
on thin ice は、直訳すると「薄い氷の上にいて」。英会話ではそこから、「危ない立場にいる」「もう一度失敗すると信用や立場を失いかねない」という意味で使われるイディオムです。
単に危険な場所にいるというより、仕事で失敗が続いた、約束を破った、相手の我慢が限界に近い、といったぎりぎりの状況を表すのがポイントです。この記事では、薄い氷がなぜ人間関係や仕事上の立場を表すのか、自然な語順、be on thin ice と skate on thin ice の違い、会話で使える簡単な言い換えまで解説します。
Contents
on thin iceの意味
be on thin ice は、失敗や問題行動によって立場が不安定になり、次に問題を起こすと悪い結果につながりそうな状態を表します。
- 職場で解雇や処分につながりかねない
- 人間関係で相手の信用を失いかけている
- 発言や行動によって問題を起こしそうになっている
日本語では「危ない立場にいる」「首が危ない」「信用がなくなりかけている」など、文脈に合わせて訳すと自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「薄い氷の上」が「危ない立場」になる?
厚く凍った湖なら人が歩けても、薄い氷は体重を支えられないかもしれません。今は立っていられても、次の一歩や少しの力で割れる可能性があります。
この「表面上はまだ大丈夫だが、次の行動次第で一気に悪い結果になる」という感覚が、人の信用・仕事・人間関係などの危うい状態に重ねられています。

つまり、thin ice=簡単に壊れそうな足場です。その上にいる人は、立場を支えていた信用や我慢が、あと少しで崩れそうな状態にあります。
基本の形と語順
最も基本的な形は次のとおりです。
主語 + be動詞 + on thin ice
- I’m on thin ice.
私は危ない立場にいます。 - He’s on thin ice at work.
彼は職場で危ない立場にいます。 - You’re on thin ice with your manager.
あなたは上司からの信用を失いかけています。
with+人 を続けると「誰との関係が危ういのか」、because of+理由 を続けると「なぜ危ういのか」を表せます。
- I’m on thin ice with my parents.
私は両親との関係で危ない立場にいます。 - She’s on thin ice because of her repeated absences.
彼女は度重なる欠勤のため、危ない立場にいます。
You’re on thin ice.は警告にもなる
You’re on thin ice. は、今の状況を説明するだけでなく、「これ以上続けるとまずいよ」という警告にもなります。
A: I might skip tomorrow’s meeting too.
A:明日の会議も休もうかな。
B: Be careful. You’re already on thin ice with the boss.
B:気をつけて。もう上司からの信用が危ういよ。
声の調子や関係によっては、かなり強い警告になります。自分に決定権がない場面では、I think you may be on thin ice. のように断定を弱めることもできます。
自然な例文で使い方を確認
仕事
After missing two deadlines, Ken is on thin ice with his team.
締め切りを2回逃したため、ケンはチームからの信用を失いかけています。
I knew I was on thin ice, so I double-checked the report before sending it.
危ない立場にいると分かっていたので、送信前に報告書を再確認しました。
恋愛・人間関係
You’re on thin ice after forgetting our anniversary again.
また記念日を忘れたんだから、かなり危ない立場だよ。
He’s on thin ice with his friends because he keeps canceling plans.
彼は何度も予定をキャンセルするので、友人からの信用を失いかけています。
学校
The student is on thin ice after being late three times this week.
その生徒は今週3回遅刻しており、危ない立場にいます。
家庭
I’m on thin ice at home after breaking my promise.
約束を破ったので、家での私の立場は危ういです。
skate on thin iceとの違い
be on thin ice は「すでに危ない状態にいる」ことに焦点があります。一方、skate on thin ice は「危険だと分かりながら、さらに際どい行動をする」という動きが感じられます。
- He is on thin ice with his boss.
彼は上司との関係で、すでに危ない立場にいる。 - He is skating on thin ice by arguing with his boss again.
彼はまた上司に言い返して、危ない橋を渡っている。
You’re skating on thin ice. は、「その話や行動を続けると本当にまずい」という強めの警告として使われます。
文字どおりの意味になる場合
実際に凍った湖や川の話をしている場合、on thin ice は文字どおり「薄い氷の上にいる」という意味です。
Don’t walk there. You’re on thin ice.
そこを歩かないで。薄い氷の上にいるよ。
周囲に湖・冬・スケートなどの話題がなく、仕事や人間関係について話していれば、通常はイディオムとして理解されます。
似た表現との違い
in hot water
in hot water は「問題を起こして困った状況にいる」「叱られそう」という意味です。すでにトラブルに巻き込まれていることが中心です。
on thin ice は、さらに一度失敗すれば深刻な結果になりそうな、立場の不安定さを強く表します。
on shaky ground
on shaky ground は、立場だけでなく、議論・計画・主張などの土台が弱いことにも使えます。
Your argument is on shaky ground.
あなたの主張は根拠が弱いです。
on thin ice は人の信用や立場、問題になりそうな行動について使われることが多い表現です。
walking a tightrope
walking a tightrope は、相反する要求の間で慎重にバランスを取ることを表します。on thin ice のように、過去の失敗によって信用を失いかけている必要はありません。
日本人が間違えやすいポイント
iceに冠詞を付けない
定型表現では on thin ice といい、通常は on a thin ice とはしません。ここでの ice は数えない名詞です。
「危険な仕事」なら何でも使えるわけではない
高所作業や危険物を扱う仕事そのものを説明するなら、dangerous や risky が自然です。on thin ice は、主に信用や立場が崩れそうな比喩として使います。
thinをweakに置き換えない
決まった形は thin ice です。日本語の「弱い氷」につられて weak ice にすると、このイディオムにはなりません。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
on thin ice が思い浮かばなくても、何が危ないのかを基本的な英語で直接伝えられます。
- You’re in a risky position.
あなたは危ない立場にいます。 - One more mistake could cause a serious problem.
もう一度失敗すると、大きな問題になるかもしれません。 - My boss is losing trust in me.
上司からの信用を失いかけています。 - You need to be more careful.
もっと気をつける必要があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ
on thin ice は、「薄い氷の上にいる」という直訳から、次の失敗で信用や立場を失いかねない危うい状況を表します。
- 基本形は 主語 + be動詞 + on thin ice
- with+人 で、誰との関係が危ういかを表せる
- be on thin ice は状態、skate on thin ice は危険な行動の継続を強調
- You’re on thin ice. は警告にもなる
- 迷ったら You’re in a risky position. などの簡単な英語で言い換えられる
ほかの英熟語も直訳と実際のニュアンスから理解したい方は、英熟語・定型表現のまとめもあわせてご覧ください。











