
coverは「覆う」と習ったのに、英語では「話題を扱う」「出来事を報道する」「費用を負担する」という意味でも使われます。日本語にすると別々ですが、英語で見えている景色には共通点があります。
結論からいうと、coverの中心には「対象に広がり、必要な範囲をおおう」という感覚があります。布なら物の表面をおおい、授業なら必要な話題の範囲を扱い、報道なら出来事を追って伝え、費用なら必要額を満たします。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
coverの主な意味を先に整理
| 意味 | 見えている景色 | 例 |
|---|---|---|
| 物を覆う | 表面に広がって見えなくする・守る | Cover the food. |
| 話題を扱う | 必要な内容の範囲に触れる | This course covers grammar. |
| 出来事を報道する | 現場や出来事を追って伝える | She covered the election. |
| 費用をまかなう | 必要な金額の範囲を満たす | The fee covers lunch. |
従来の辞書的な説明では、これらはcoverの複数の語義として並びます。それ自体は正確ですが、訳語だけでは「なぜ同じ単語なのか」が分かりにくいところがあります。
コアイメージは「必要な範囲をおおう」

最も目に見えやすいのは、布やふたが物の表面に広がる場面です。
She covered the baby with a blanket.
彼女は赤ちゃんに毛布をかけました。
毛布が赤ちゃんの上に広がり、必要な部分をおおっています。この物理的な景色が、目に見えない「内容」「情報」「費用」にも広がります。
ただし、すべての用法を一つの図だけで厳密に説明できるという意味ではありません。ここでは、学習者が複数の意味を結びつけやすい見方として紹介します。
なぜcoverが「話題を扱う」になるの?
We covered three topics in today’s lesson.
今日のレッスンでは三つの話題を扱いました。
授業や本が、決められた内容の範囲にわたって触れていく場面です。「話題の上に布をかける」と直訳するのではなく、内容の必要範囲をカバーすると捉えると自然です。
Does this book cover business email?
この本はビジネスメールを扱っていますか。
このcoverは、単に話題を一度口にすることより、そのテーマを内容として含み、説明する感覚があります。
なぜcoverが「報道する」になるの?
The reporter is covering the election.
その記者は選挙を取材・報道しています。
記者が出来事の現場、関係者、経過など、ニュースとして必要な範囲を追って伝えます。そのためcoverは、日本語では文脈に応じて「取材する」「報道する」の両方になりえます。
Several newspapers covered the story.
複数の新聞がそのニュースを報じました。
interviewのように特定の人へ質問する行為だけではなく、出来事全体を報道対象として扱うのがcoverです。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜcoverが「費用を負担する」になるの?
The company will cover your travel expenses.
会社があなたの旅費を負担します。
ここでは、会社が必要な費用の範囲をお金で満たします。日本語の「カバーする」にも近い用法ですが、英語では日常会話や仕事でごく自然に使われます。
Does the price cover breakfast?
その料金には朝食代が含まれていますか。
This amount won’t cover the repair.
この金額では修理代をまかなえません。
主語は人や会社だけではありません。料金・保険・金額などが主語になり、「必要額に届く」という結果を表すこともできます。
coverとpay forの違い
| 表現 | 焦点 | 例 |
|---|---|---|
| pay for | 代金を支払う行為 | I paid for dinner. |
| cover | 必要な費用の範囲を負担・充足すること | I’ll cover dinner. |
I’ll pay for dinner.は「私が夕食代を払います」。I’ll cover dinner.も似た場面で使えますが、「その費用はこちらで持つ」という負担範囲に焦点があります。
また、coverは必ず全額とは限りません。
The insurance covers part of the cost.
保険が費用の一部を補償します。
全額ならcover the full cost、一部ならcover part of the costのように範囲を明示できます。
日本人が間違えやすいポイント
cover aboutとは通常いわない
「〜について扱う」と考えてaboutを足したくなりますが、coverは対象をそのまま目的語に取れます。
○ The class covers basic grammar.
× The class covers about basic grammar.
「隠す」はいつもcoverではない
布などで物理的に覆うならcoverが自然です。しかし、秘密や事実を意図的に隠すならhide、不正などを隠蔽するならcover upが使われます。
He tried to hide the truth.
彼は真実を隠そうとしました。
They tried to cover up the mistake.
彼らはそのミスを隠蔽しようとしました。
人の仕事を代わる用法もある
Can you cover for me tomorrow?
明日、私の代わりをしてもらえますか。
不在で空く担当範囲を別の人が埋めるため、cover for 人で「人の代わりを務める」になります。ただし、cover for someoneには文脈によって「人をかばう」という意味もあります。
会話で使えるcoverの例文
- Could you cover the food?
食べ物にふたをしてもらえますか。 - We’ll cover that in the next lesson.
それは次のレッスンで扱います。 - Who is covering the event?
誰がそのイベントを取材しますか。 - My company covers the hotel cost.
会社がホテル代を負担します。 - This ticket covers admission and lunch.
このチケットには入場料と昼食代が含まれます。
この考え方が使える関連表現
be covered withは「表面が〜で覆われている」、be covered by insuranceは「保険の補償対象である」です。どちらも、対象がある範囲の内側に入っていると考えられます。
物を何かで覆う語順を詳しく確認したい方は、cover A with Bの意味と語順をご覧ください。保険の場面なら、「保険が適用される」は英語で?be covered・coverageの使い方も参考になります。
基本動詞と小さな語の組み合わせから意味を捉える方法は、be-rize.comの英語の句動詞とは?基本動詞+前置詞をコアイメージで理解する方法で体系的に解説しています。
まとめ
coverの複数の意味は、「必要な範囲をおおう」という感覚でつながります。
- 物の表面をおおう → 覆う
- 内容の範囲をおおう → 話題を扱う
- 出来事の範囲を追う → 取材・報道する
- 必要額の範囲を満たす → 費用を負担する・まかなう
しゅみすけ(大山俊輔)
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