
日本語の「譲る」は、英語では場面によって let someone have、give up、yield などを使い分けます。結論から言うと、物・席・機会を相手に使わせる、渡すなら let someone have、自分の権利・順番・主張を手放すなら give up、道・優先権・立場を相手に譲るなら yield が基本です。
この記事では、日常会話と仕事の両方で使えるように、意味の違い、目的語、前置詞、自然な語順、よくある間違い、難しい語が出てこないときの言い換えまで例文付きで整理します。
Contents
「譲る」の英語をまず3秒で選ぶ
| 英語 | 中心イメージ | 選ぶ場面 |
|---|---|---|
| let someone have | 物・席・機会を相手に使わせる、渡す | my seat / the last piece / the opportunity |
| give up | 自分の権利・順番・主張を手放す | my seat / my claim / the right |
| yield | 道・優先権・立場を相手に譲る | to traffic / to pressure / ground |
しゅみすけ(大山俊輔)
let someone have・give up・yieldの違い
let someone have:物・席・機会を相手に使わせる、渡す
let someone have は「物・席・機会を相手に使わせる、渡す」ときに自然です。よく組み合わせる形は my seat / the last piece / the opportunity です。日本語の「譲る」だけを見て選ぶのではなく、話し手が何をしているか、どこに焦点を置くかを確認しましょう。
- I let the child have my window seat.
子どもに窓側の席を譲りました。 - I’ll let you have the last cookie.
最後のクッキーはあなたに譲ります。
give up:自分の権利・順番・主張を手放す
give up は「自分の権利・順番・主張を手放す」ときに自然です。よく組み合わせる形は my seat / my claim / the right です。日本語の「譲る」だけを見て選ぶのではなく、話し手が何をしているか、どこに焦点を置くかを確認しましょう。
- She gave up her seat for an older passenger.
彼女は年配の乗客に席を譲りました。 - He refused to give up his claim.
彼は自分の権利を譲ろうとしませんでした。
yield:道・優先権・立場を相手に譲る
yield は「道・優先権・立場を相手に譲る」ときに自然です。よく組み合わせる形は to traffic / to pressure / ground です。日本語の「譲る」だけを見て選ぶのではなく、話し手が何をしているか、どこに焦点を置くかを確認しましょう。
- Drivers must yield to pedestrians.
運転者は歩行者に道を譲らなければなりません。 - Neither side was willing to yield.
どちら側も譲ろうとしませんでした。

場面別:「譲る」を自然な英語にする
| 日本語の場面 | 自然な英語 |
|---|---|
| 席を人に譲る | give up my seat for someone |
| 最後の一つを譲る | let someone have the last one |
| 道を譲る | yield to traffic / give way |
| 順番を譲る | let someone go first |
| 主張を譲る | yield on a point |
| 機会を譲る | let someone have the opportunity |
同じ日本語でも、日常会話では短く具体的な動作を言うほうが自然で、仕事では対象や目的を明示する表現が好まれます。主語を人にするのか、制度・質問・状況などにするのかでも動詞が変わります。
語順・目的語・前置詞のポイント
英語では動詞だけでなく、その後ろの形までセットで覚えるのが近道です。今回の基本形は次の三つです。
- let someone have + my seat / the last piece / the opportunity
- give up + my seat / my claim / the right
- yield + to traffic / to pressure / ground
日本語では目的語を省略できますが、英語では「誰が」「何を」「誰に」を補う必要があります。特に人と物の両方を置く表現は、語順や前置詞を丸ごと例文で覚えましょう。
日常会話と仕事での使い分け
日常会話では、難しい語を使わず状況をそのまま説明しても十分伝わります。一方、メール・会議・報告書では、対象を明確にして簡潔に言うと誤解が減ります。丁寧さが必要な場面では、命令文を避けて Could you …?、We need to …、It may be better to … などで調整できます。
フォーマルな単語を使うことより、誰が何をどうするのかを明確にするほうが大切です。短い動詞でも、目的語と理由が具体的なら十分に仕事で使えます。
日本人が間違えやすいポイント
- give は単に「与える」で、譲歩や優先権の意味までは出ないことがあります。
- yield は交通では yield to + 人・車。アメリカ英語の道路標識にも使われます。
- give up は「諦める」の意味もあるので、何を譲るか目的語を明確にします。
和英辞典の最初の訳だけで決めると、意味は近くても場面に合わないことがあります。「開始か継続か」「人の意思か状況の作用か」「正式な処理か会話か」のように、動作の中身を一段細かく分けてください。
しゅみすけ式:難しい単語が出ないときの言い換え
let someone have、give up、yield がすぐ出てこなくても問題ありません。基本動詞で目的・結果を説明すれば、会話は止まりません。
- You can have my seat.
