
日常会話で何気なく使う「こする」は、英語では場面を見ずに一語へ置き換えることができません。体のどこが動くのか、何を対象にするのか、ゆっくりした動作か反射的な動作かによって、自然な表現が変わるためです。
先に結論を整理すると、中心表現は rub です。ただし、汚れを落とすため力を入れてこする場合は scrub、摩擦で皮膚などが擦れる・ひりつく場合は chafe が合います。この記事では、意味・語順・前置詞・日常会話と仕事での使い分けまで例文で確認します。
| 表現 | 中心的な使い方 |
|---|---|
| rub | 手や布で表面を往復してこする |
| scrub | 汚れを落とすため力を入れてこする |
| chafe | 摩擦で皮膚などが擦れる・ひりつく |
Contents
「こする」の基本表現は rub
rub は「手や布で表面を往復してこする」ときに使う、最初に覚えたい表現です。日本語訳だけでなく、目の前で起きている動きと一緒に覚えると応用しやすくなります。
- Rub your hands together to warm them.
手をこすり合わせて温めてください。 - She scrubbed the pan with a brush.
彼女はブラシで鍋をごしごしこすりました。
英語では、動作のあとに場所・方向・目的を加えるのが基本です。「どこで」「何に対して」「何のために」を続ければ、日本語の説明を一語に詰め込まずに済みます。
scrubを使う場面
scrub は「汚れを落とすため力を入れてこする」という場面に向いています。基本表現と似ていても、話し手が注目している部分が違います。
- These shoes chafe my heels.
この靴はかかとが擦れて痛いです。 - Don’t rub your eyes.
目をこすらないでください。
chafeを使う場面
chafe は「摩擦で皮膚などが擦れる・ひりつく」ことを具体的に伝えます。場面がはっきりしているほど、一語ずつの違いも理解しやすくなります。
- I scrubbed the stain, but it didn’t come off.
染みをこすりましたが落ちませんでした。 - The strap was chafing my shoulder.
ストラップが肩に擦れていました。
しゅみすけ(大山俊輔)

3つの表現を使い分ける判断手順
まず、単純に「こする」という動作を説明するなら rub を候補にします。次に、汚れを落とすため力を入れてこすることを強調したいなら scrub、摩擦で皮膚などが擦れる・ひりつくことが中心なら chafe を選びます。
日本語の同じ動詞に英語を当てるのではなく、実際の動きを短く分解するのがポイントです。会話中に迷ったときは、最も具体的に目に見える部分から表現してください。
自動詞・他動詞、目的語と前置詞
rub A with B は「BでAをこする」、rub A against B は「AをBにこすりつける」です。scrub は掃除する対象を直接取ります。chafe は物を主語にして The collar chafes my neck. とも言えます。
動詞の直後に目的語が必要か、場所や原因を前置詞で続けるかを、例文全体で覚えましょう。日本語では目的語を省略できますが、英語では「誰が何をどうしたか」を明示するほど自然になります。
日常会話で使える例文
- Rub your hands together to warm them.
手をこすり合わせて温めてください。 - She scrubbed the pan with a brush.
彼女はブラシで鍋をごしごしこすりました。 - These shoes chafe my heels.
この靴はかかとが擦れて痛いです。 - Don’t rub your eyes.
目をこすらないでください。 - I scrubbed the stain, but it didn’t come off.
染みをこすりましたが落ちませんでした。 - The strap was chafing my shoulder.
ストラップが肩に擦れていました。
会話では長い説明を一度に言う必要はありません。最初に動作を短く伝え、そのあとに理由や場所を足すと、言い直しもしやすくなります。
仕事・接客・旅行で使うとき
仕事では、動作を指示するときに理由や安全上の目的を添えると丁寧です。命令形だけが強く聞こえる場合は、Please、Could you …?、Make sure you … などを使います。
- Could you rub this spot gently?
少しこするようにしてもらえますか。 - Please be careful when you scrub.
こするときは気をつけてください。 - Let me show you how to do it safely.
安全なやり方をお見せします。
日本人が間違えやすいポイント
掃除で軽く拭く wipe と、摩擦を加える rub・scrub は違います。表面の液体を取るなら wipe、往復して力を加えるなら rub / scrub です。
辞書に同じ日本語訳が載っていても、すべての場面で交換できるわけではありません。主語、対象、動作の速さ、感情の有無まで含めて例文を選びましょう。
この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】
専門的な動詞が出てこなくても、会話を止める必要はありません。「何がどちらへ動いたか」「何がどうなったか」「なぜそうしたか」を基本語で説明できます。
- Move the cloth back and forth.
