
「犬は好きですか?」を英語にするとき、Do you like dog? と言いたくなることはありませんか?日本語の「犬」には単数・複数の形の違いがないので、自然に見えるかもしれません。
しかし、犬全般が好きかを聞くなら、基本はDo you like dogs?です。dogは数えられる名詞なので、単数のdogを裸のまま置くことができません。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
結論:犬全般が好きならDo you like dogs?
| 英語 | 見えている範囲 | 自然な意味 |
|---|---|---|
| Do you like dogs? | 犬という種類全般 | 犬は好きですか? |
| Do you like the dog? | 話し手と聞き手が分かる特定の犬 | その犬、気に入りましたか? |
| Do you like this dog? | 指し示している1匹 | この犬は好きですか? |
| Do you like dog? | dogが裸の単数形 | 通常は不自然 |
英語で「〜全般が好き」と言うとき、数えられる名詞は複数形にするのがもっとも自然です。
- I like cats.(猫が好きです)
- She loves flowers.(彼女は花が大好きです)
- Do you like movies?(映画は好きですか?)
学校文法では「単数の可算名詞を裸で使わない」
dogは、1匹、2匹と数えられる可算名詞です。可算名詞の単数形には原則として、a・the・this・myなど、名詞の範囲を決める語が必要です。
- a dog:どれとは決めていない1匹
- the dog:どの犬か分かっている1匹
- this dog:この1匹
- my dog:私の犬
dogだけでは、「1匹として出したのに、どんな1匹なのかを示すものがない」状態になります。これがDo you like dog?に引っかかりを感じる文法上の理由です。
イメージで見る:名詞には「見せ方の札」がつく

dogs:犬の世界を広く見せる
Do you like dogs?では、特定の犬を指していません。柴犬もプードルも大型犬も小型犬も含め、犬という種類を広く見渡しています。
複数形には「実際に何匹いるか」だけでなく、その種類全般を表す働きがあります。これを文法用語では「総称」と呼びます。
a dog:輪郭を与えた、ある1匹
aは名詞に「ひとつの輪郭」を与えます。
- I saw a dog in the park.
公園で犬を1匹見ました。 - She wants a dog.
彼女は犬を1匹飼いたがっています。
Do you like a dog?も文脈によって成立する可能性はありますが、犬全般が好きかを聞く普通の表現ではありません。「好きな犬が1匹いるの?」など、1匹を取り出す特殊な文脈が必要です。
the dog:どの犬か焦点が合っている
the dogは、話し手と聞き手が同じ犬を思い浮かべられるときに使います。
- Do you like the dog next door?
隣の家の犬は好きですか? - I fed the dog you rescued.
あなたが保護した犬に餌をあげました。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本語では「犬」だけで成立するのはなぜ?
日本語の「犬が好き」は、文脈に応じて次のどれにもなれます。
- 犬という動物全般が好き
- ある犬が好き
- 話題にしているその犬が好き
単語の形を変えなくても、聞き手が文脈から範囲を補えます。一方、英語では名詞の前後にa・the・複数形などを置き、対象の輪郭を早い段階で示します。
日本語の「犬」をそのままdogへ置き換えると、その英語がどの範囲を見せているかが抜け落ちます。日本人がDo you like dog?と言いやすいのは、英単語を間違えたからではなく、日本語では言わなくても通じる情報を英語でも省いてしまうからです。
なぜmusicやcoffeeはsなしでもいいの?
ここで、次の文は自然です。
- Do you like music?(音楽は好きですか?)
- Do you like coffee?(コーヒーは好きですか?)
musicや飲み物としてのcoffeeは、通常は数えないまとまりとして捉える不可算名詞です。不可算名詞は、冠詞なしの単数形のような姿で全般を表せます。
dogは生きた犬を1匹ずつ区切って捉える可算名詞なので、同じ形にはできません。
| 名詞の見方 | 全般を表す基本形 | 例 |
|---|---|---|
| 個体を数える | 無冠詞の複数形 | I like dogs. |
| まとまり・素材として捉える | 無冠詞の不可算名詞 | I like coffee. |
coffeeが注文単位ならtwo coffeesと数えられる理由は、coffeeは数えられる?Two coffeesが成立する理由で詳しく解説しています。
Do you like dog?が別の意味に聞こえることはある?
まれにdogを肉・食材のような不可算名詞として解釈すれば、文法上は「犬肉は好きですか?」という読みが生じる可能性があります。ただし、一般の会話では文化的にも意味的にも非常に特殊です。
誤解を避けるなら、食材を意図する特殊な文脈ではdog meatと明示します。普通に「犬は好き?」と聞きたい場面では、迷わずDo you like dogs?を使いましょう。
会話で使える対比例
動物全般について聞く
- Do you like dogs?
犬は好きですか? - Do you prefer cats or dogs?
猫と犬ならどちらが好きですか? - Are you afraid of snakes?
ヘビが怖いですか?
特定の1匹について聞く
- Do you like my dog?
私の犬、気に入りましたか? - Is that dog friendly?
あの犬は人懐っこいですか? - What is the dog’s name?
その犬の名前は何ですか?
「全般」なら必ず複数形?
学習の最初は、可算名詞の全般を表すなら複数形、と考えるのが安全です。ただし、少し硬い説明文ではA dog is a loyal animal.のようにa+単数形で種類を代表させたり、The tiger is endangered.のようにthe+単数形で種全体を表したりすることもあります。
複数の説明が成り立ちますが、好みを尋ねる日常会話ではDo you like dogs?が自然で簡単です。総称表現のすべてを一度に使い分けようとする必要はありません。
しゅみすけ(大山俊輔)
この考え方が使える別の表現
- I like books.(本が好きです)
- He collects watches.(彼は腕時計を集めています)
- Computers are useful.(コンピューターは便利です)
- Children need sleep.(子どもには睡眠が必要です)
英語の複数形は、単に「2つ以上」を知らせるだけではありません。特定の1つに絞らず、その種類を広く見せる役割も担っています。
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まとめ
- 「犬は好き?」はDo you like dogs?が自然
- dogは可算名詞なので、単数形を裸のまま置けない
- dogsは複数の匹数だけでなく「犬全般」を表せる
- a dogはある1匹、the dogは特定の1匹を見せる
- 日本語で省ける「対象の範囲」を、英語では冠詞や複数形で示す
dogにsをつけるのは、目の前に犬が何匹もいるからとは限りません。特定の1匹から視点を離し、犬という種類全体へ景色を広げるためでもあるのです。
参考:British Council LearnEnglish: Articles/Cambridge Dictionary: Countable and uncountable nouns
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