
punch someone in the face は、「人の顔をこぶしで殴る」という意味です。
日本語から直訳すると punch someone’s face と言いたくなりますが、英語では動作を受ける人を先に置き、そのあとに in the face で当たった場所を示す語順がとても自然です。
この記事では、punch him in the face の語順、in / on と定冠詞 the を使う理由、hit・strike・slap との違いを解説します。
Contents
punch someone in the faceの意味と語順
基本の形は次のとおりです。
punch + 人 + in the face
人の顔をこぶしで殴る
- He punched the attacker in the face.
彼は襲ってきた人物の顔を殴りました。 - She punched him in the face during the fight.
彼女はけんかの最中に彼の顔を殴りました。 - The boxer was punched in the face.
そのボクサーは顔を殴られました。
someone の部分には、him・her・me・the man など、動作を受ける人を置きます。その人のどこに動作が当たったかを、in the face で付け加えています。

なぜpunch his faceではなくpunch him in the face?
英語では、人の体の一部に何かをする場合、次の形がよく使われます。
動詞 + 人 + 前置詞 + the + 体の部位
- punch him in the face:彼の顔を殴る
- hit her on the head:彼女の頭を打つ
- pat him on the shoulder:彼の肩を軽くたたく
- grab me by the arm:私の腕をつかむ
まず him / her / me で「誰が動作を受けたか」を示し、次に体の部位を場所として説明します。日本語の「彼の顔」「彼女の頭」のように、所有格を最初に組み立てる発想とは異なります。
punch his face も文法的に成立する場面はありますが、顔そのものを直接の対象として強く意識する響きになります。人が攻撃を受けたことを自然に伝えるなら、punch him in the face が基本です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜhisではなくtheを使う?
him ですでに体の持ち主が誰か分かっているため、通常は his face ではなく the face とします。
○ He punched him in the face.
彼は彼の顔を殴りました。
△ He punched him in his face.
後者も特別な対比があれば使われる可能性はありますが、通常の状況では所有者を二度示すように聞こえます。him を置いた時点で誰の顔か明確なので、the が自然です。
in the faceのinは「範囲の中に当たる」
in には「範囲の内側」という基本的な感覚があります。in the face では、顔という面・範囲の中に打撃が入るイメージです。
- hit someone in the face:人の顔を打つ
- punch someone in the stomach:人の腹部を殴る
- kick someone in the leg:人の脚を蹴る
- shoot someone in the arm:人の腕を撃つ
ただし、体の部位に使う in / on は完全に機械的なルールだけで決まるわけではなく、よく使われる組み合わせとして覚えることも大切です。
inとonはどう使い分ける?
大まかには、打撃が部位の範囲に入る感覚ならin、表面の一点に触れる感覚ならon が使われやすくなります。
| inが自然な例 | onが自然な例 |
|---|---|
| punch him in the face | hit him on the head |
| hit her in the eye | pat her on the shoulder |
| kick him in the stomach | tap him on the arm |
| shoot her in the leg | kiss him on the cheek |
特に、pat / tap / kiss のように表面へ軽く接触する動作では on が自然です。顔・目・腹部などへ打撃が入る場合は in がよく使われます。
punch・hit・strike・slapの違い
punch:こぶしで殴る
punch は、握ったこぶしで強く打つ動作です。手段がはっきりしているため、hit より具体的です。
- He punched the bag as hard as he could.
彼はサンドバッグを力いっぱい殴りました。 - Someone punched him in the face outside the club.
クラブの外で、誰かが彼の顔を殴りました。
hit:広い意味で「打つ・当たる」
hit は、手、物、ボール、車などが人や物に当たることを広く表します。こぶしとは限りません。
- The ball hit me in the face.
ボールが私の顔に当たりました。 - He hit his head on the shelf.
彼は棚に頭をぶつけました。 - She hit him in the arm.
彼女は彼の腕を打ちました。
hit の過去形・過去分詞も hit です。hitted にはしません。
strike:硬めの「打つ・襲う」
strike は hit に近い意味ですが、文章、ニュース、公式な説明などで使われやすい硬めの語です。意図的な一撃だけでなく、物が衝突する場合にも使えます。
- The victim was struck in the face.
被害者は顔を殴られました。 - A falling object struck him on the head.
落下物が彼の頭に当たりました。
過去形・過去分詞は struck です。ニュースでは、誰が何で殴ったかがまだ不明な場合にも使われます。
slap:平手でたたく
slap は、開いた手のひらで素早くたたく動作です。こぶしを使う punch とは異なります。
- She slapped him in the face.
彼女は彼の顔を平手打ちしました。 - He slapped the table in frustration.