布を前後に動かしてください。 - Clean it hard with a brush.
ブラシで強く洗ってください。 - The shoe keeps touching my skin and it hurts.
靴が皮膚に何度も当たって痛いです。
move・put・make・go・get のような基本動詞と、up・down・back・side などの方向語を組み合わせれば、ぴったりの単語を忘れても状況は伝わります。さらに目的をもう一文で足すと、相手が動作を想像しやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連する動作表現
体の上下や姿勢に関する表現は、こちらの関連表現の記事も参考になります。また、似た方向・動作の違いは、もう一つの関連解説と比べると理解しやすくなります。
まとめ
- rub:手や布で表面を往復してこする
- scrub:汚れを落とすため力を入れてこする
- chafe:摩擦で皮膚などが擦れる・ひりつく
「こする」を英語にするときは、日本語に一対一で対応する単語を探すのではなく、動き・対象・目的を見ます。まず rub を基本にし、場面に応じて scrub と chafe を選びましょう。表現を忘れたときも、基本動詞で起きたことを順番に説明すれば伝えられます。
場面を見て「こする」の英語を選ぶ練習
表現の違いを定着させるには、日本語訳を暗記するより、短い場面を思い浮かべて選ぶ練習が効果的です。「目や手を軽くこする場面、鍋や床の汚れをごしごし落とす場面、衣類や靴が皮膚に擦れて痛む場面」を別々の映像として考えてみましょう。
場面1:まず基本動作を伝える
特別な感情や結果を強調せず、目に見える基本動作を説明するなら rub を中心にします。相手が状況を知らないときは、場所や対象をあとに足します。
- I rubbed the spot when I noticed it.
それに気づいたとき、私はこする動作をしました。 - She began to rub the spot slowly.
彼女はゆっくりこする始めました。
場面2:動き方や目的を強調する
scrub を使うと、基本動作だけでは伝わりにくい動き方や目的をはっきり示せます。一方、chafe は別の対象・結果・姿勢に焦点を移します。同じ日本語訳でも、話し手が何を見ているかによって選択が変わります。
- She had to scrub because there wasn’t much space.
十分な空間がなかったため、彼女はその動作をする必要がありました。 - He had to move it so that everyone could see what he was doing.
全員に動作が見えるよう、彼は姿勢を変えました。
現在形・過去形・進行形で言う
今まさに動いているところなら進行形、起きた出来事を順に話すなら過去形を使います。習慣や一般的な注意は現在形・命令形が自然です。
| 場面 | 英語の形 | 考え方 |
|---|---|---|
| 今している | She is rubbing it. | be動詞+ingで進行中の動作 |
| さっきした | She rubbed. | 過去形で一度の出来事 |
| 指示する | Don’t rub your eyes. | 必要に応じてpleaseやCould youを加える |
複数語の表現は、中心となる動詞だけを時制変化させます。前置詞や方向語まで変化させる必要はありません。長い文にする前に、まず短い動作文を正確に作りましょう。
「こする」についてのFAQ
どの表現を最初に覚えればよいですか?
まずは rub を基本として覚えてください。そのうえで、動作の目的が違うときに scrub、対象や結果が違うときに chafe を選ぶと整理しやすくなります。
一つの場面で複数の表現が使えることはありますか?
あります。人の動きは連続しているため、見る部分が違えば別の動詞で説明できます。ただし、どの表現でもまったく同じ意味になるわけではありません。姿勢、方向、接触、速さ、感情のうち、会話で重要な部分を選びます。
前置詞まで覚える必要がありますか?
単語だけでなく、よく続く前置詞や目的語とのまとまりで覚えるのがおすすめです。「動詞+対象」「動詞+方向」「動詞+場所」を一つの短い例文として声に出すと、実際の会話で再現しやすくなります。
注意すべき点はありますか?
wipe は拭き取る、rub は摩擦、scrub は強い掃除動作点に注意してください。日本語訳が似ていても、英語では別の場面を思い浮かべる場合があります。
短い会話で確認
A: What happened?
どうしたの?
B: I had to rub for a moment.
少しこする必要があったの。
A: Are you okay?
大丈夫?
B: Yes, I’m fine. I was just being careful.
うん、大丈夫。ちょっと気をつけていただけ。
このように、最初の一文で動作を伝え、続く一文で理由や結果を説明すれば、難しい表現を一度に組み立てなくても自然な会話になります。










