You can’t fight City Hall.の意味は?使い方・ニュアンスと例文を解説

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You can’t fight City Hall. は、直訳すると「市役所とは戦えない」。実際には、「個人が役所や大きな権力に対抗するのは難しい」「お役所にはなかなか勝てない」という意味で使われる英語のことわざ・定型表現です。

ここでの fight は殴り合うことではなく、決定に異議を唱えたり、制度を変えようとしたりすること。City Hall も単なる建物ではなく、行政や官僚組織、さらには個人では動かしにくい大きな組織を表します。

この記事では、You can’t fight City Hall. の意味、ネイティブが感じる少し皮肉なニュアンス、自然な使い方を会話例とともに解説します。

You can’t fight City Hall. の意味

基本の意味は、次のように捉えると分かりやすいでしょう。

  • 役所や行政の決定に個人で逆らうのは難しい
  • 大きな組織や権力を相手にしても、思いどおりには変えにくい
  • 制度を相手に争っても、時間や労力ばかりかかる

日本語では、文脈に応じて「お役所には勝てないよ」「大きな組織にはかなわない」「お上には逆らえない」に近い表現です。ただし、いつでも本当に不可能だと断言しているわけではありません。

なぜ City Hall が「大きな権力」になるの?

city hall の文字どおりの意味は「市庁舎」です。一方、英語では建物の名前が、その建物で働く人々や組織そのものを指すことがあります。たとえば The White House announced … が建物ではなく米政権を指すのと同じ考え方です。

この表現の City Hall は、許認可、規則、税金、都市計画などを決める行政側の象徴です。個人が一人で向き合うと、規則や手続きの壁があまりに大きい。その感覚から「個人では動かしにくい権力」の比喩になりました。

You can't fight City Hall.でCity Hallが役所や大きな権力、fightが対抗することを表す解説図

ネイティブが感じるニュアンス

You can’t fight City Hall. には、単なる事実説明よりも、「理不尽に思えても、巨大な制度を相手にするのは大変だ」という諦めや皮肉がにじみます。

何度問い合わせても同じ規則を示されたとき、許可申請が複雑すぎるとき、会社の硬直したルールを変えられないときなどに使われます。少し古風な響きを感じる人もいますが、意味は今でも通じます。

また、誰かの挑戦に対して使うと「やっても無駄だよ」と水を差すように聞こえる場合があります。相手を励ましたい場面では、後述する It may be difficult, but it’s worth trying. のような一言を添える方が自然です。

しゅみすけ(大山俊輔)

この表現は「本当に絶対勝てない」という法則ではありません。話し手の諦めや皮肉を表すひと言として受け取るのがコツです。

よく使われる形と語順

You can’t fight City Hall.

ことわざとして最も定番の形です。主語の you は目の前の相手だけでなく、「人は誰でも」「一般に」という意味でも使われます。

You can’t fight City Hall. Just fill out the form again.
お役所にはなかなか勝てないよ。もう一度その書類を書こう。

It’s hard to fight City Hall.

can’t ほど強く言い切らず、「対抗するのは難しい」と少し柔らかく伝えます。

It’s hard to fight City Hall, but the residents are organizing.
行政を相手にするのは大変ですが、住民たちは団結し始めています。

I know you can’t fight City Hall, but …

定説を認めながら反論するときの形です。「難しいのは分かる。でも挑戦したい」という流れを作れます。

I know you can’t fight City Hall, but this rule is hurting small shops.
お役所を相手にするのが難しいのは分かるけれど、この規則は小さなお店を苦しめています。

場面別の自然な例文

地域・暮らし

A: Did they approve your request to remove the old tree?
古い木を撤去する申請、認められた?

