
You can’t take it with you. は、直訳すると「それを持っていくことはできない」ですが、定型表現としては「お金や財産は死後の世界へ持っていけない」という意味です。
そこから、「ため込むだけでなく、今の人生や経験、大切な人のために有意義に使おう」という考えを伝えます。ただし「貯金を全部使い切れ」という命令ではありません。
Contents
You can’t take it with you.の意味
自然な日本語では、場面に応じて次のように訳せます。
- お金はあの世まで持っていけないよ
- 財産を永遠に持っていることはできない
- ため込むだけでは意味がない
- 元気なうちに有意義に使おう
文中の it は、前に出た具体的なお金・財産・所有物を指すこともあれば、物質的な富全般を漠然と指すこともあります。with you は「あなたと一緒に」です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「あの世に持っていけない」になる?
この一文だけを見ると、「旅行先に持っていけない」「部屋の外へ持ち出せない」という普通の意味にもなります。しかし、お金・財産・人生の使い方について話しているときは、人生が終わった後まで所有物を持っていくことはできないという比喩的な意味になります。
You can’t take your money with you when you die.
死ぬときにお金を持っていくことはできません。
この長い内容を、文脈上明らかな部分を省いて You can’t take it with you. と言っているわけです。
ネイティブが感じるニュアンス

この表現は、死そのものを重く語るというより、日常会話では「人生には限りがあるのだから、今を大切にしよう」という実用的・前向きなメッセージとして使われます。
よくあるニュアンスは次のとおりです。
- 旅行や趣味など、意味のある経験にお金を使う後押し
- 自分や家族のために適度にお金を使う勧め
- 財産をためることだけが人生の目的ではない、という価値観
- 寄付や人への援助を考えるきっかけ
一方、経済的に苦しい人や将来に不安がある人へ気軽に言うと、「無責任にお金を使え」と聞こえることがあります。相手の事情を尊重する必要があります。
自然な例文
旅行や経験にお金を使う
Let’s take the trip while we’re healthy. You can’t take it with you.
元気なうちに旅行へ行こうよ。お金はあの世まで持っていけないからね。
My parents decided to travel more. They always say, “You can’t take it with you.”
両親はもっと旅行することにしました。いつも「お金はあの世まで持っていけない」と言っています。
I saved for years, but now I want to spend some of it on experiences. You can’t take it with you.
何年も貯金してきたけれど、これからは一部を経験のために使いたい。お金は最後まで持っていけないからね。
家族や大切な人のために使う
Grandpa paid for the whole family vacation. He said you can’t take it with you.
祖父が家族旅行の費用を全部払ってくれました。お金はあの世まで持っていけないと言っていました。
She’d rather help her children now than leave everything untouched. You can’t take it with you.
彼女は、財産をすべて手つかずで残すより、今子どもたちを助けたいと思っています。あの世には持っていけませんから。
買い物を迷っている人へ
A: This camera is expensive, but photography means a lot to me.
A:このカメラは高いけど、写真は私にとって本当に大切なんだ。
B: If you can afford it, enjoy it. You can’t take it with you.
B:無理なく買えるなら、楽しんだらいいよ。お金はあの世まで持っていけないから。
ここで重要なのは If you can afford it(無理なく払えるなら)です。この一言を添えると、浪費を勧めるのではなく、現実的な助言になります。
人助けや寄付について
He gives generously to local charities because he believes you can’t take it with you.
彼は、お金はあの世まで持っていけないと考えているので、地域の慈善団体へ惜しみなく寄付しています。
itは何を指す?
it は単数形ですが、この定型表現では文脈に応じて広い内容を受けます。
You worked hard for that money, but you can’t take it with you.
そのお金のために一生懸命働いたけれど、あの世まで持っていくことはできないよ。
He owns three houses, but he can’t take any of it with him.
彼は家を3軒所有していますが、その財産をどれもあの世へ持っていくことはできません。
主語がheなら、最後は with him。sheなら with her に変わります。
- I can’t take it with me.
- You can’t take it with you.
- She can’t take it with her.
- They can’t take it with them.
literalな意味との見分け方
同じ英文でも、場面によっては単に「それは持っていけない」という文字どおりの意味です。
You can’t take this bottle with you on the plane.
このボトルは飛行機へ持ち込めません。
You can’t take it with you. It belongs to the hotel.
それは持って帰れません。ホテルの備品です。
お金・財産・人生・老後・経験などが話題なら定型表現の可能性が高く、具体的な場所や持ち物の規則が話題なら文字どおりの意味です。
Spend it while you can.との違い
Spend it while you can. は「使えるうちに使いなさい」という、より直接的な勧めです。
- You can’t take it with you.:財産は永遠に所有できない、という理由・人生観
- Spend it while you can.:今使うという行動を直接勧める
- Enjoy life while you can.:できるうちに人生を楽しもう
You can’t take it with you. 自体は、必ずしも今すぐ使うよう命じる表現ではありません。お金の使い方を考える理由を述べています。
You only live once.(YOLO)との違い
どちらも「今を大切にする」という方向へつながりますが、焦点が異なります。
- You can’t take it with you.:お金や所有物は人生の外へ持っていけない
- You only live once.:人生は一度きりなので、機会を逃さず行動する
You only live once. は旅行、挑戦、転職など幅広い行動の後押しに使えます。You can’t take it with you. は特にお金や財産の使い道が中心です。
日本人が注意したいポイント
相手の貯金や節約を否定しない
十分な貯蓄や将来への備えは大切です。この表現を使うときも、相手の経済状況を知らずに高額な出費を勧めないようにしましょう。
If it fits your budget, why not enjoy it?
予算に合うなら、楽しんでもいいんじゃない?
このように条件を添えると、無責任な印象を避けられます。
深刻な場面では軽く言いすぎない
相続、病気、死別などの話題では、ことわざのように軽く使うと配慮を欠く場合があります。家族同士で人生観を話す場面や、本人が明るく話している流れのほうが自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
思い出せないときの簡単な言い換え
この表現が出てこなくても、基本的な英語で意味を説明できます。
- Money isn’t everything.
お金がすべてではありません。 - Use some of your money and enjoy life.
お金の一部を使って、人生を楽しんで。 - You can’t keep your money forever.
お金を永遠に持っていることはできません。 - Spend money on things that matter to you.
自分にとって大切なことにお金を使って。 - It’s okay to use your savings if you can afford it.
無理がないなら、貯金を使っても大丈夫です。
まとめ
You can’t take it with you. は「お金や財産はあの世まで持っていけない」という意味で、今の人生、経験、大切な人のために有意義に使うことを促す定型表現です。
ただし、貯金を使い切るよう命じる表現ではありません。相手の事情に配慮し、If you can afford it などを添えると自然で思いやりのある言い方になります。
ほかの表現は、英熟語・定型表現の親記事で確認できます。









