
have one’s head in the clouds は、直訳すると「頭が雲の中にある」ですが、実際には「空想にふけっている」「夢見がちで現実を見ていない」という意味の英語イディオムです。
ただ静かに考えているのではなく、目の前の現実や実務から意識が離れている感じがあります。場面によっては愛嬌のある言い方にも、軽い批判にもなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
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have one’s head in the cloudsの意味
主な意味は次の2つです。
- 空想にふけって、目の前のことに集中していない
- 考えや計画が現実離れしている
日本語では「上の空」「夢見がち」「地に足がついていない」「現実を見ていない」などが近い訳です。どの訳が自然かは文脈で決まります。
Ella always has her head in the clouds.
エラはいつも夢見がちです。
You’ve got your head in the clouds if you think we can finish this in one day.
これを1日で終えられると思っているなら、考えが現実離れしています。
なぜ「頭が雲の中」でこの意味になる?
足が地面についていれば、現実の場所や状況をしっかり捉えられます。一方、頭だけが高い雲の中にあれば、目の前の地面や現実は見えません。
この対比から、clouds=空想の世界、ground=現実というイメージが生まれます。そのため、反対に近い表現として have / keep one’s feet on the ground(現実的でいる、地に足をつけている)があります。
語順と文法:one’sは人に合わせて変える
辞書では have one’s head in the clouds と書かれますが、会話で one’s をそのまま使うわけではありません。主語に合わせて所有格を変えます。
- I have my head in the clouds.
- You have your head in the clouds.
- He has his head in the clouds.
- She has her head in the clouds.
- They have their heads in the clouds.
主語が複数なら、それぞれの頭を指すため heads が自然です。
The designers had their heads in the clouds and forgot about the budget.
デザイナーたちは理想ばかり考え、予算を忘れていました。
haveとhave gotの形
会話では have got もよく使われます。ここでの have got は「持っている状態」を表します。
He’s got his head in the clouds again.
彼はまた上の空です。
Get your head out of the clouds. と言えば、「空想から戻って現実を見なさい」という強めの注意になります。
ネイティブが感じるニュアンス
愛嬌のある「夢見がち」
創造力豊かな人や、恋をしてぼんやりしている人について、少しほほ笑ましく言うことがあります。
Since their first date, Mia has had her head in the clouds.
初デート以来、ミアはずっと夢見心地です。
批判的な「現実を見ていない」
仕事・お金・予定など、現実的な判断が必要な場面では批判的になりやすい表現です。
The plan sounds exciting, but you’ve got your head in the clouds about the cost.
その計画は面白そうですが、費用については現実を見ていません。
相手に直接 You have your head in the clouds. と言うと、考えが甘いと非難する響きが出ることがあります。柔らかく言うなら、具体的な懸念を説明する方が安全です。
日常会話で使える自然な例文
仕事
A: Why did Ken miss the deadline?
A:なぜケンは締め切りに遅れたの?
B: He had his head in the clouds and underestimated the workload.
B:彼は考えが現実離れしていて、仕事量を少なく見積もっていたんだ。
学校
I had my head in the clouds during class and missed the homework instructions.
授業中に上の空で、宿題の説明を聞き逃しました。
恋愛
She walked home with her head in the clouds after he asked her out.
彼にデートへ誘われたあと、彼女は夢見心地で家まで歩きました。
旅行
Don’t get your head in the clouds—we still need to book the hotel.
夢ばかり見ていないで。まだホテルを予約しないといけないよ。
家庭
Dad has his head in the clouds if he thinks we can renovate the kitchen this weekend.
今週末だけでキッチンを改装できると思っているなら、父の考えは現実離れしています。

daydream・zone outとの違い
have one’s head in the clouds:空想に意識が向き、現実から離れている
一時的に空想している場合だけでなく、その人の考え方や計画が非現実的という評価にも使えます。
daydream:楽しいことを空想する
daydream は、起きているときに楽しいことや理想の未来を思い描くことです。必ずしも批判ではありません。
I was daydreaming about my next vacation.
次の休暇のことを空想していました。
zone out:注意が切れてぼんやりする
zone out は、疲れや退屈などで意識がぼんやり抜け、周囲の話を聞いていない状態です。楽しい空想をしているとは限りません。
Sorry, I zoned out for a second.
ごめん、一瞬ぼんやりしていました。
詳しい使い分けは、zone outの意味・使い方とspace out・daydreamとの違いでも解説しています。
feet on the groundとの違い
have one’s feet on the ground は、head in the cloudsと反対方向のイメージです。
- head in the clouds:空想的、非現実的
- feet on the ground:現実的、堅実
She dreams big but keeps her feet on the ground.
彼女は大きな夢を持っていますが、考え方は現実的です。
夢を持つこと自体を否定せず、「夢もあるが現実も見ている」と言いたいときに自然な組み合わせです。
日本人が間違えやすいポイント
「雲を見ている」ではない
空を眺めている動作を表すなら look at the clouds です。have one’s head in the cloudsは、通常は比喩として人の意識や考え方を表します。
dreamを持つ人すべてには使わない
将来の目標を持つ人を前向きに褒めるなら、have a dream、be ambitious、think big などが適しています。head in the cloudsには「現実への注意が足りない」という含みが出やすいためです。
一時的な注意散漫と性格を区別する
Her head is in the clouds today. なら今日の一時的な状態、She always has her head in the clouds. なら普段から夢見がちな性格を表します。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
- I wasn’t paying attention.
注意を払っていませんでした。 - She is thinking about other things.
彼女は別のことを考えています。 - His plan is not realistic.
彼の計画は現実的ではありません。 - She dreams a lot and forgets practical things.
彼女はよく夢を見て、現実的なことを忘れます。
自分で会話に使うなら、まずは理由を添えた I had my head in the clouds and missed the announcement.(上の空で、お知らせを聞き逃しました)から覚えると使いやすいでしょう。
関連表現
- be lost in thought:物思いにふけっている
- be in a world of one’s own:自分だけの世界にいる
- space out:ぼんやりする
- build castles in the air:実現性のない空想をする
- come back down to earth:現実に戻る
- keep one’s feet on the ground:現実的でいる
天気や空のイメージを使う英語表現に興味がある方は、天気を使った英語イディオム12選も参考になります。
ほかの定型表現は、英熟語・定型表現のまとめから探せます。
まとめ
have one’s head in the clouds は「空想にふけっている」「現実を見ていない」という意味です。
- one’sはmy・your・his・her・our・theirに変える
- 愛嬌のある「夢見がち」にも、批判的な「考えが甘い」にもなる
- daydreamは楽しい空想、zone outは注意が切れた状態
- 反対に近い表現はkeep one’s feet on the ground
イディオムが出てこなければ、I wasn’t paying attention. や That plan isn’t realistic. と簡単に言い換えれば、伝えたい内容を十分に表現できます。