B: No. They sent me three more forms. You can’t fight City Hall.
いや。さらに書類を3枚送ってきたよ。お役所にはかなわないね。

仕事

We complained about the new reporting system, but you can’t fight City Hall.
新しい報告制度について不満を伝えたけれど、大きな組織にはなかなか逆らえません。

民間企業について使う場合、City Hall を文字どおりの市役所ではなく「巨大で融通の利かない組織」の比喩として使っています。

お店・許可

The café owner appealed the decision, even though everyone told her, “You can’t fight City Hall.”
周囲は皆「行政には勝てないよ」と言いましたが、そのカフェの経営者は決定に不服を申し立てました。

皮肉を込めた軽い会話

A: Why does this simple application need five signatures?
どうしてこんな簡単な申請に署名が5つも必要なの?

B: You know what they say—you can’t fight City Hall.
よく言うでしょう。お役所にはかなわないって。

fight the system、go up againstとの違い

fight City Hall

行政、官僚組織、強大な制度に抵抗することです。特に「個人では勝ちにくい」という諦めのニュアンスを伴います。

fight the system

社会や組織の仕組みそのものに反抗する、変革しようとする、という広い表現です。fight City Hall より積極的で反抗的に聞こえることがあります。

They are fighting the system to make education more equal.
彼らは教育をもっと平等にするため、制度そのものと闘っています。

go up against

「強い相手に立ち向かう」という中立的で幅広い表現です。相手は政府に限らず、大企業、強豪チーム、有力候補などにも使えます。

Our small company is going up against a global brand.
私たちの小さな会社は世界的ブランドに挑もうとしています。

There’s no point arguing with them.

「彼らと議論しても無駄だ」と理由を直接伝える表現です。イディオムが出てこないときの簡単な言い換えとして便利です。

日本人が間違えやすいポイント

物理的に「戦う」と解釈しない

ここでの fight は、殴る、武器を使うという意味ではありません。抗議する、異議を申し立てる、規則を変えようとする、といった非物理的な対抗を表します。

定型表現では通常 the を入れない

ことわざとしては fight City Hall が定番です。City Hall を組織名のように扱うため、通常は the を付けません。特定の市庁舎という建物について話すなら the city hall building など別の形が自然です。

日本の「市役所」だけに限定しない

会話では地方行政だけでなく、官僚的で巨大な組織全般の比喩にもなります。文脈を見て「市役所」と訳すか、「行政」「大きな組織」「権力」と訳すかを決めましょう。

相手の挑戦を一方的に否定しない

この一言だけでは冷たく響くことがあります。挑戦を応援したいなら、次のようにつなげられます。

People say you can’t fight City Hall, but your petition could make a difference.
行政には勝てないと言われるけれど、あなたの署名活動が変化を生むかもしれません。

しゅみすけ(大山俊輔)

人の挑戦を止めるためではなく、「相手が大きいから簡単ではない」と状況を説明する用途なら、ニュアンスをつかみやすいでしょう。

簡単な英語で言い換えるなら

You can’t fight City Hall. がすぐ出てこなければ、伝えたい内容に合わせて次のように言えば十分です。

  • It’s hard to change the rules.
    規則を変えるのは難しい。
  • We can’t do much against such a big organization.
    そんな大きな組織を相手に、私たちにできることはあまりありません。
  • They have more power than we do.
    彼らの方が私たちより力を持っています。
  • There’s no point arguing with them.
    彼らと議論しても仕方がありません。

逆に、「難しくても試す価値がある」と伝えたいなら、It may be difficult, but it’s worth trying.(難しいかもしれないけれど、試す価値はある)が使えます。

まとめ

You can’t fight City Hall. は、「個人が役所や大きな権力に対抗するのは難しい」という意味の定型表現です。City Hall は行政や巨大な組織、fight は物理的な争いではなく、決定への異議や制度への抵抗を表します。

少し諦めや皮肉を含むため、相手の挑戦を応援したい場面では使い方に注意しましょう。まずは、複雑な手続きに直面した場面で You can’t fight City Hall. と短く言えるようにすると、自然な感覚がつかめます。

ほかの英熟語や定型表現も知りたい方は、英熟語・定型表現のまとめもあわせてご覧ください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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