私の席をどうぞ。 - You can go first.
先にどうぞ。 - I changed my position and agreed with her.
立場を変えて彼女に同意しました。
しゅみすけ(大山俊輔)
短い会話で確認
A: There’s only one ticket left.
チケットが一枚しか残っていません。
B: You can have it. I’ll go next time.
あなたに譲ります。私は次回行きます。
よくある質問
一番一般的な表現はどれですか?
文脈なしで一語に固定することはできません。ただし、まず let someone have の中心イメージを押さえ、意味が合わないときに give up や yield へ切り替えると実用的です。
ビジネスでは難しい表現を使うべきですか?
いいえ。正確な対象と期限を添えた簡単な英語のほうが伝わります。専門語は、意味を短くできるときに使いましょう。
自動詞と他動詞はどう見分けますか?
目的語を直接置くか、前置詞が必要かを辞書の例文で確認します。単語だけでなく let someone have + 目的語 のような塊で覚えるとミスを減らせます。
関連表現
あわせてgive way to の意味と使い方も確認すると、近い表現との違いが整理できます。
席・順番・意見では英語の形が変わる
席を譲るなら offer someone my seat も自然です。She offered an elderly man her seat. は「年配の男性に席を譲った」。順番なら let someone go ahead、発言機会なら let someone speak first と、相手に許す動作を具体的に説明できます。
議論で一歩譲る場合は concede が使えます。I concede that your plan is cheaper. は「あなたの案のほうが安い点は認めます」。これは全面的な同意ではなく、一点を認めて譲歩する語です。compromise は双方が譲り合って妥協点を探すこと。誰が何を手放したのかまで示すと、give up、yield、concede の違いがはっきりします。
例文で仕上げる:どの表現を選ぶ?
最後に、主語と目的語を変えた例で確認しましょう。まず日本語を見たときに「どんな行動か」を一言で説明し、その後で動詞を選びます。単語から考え始めるより、場面から考えるほうが自然な英語になります。
let someone have を選ぶ例
I let my brother have the bigger room.
広い部屋を弟に譲りました。 この文では、let someone have の中心イメージが合います。
give up を選ぶ例
She gave up her place in line for me.
彼女は私に列の順番を譲りました。 ここでは、give up が動作の性質を最も具体的に示します。
yield を選ぶ例
The cyclist yielded to the bus.
自転車はバスに道を譲りました。 この場面は、yield を使うと焦点が明確です。
英作文のセルフチェック
- 主語は人ですか、それとも出来事・制度・物ですか。
- 動作は始まる、続く、完了するのどこにありますか。
- 相手、対象、目的を英語で明示しましたか。
- 必要な前置詞を動詞とセットで入れましたか。
- 強すぎる・硬すぎる表現になっていませんか。
一度で完璧な単語を探す必要はありません。まず簡単な文を作り、必要なら中心動詞だけを置き換えます。声に出して三つの例文を読み、目的語を自分の仕事や生活に置き換えると定着しやすくなります。
覚え方:相手に使わせるなら let、こちらが手放すなら give up、優先権を認めるなら yield と考えます。交通、席、意見の三場面を声に出して練習すると、主語の置き方まで自然に身につきます。
まとめ
- let someone have:物・席・機会を相手に使わせる、渡す
- give up:自分の権利・順番・主張を手放す
- yield:道・優先権・立場を相手に譲る
「譲る」を英語にするときは、日本語に一語を当てるのではなく、動作の目的、対象、強さ、場面を確認します。迷ったら基本動詞で状況を説明し、会話を続けることを優先しましょう。