彼はいら立ってテーブルを平手でたたきました。
slap someone across the face もよく使われます。across には、平手が顔を横切るような動きが感じられます。
punch・hit・strikeを例文で比較
| 英文 | 伝わる内容 |
|---|---|
| He punched me in the face. | 彼がこぶしで私の顔を殴った |
| He hit me in the face. | 彼が私の顔を打った。方法は文脈次第 |
| He struck me in the face. | 彼が私の顔を打った。硬め・文章的 |
| He slapped me in the face. | 彼が私の顔を平手打ちした |
日常会話で方法を限定せず「殴られた」と言うなら hit、こぶしだったことを明確にするなら punch が使いやすい選択です。
受動態ではどう言う?
殴られた人を主語にする場合は、受動態を使います。
- I was punched in the face.
私は顔を殴られました。 - He was hit in the eye by a ball.
彼はボールが目に当たりました。 - She was struck on the head.
彼女は頭を打たれました。 - He was slapped across the face.
彼は顔を平手打ちされました。
受動態では、動作を受けた人がすでに主語になっているため、in the face の前に him / her は置きません。
事故・スポーツ・被害報告で使う例文
ボクシング・格闘技
- He took a punch to the face in the second round.
彼は第2ラウンドで顔にパンチを受けました。 - The rules do not allow fighters to strike the back of the head.
ルールでは、選手が後頭部を打つことは認められていません。
事故や思わぬ接触
- A branch hit me in the face while I was hiking.
ハイキング中、枝が私の顔に当たりました。 - My phone slipped and hit me on the nose.
スマートフォンが滑って、鼻に当たりました。
警察・病院で事情を説明する
- A man punched me in the face and took my wallet.
男に顔を殴られ、財布を奪われました。 - I was struck in the face, but I didn’t lose consciousness.
顔を殴られましたが、意識は失いませんでした。 - I have pain around my left eye after being hit.
殴られたあと、左目の周りが痛みます。
緊急時には、難しい表現より He hit me.(彼に殴られました)や I was hit here.(ここを殴られました)と伝え、場所を指し示すだけでも十分役立ちます。
比喩的なa punch in the face
a punch in the face は文字どおり「顔への一撃」ですが、比喩的に「強烈なショック」「ひどい仕打ち」を表すこともあります。
- The rejection felt like a punch in the face.
その不採用通知は、顔を殴られたようなショックでした。 - After years of hard work, the decision was a punch in the face.
何年も努力してきたあとだけに、その決定はひどい仕打ちに感じられました。
feel like a punch in the face の形は、予想外の知らせや裏切りなどによる強い精神的ショックを伝えます。
日本人が間違えやすいポイント
1.人を抜かさない
○ He punched me in the face.
× He punched in my face.
punch の直後には、まず動作を受けた人を置きます。
2.my faceではなくthe faceが基本
○ He punched me in the face.
△ He punched me in my face.
me があるので、誰の顔かはすでに分かります。通常は the face とします。
3.punchとhitを同じだと思わない
punch はこぶしで殴る動作に限定されます。ボールや枝が顔に当たった場合は hit を使います。
○ The ball hit me in the face.
× The ball punched me in the face.
4.顔を打った場所ならonよりinが基本
punch someone in the face が定番の組み合わせです。on the face を機械的に作らず、まずはこのまとまりで覚えましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
| 言いたいこと | 簡単な表現 |
|---|---|
| 男に顔を殴られました | A man hit me in the face. |
| ここを殴られました | I was hit here. |
| ボールが顔に当たりました | The ball hit my face. |
| 彼女は彼を平手打ちしました | She hit him with an open hand. |
punch・strike・slap が思い出せなくても、hit と体の部位を組み合わせれば状況を説明できます。
短い会話で確認
A: What happened to your eye?
目、どうしたの?
B: I was hit in the face by a ball during practice.
練習中にボールが顔に当たったんだ。
Officer: Can you describe what happened?
何が起きたか説明できますか?
Traveler: A man punched me in the face and grabbed my bag.
男に顔を殴られて、バッグを奪われました。
まとめ
punch someone in the face は、「人の顔をこぶしで殴る」という意味です。
- punch + 人 + in the face の語順にする
- 人を置いたあとは、所有格ではなく the face が基本
- punch はこぶし、hit は広い意味の「打つ」
- strike は硬め、slap は平手打ち
- 表面への軽い接触では on がよく使われる
まずは He punched me in the face. と The ball hit me in the face. を比べて、動作を受ける人を先に置く英語の型を身につけましょう。
ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の総合ガイドもご覧ください。








