pass the buckの意味は?「責任を押し付ける」の使い方・ニュアンスとshift the blameとの違い

pass the buckの意味・使い方・責任転嫁を解説するアイキャッチ画像

pass the buck は、「自分が負うべき責任や下すべき判断を、ほかの人へ回す」「責任逃れをする」という意味の英語イディオムです。お金を渡す話ではありません。

職場で担当者が次々と変わるとき、ミスへの対応を誰も引き受けないときなどに使われます。単に「人を責める」よりも、自分で引き受けず、次の人へ送る動きが見える表現です。

pass the buckの意味とニュアンス

pass the buck の中心的な意味は、次の2つです。

  • 自分の責任をほかの人に押し付ける
  • 自分がすべき判断や対応をほかの人へ回す

The manager passed the buck to his assistant.
そのマネージャーは責任をアシスタントに押し付けました。

Every department kept passing the buck.
どの部署も責任を次へ回し続けました。

多くの場合、話し手はその行動を批判的に見ています。「担当を正しく引き継いだ」という中立的な意味ではなく、「本来は自分が向き合うべきなのに逃げた」という含みがあります。

しゅみすけ(大山俊輔)

pass the buckは、ただ仕事を誰かに渡すことではありません。「自分で責任を持つべきなのに、ほかの人へ回して逃げる」という批判的な気持ちが含まれます。

なぜbuckをpassすると「責任転嫁」になるの?

pass は「渡す・次へ回す」、buck はここでは、かつてポーカーで親の位置を示すために使われた目印に由来するとされます。その目印を次の人へ渡すことから、担当や責任を次へ回すイメージにつながりました。

現代英語の buck には口語で「1ドル」という意味もありますが、pass the buck を「ドルを渡す」と直訳して理解する表現ではありません。フレーズ全体で一つのイディオムとして捉えます。

pass the buckとshift the blameのニュアンスの違いを示す図

よく使う形と語順

pass the buck to+人・組織

責任を誰に回したのかを言うときは、pass the buck to+人・組織 の形が自然です。

Don’t pass the buck to your coworker.
同僚に責任を押し付けないでください。

The airline passed the buck to the booking website.
航空会社は責任を予約サイト側へ回しました。

keep / stop passing the buck

責任逃れを繰り返す様子には keep passing the buck、それをやめるよう求めるときには stop passing the buck がよく使われます。

They keep passing the buck instead of fixing the problem.
彼らは問題を解決せず、責任をたらい回しにしています。

Let’s stop passing the buck and make a decision.
責任を回すのはやめて、決断しましょう。

自然な例文で使い方を確認

仕事

My boss blamed the delay on us, but he was just passing the buck.
上司は遅れを私たちのせいにしましたが、ただ責任逃れをしていただけです。

We need one person in charge, or everyone will pass the buck.
責任者を一人決めないと、みんなが責任を次へ回してしまいます。

家庭・人間関係

You can’t pass the buck to me every time the kids make a mess.
子どもたちが散らかすたびに、私へ責任を押し付けるのはやめて。

Instead of passing the buck, we should decide together.
責任を押し付け合わず、一緒に決めるべきです。

旅行・サービス

The hotel and the travel agency kept passing the buck.
ホテルと旅行会社は責任をたらい回しにし続けました。

I don’t care whose fault it is. Please stop passing the buck and help me.
誰のせいかは問題ではありません。責任を回すのをやめて、対応してください。

shift the blame・blameとの違い

似ていますが、焦点が少し違います。

表現焦点
pass the buck責任・判断・対応を次へ回すHe passed the buck to me.
shift the blame失敗の原因や非難を別の人へ移すHe shifted the blame onto me.
blame人や物を問題の原因だと考える・責めるHe blamed me for the mistake.

たとえば、上司が「このミスは部下のせいだ」と言えば shift the blame が合います。一方、「この件は私の担当ではない。部下に聞いて」と対応そのものを部下へ回せば pass the buck がぴったりです。

blame の語順や「人のせいにする」の表現全体は、「人のせいにする」は英語で?blame・shift the blameの違いで詳しく解説しています。

日本人が間違えやすいポイント

  • buckを複数形にしない:決まった形は pass the buck です。
  • 相手を言うならto:pass the buck to someone とします。
  • 普通の分担には使わない:正当な委任なら delegate the task や hand the task over が自然です。
  • やや批判的:本人へ直接言うと強く響くことがあります。

また、The buck stops here. は反対方向の表現です。「責任はここで止まる」、つまり「最終責任は私が引き受ける」という意味になります。

簡単な英語で言い換える【しゅみすけ式】

pass the buck がすぐ出なくても、状況を基本語で説明すれば十分に伝わります。

  • He won’t take responsibility.
    彼は責任を取りません。
  • He says it’s someone else’s job.
    彼は、それはほかの人の仕事だと言っています。
  • Everyone tells me to ask someone else.
    みんな、ほかの人に聞くよう私に言います。
  • No one wants to make the decision.
    誰も決定を下したがりません。

しゅみすけ(大山俊輔)

イディオムが出てこなければ、He won’t take responsibility. で大丈夫です。誰が何を引き受けないのかを短い文で言えば、状況はきちんと伝わります。

関連表現

まとめ

pass the buck は、「自分が引き受けるべき責任・判断・対応をほかの人へ回す」という批判的なイディオムです。相手を示すときは pass the buck to+人、繰り返す様子なら keep passing the buck と表現できます。

shift the blame が「失敗の原因や非難を人へ移す」ことに焦点を当てるのに対し、pass the buck は「自分で引き受けず次へ回す」行動に焦点があります。迷ったら、まずは He won’t take responsibility. と簡単に言い換えてみましょう。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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