛布が人を「覆う」、記者が事件を「報道する」、保険が費用を「補償する」という用法がつながります。日本語訳は違っても、英語側では共通する捉え方があります。
ただし、同じ綴りの語を何でも一つにまとめればよいわけではありません。bearの「熊」と動詞の「運ぶ・耐える」のように、語源の異なる同音同綴り語もあります。また、コアイメージは万能の正解ではなく、学習者が用法の関係を理解するための見取り図です。
意味のつながりが見える基本語10選
1.charge|負荷をかける
人・物・お金などに何かを背負わせる感覚から、「請求する」「充電する」「告発する」「突進する」へ広がります。
2.point|一点を定める
空間の「点」から、指で示す先、話の要点、目的、得点へ。ばらばらに見える名詞・動詞の用法が「焦点となる一点」でつながります。
3.issue|外へ出す
何かが外へ出る・公に出される感覚から、出版物の「号」、議論に出された「問題」、正式に「発行する」へ広がります。
4.work|力を働かせて変化を生む
人が「働く」だけでなく、機械が作動する、薬が効く、方法がうまくいくこともworkです。力が作用して期待される結果を生む点が共通します。
5.leave|元の場所から離す
人がその場を「去る」と、物をその場に「残す」は日本語では反対に見えます。英語では、主体と対象のどちらが基準点から離れるかに注目します。
6.cover|上に広がって範囲を受け持つ
物を覆う、距離を進む、話題を扱う、事件を報道する、費用をまかなう。対象の範囲へ広がって受け持つ景色で整理できます。
coverの意味はなぜ多い?覆う・報道する・費用をまかなうのつながり
7.draw|こちらへ引く
線を引く、カーテンを引く、注意を引く、結論を引き出す。日本語では「描く」と訳す場合も、手の動きとしては線を引いて形を作っています。
8.matter|中身のあるもの
形のある「物質」から、話題として取り上げる「事柄・問題」、無視できない中身を持つ「重要である」へ広がります。
9.handle|手に取って扱う
名詞の「取っ手」、物を扱う、仕事を担当する、問題に対処する。対象を自分の手元に置き、コントロールする感覚が共通しています。
10.bear|重さを受け止めて支える
荷を運ぶ、重さを支える、責任や費用を負う、痛みや悲しみに耐える。“負担”を受け止めて持ちこたえる流れで理解できます。
しゅみすけ(大山俊輔)
多義語を覚えるときの4つの手順
- 最も具体的な用法を見る
手で扱う、線を引く、上を覆うなど、目に見える場面から始めます。 - 用法の共通点を短い言葉にする
「一点を定める」「こちらへ引く」のように、狭すぎない表現にします。 - 目的語との組み合わせを見る
cover a person、cover a story、cover the costのように、対象が変わると訳がどう変わるか確認します。 - 短い例文ごと覚える
単語だけでなく、I can handle it.やIt doesn’t matter.のように会話で使える形にします。
コアイメージ学習で注意したいこと
- すべての用法を一つの図で断定的に説明しない
- 語源と現代の使われ方を混同しない
- 同音同綴り語を無理につなげない
- イメージを理解した後は、実際の語順と組み合わせを確認する
- 日本語訳を否定せず、場面を理解する補助として使う
学校文法や辞書の定義は、正確な使い方を確認するために必要です。コアイメージはそれらの代わりではなく、複数の用法の間に道を作る方法だと考えるとよいでしょう。
仕組みをさらに深掘りする
基本動詞・前置詞・助動詞を「英語のコア部品」として体系的に学びたい方は、be-rize.comの次の記事も参考になります。
英会話で重要なコア単語とは?基本動詞・前置詞・助動詞をイメージで学ぶ方法
まとめ|訳語ではなく、意味の広がり方を見る
英単語に複数の意味があるとき、日本語訳を一個ずつ暗記するだけでは負担が増えます。中心のイメージをつかみ、場面・対象・語順によって訳がどう変わるかを見ると、単語はばらばらな意味の寄せ集めではなくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
続編|strikeの意味も中心イメージからつながる
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