
the whole nine yardsは、「何もかも全部」「一切合切」「省略せず徹底的に」という意味の英語イディオムです。
たとえば、パーティーに料理・飾り・音楽・プレゼントまで全部そろえたときや、事情を最初から最後まで詳しく話してほしいときに使えます。この記事では、名詞のように使う形とgo the whole nine yardsの使い方、go all outやall the wayとの違いを整理します。
Contents
the whole nine yardsの意味
the whole nine yardsは、ある物事に含まれる「全部」「必要なもの一式」「細部まで含めたすべて」を表します。
For the wedding, they had flowers, a live band, fireworks—the whole nine yards.
結婚式には花、生演奏のバンド、花火まで、何もかもそろっていました。
この文では、実際に9ヤードの長さを測っているわけではありません。the whole nine yards全体で、「思いつくものが全部入った完全版」というまとまりです。
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
単なるeverythingよりも、the whole nine yardsには「細かい部分まで抜かりなく」「出し惜しみせず全部」という強調があります。
また、少しくだけた、映像的で勢いのある表現です。日常会話、インタビュー、広告、カジュアルな仕事の会話などで使えますが、契約書や厳密な報告書ではall detailsやthe complete packageのほうが明確です。
We booked the premium package: meals, airport transfers, guided tours—the whole nine yards.
食事、空港送迎、ガイドツアーまで付いた、全部入りのプレミアムプランを予約しました。
よく使う2つの形

1.give 人 the whole nine yards
give+人+the whole nine yardsは、「人に事情や詳細を全部伝える」という形です。giveの後ろには、話を受け取る人を置きます。
Don’t skip the awkward part. Give me the whole nine yards.
気まずかった部分も省かないで。何があったのか全部話して。
The consultant gave us the whole nine yards—costs, risks, and the timeline.
コンサルタントは、費用・リスク・日程まで詳しく全部説明してくれました。
会話ではGive me all the details.やTell me everything.のほうがシンプルです。the whole nine yardsを使うと、「省略なしで全部お願い」というくだけた強調になります。
2.go the whole nine yards
go the whole nine yardsは、「必要なことを全部やる」「中途半端にせず徹底的にやる」という意味です。
We could repaint one wall, but why not go the whole nine yards and redo the entire room?
壁を一面だけ塗り直すこともできますが、せっかくなら部屋全体を徹底的に改装しませんか。
For her first product launch, she went the whole nine yards.
初めての商品発売で、彼女は準備を徹底的に行いました。
過去形はwent the whole nine yardsです。行動の範囲を「全部」に広げる感覚があります。
日常会話で使える例文
仕事
The client wants the whole nine yards: research, design, testing, and training.
クライアントは、調査・設計・テスト・研修まで全部を希望しています。
旅行
It was our honeymoon, so we went the whole nine yards and booked an ocean-view suite.
新婚旅行だったので、奮発してオーシャンビューのスイートまで予約しました。
家庭・暮らし
My sister didn’t just bake a cake. She made invitations, decorations, and party favors—the whole nine yards.
姉はケーキを焼いただけではありません。招待状、飾り、手土産まで何もかも用意しました。
恋愛・人間関係
A: How did your date go?
A:デート、どうだった?
B: I’ll give you the whole nine yards over coffee.
B:コーヒーを飲みながら、最初から最後まで全部話すよ。
学校・学習
The final project needs sources, charts, interviews—the whole nine yards.
最終課題には、資料、グラフ、インタビューまで全部必要です。
go all outとの違い
go all outは、「全力を尽くす」「力を出し切る」という意味です。中心にあるのは努力・熱量の大きさです。
The team went all out to win the final.
チームは決勝に勝つため全力を尽くしました。
go the whole nine yardsの中心は、必要な項目や工程を省かず、範囲を全部カバーすることです。
We went the whole nine yards and checked every document.
私たちは徹底的に進め、すべての書類を確認しました。
- go all out:力の全部を出す
- go the whole nine yards:必要な範囲を全部やる
全力で全部やる場面では両方のニュアンスが重なることもあります。詳しくは、go all outの意味と使い方も参考にしてください。
all the wayとの違い
all the wayは、「最初から最後まで」「目的地までずっと」「完全に」という、距離や進行の端まで届く感覚です。
We drove all the way to Kyoto.
私たちは京都まではるばる車で行きました。
the whole nine yardsは、距離ではなく、ある計画・説明・準備などに含まれる内容が「全部そろっている」ことを強調します。
She planned the venue, food, music—the whole nine yards.
彼女は会場、料理、音楽まで何もかも計画しました。
all the wayの用法は、all the wayの意味と使い方で詳しく解説しています。
the whole shebangとの違い
the whole shebangも、「一切合切・何もかも全部」という意味の非常に近い口語表現です。
We bought the furniture, appliances, and the whole shebang.
家具、家電、そのほか一式を全部買いました。
意味はかなり近いですが、shebangは単語自体がさらにくだけて聞こえます。迷った場合はeverythingやthe complete packageに言い換えると安全です。
由来は「9ヤードの何」?
この表現にはさまざまな由来説がありますが、決定的な説明は定まっていません。そのため、「nine yardsは必ず何か特定の物の長さを指す」と覚える必要はありません。
英会話では、the whole nine yards=全部・完全版というチャンクで覚えるのが実用的です。由来を推測して意味を組み立てるより、よく使われる文の形ごと身につけましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
- wholeの前にtheを置く:基本形はthe whole nine yardsです。
- yardを複数形にする:nine yardではなくnine yardsです。
- 数字を直訳しない:会話では長さではなく「全部」を表します。
- goの後ろにtoを入れない:go to the whole nine yardsではなくgo the whole nine yardsです。
- フォーマル度に注意:正式文書ではall detailsやthe full scopeのほうが明確です。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
このイディオムを思い出せなくても、基本語で十分に伝えられます。
- Tell me everything.(全部話して)
- Give me all the details.(詳しいことを全部教えて)
- We did everything.(私たちは全部やりました)
- We didn’t skip anything.(何も省きませんでした)
- It includes everything.(すべて含まれています)
「誰が何を全部したのか」を直接言えば、難しいイディオムを使わなくても意味は伝わります。
まとめ
the whole nine yardsは、「何もかも全部」「必要なもの一式」「省略せず徹底的に」という意味です。
- give 人 the whole nine yards:人に事情や詳細を全部伝える
- go the whole nine yards:必要なことを省かず全部やる
- go all out:力を出し切って全力でやる
- all the way:距離・過程の端まで進む
まずは、詳しい話を聞きたいときのGive me the whole nine yards.と、徹底的に取り組むWe went the whole nine yards.の2つを覚えておきましょう。
ほかの表現も確認したい方は、英熟語・定型表現の一覧をご覧ください。









