
strikeには「打つ」「ぶつかる」「災害が襲う」「ふと思いつく」「印象を与える」「時計が時を打つ」など、多くの意味があります。日本語訳だけを見ると、別々の単語がたまたま同じ形になったように感じるかもしれません。
けれども、学習者向けの見方として整理すると、中心にあるのは「何かが強く当たり、相手側に変化や反応を起こす」という感覚です。物が体に当たるだけでなく、考えが心に当たったり、人物の印象が意識に強く届いたりすることで、抽象的な意味へ広がります。
しゅみすけ(大山俊輔)
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strikeの意味を先に一覧で確認
| 使い方 | 主な意味 | 見えている場面 |
|---|---|---|
| strike the ball | ボールを打つ | 物理的に強く当てる |
| Lightning struck the tree. | 雷が木に落ちた | 強い力が突然対象に届く |
| Disaster struck. | 災害が襲った | 悪い出来事が突然大きな影響を与える |
| An idea struck me. | 考えがふと浮かんだ | 考えが突然心に飛び込む |
| She struck me as kind. | 彼女は親切そうに感じられた | ある印象が心に届く |
| The clock struck twelve. | 時計が12時を打った | 打つ動作・音で時刻を知らせる |
辞書ではこれらを別の語義として整理します。それは正確な意味を確認するうえで大切です。一方、実際に使うときは、共通する景色を持っておくと語義を思い出しやすくなります。
strikeのコアイメージは「強く当たって変化を起こす」
He struck the ball.なら、人の力がボールに当たり、ボールの方向や速度が変わります。The ship struck a rock.なら、船が岩に強く接触します。この物理的な「当たる・打つ」が、strikeの分かりやすい出発点です。
- He struck the ball into the net.
彼はボールを打ってネットに入れました。 - The car struck a tree.
車が木に衝突しました。 - She struck the table with her fist.
彼女は拳でテーブルをたたきました。 - Lightning struck the building.
雷がその建物に落ちました。
大切なのは、strikeが単に「触れる」のではなく、勢いを伴って対象に届くことです。そのため、突然の攻撃・災害・病気などにも使われます。
災害や不幸が「襲う」
- Disaster struck without warning.
災害は前触れなく襲いました。 - The earthquake struck at night.
地震は夜に発生しました。 - Tragedy struck the family.
悲劇がその家族を襲いました。
災害に手や棒はありません。それでも、突然大きな力が人や場所に届き、状況を変える点は、物理的なstrikeと共通しています。

ここでは、さまざまな語義を一つの定義に押し込めるのではなく、学習者が理解しやすい見方として「強く当たって反応を起こす」という共通点を使っています。文脈によって自然な日本語訳は変わります。
なぜstrikeが「ふと思いつく」になるの?
英語では、考えや気づきが突然心に入ってくる場面を、考えが人に当たるように表せます。そのため、思いついた本人を主語にするのではなく、考えを主語にした形がよく使われます。
- An idea struck me.
ある考えがふと浮かびました。 - It suddenly struck me that I had the wrong key.
違う鍵を持っていることに突然気づきました。 - The answer struck me on the way home.
帰宅途中に答えがふと浮かびました。 - A terrible thought struck her.
恐ろしい考えが彼女の頭をよぎりました。
It struck me that …は、少し考えて結論を作ったというより、その事実が突然意識に飛び込んできた感じです。「はっと気づいた」「ふと思った」と訳すと自然なことが多いでしょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜstrikeが「印象を与える」になるの?
人や物を見たとき、特徴がこちらの意識に届いて、ある印象が生まれることがあります。この「心に当たる」場面から、strikeは「印象を与える・〜のように感じさせる」を表します。
strike+人+as+印象
- She strikes me as kind.
彼女は私には親切そうに見えます。 - His reaction struck me as odd.
彼の反応は私には奇妙に感じられました。 - The plan strikes me as risky.
その計画は私には危険そうに思えます。
この形では、asの後ろに「どのような印象として届いたか」を置きます。詳しい語順と使い方は、strike A as Bの意味・使い方で個別に解説しています。
be struck by+強く印象に残ったもの
- I was struck by her honesty.
私は彼女の誠実さに強く心を動かされました。 - We were struck by the beauty of the view.
私たちはその景色の美しさに心を打たれました。
be struck byは、雷や車などに「打たれる」という物理的な受け身にもなります。何に心を打たれたのか、実際に何が衝突したのかは文脈で判断します。
時計がstrikeするのはなぜ?
古い時計や鐘は、内部の仕組みが鐘を打って音を鳴らすことで時刻を知らせます。そこから、時計そのものを主語にして「時を打つ」と表現します。
- The clock struck twelve.
時計が12時を打ちました。 - Midnight had just struck.
ちょうど真夜中になったところでした。 - Did you hear the clock strike?
時計が鳴るのを聞きましたか。
この用法は「当たる」から遠く見えますが、もともとの打つ動作と音が背景にあります。
strikeとhitの違いは?
どちらも「打つ・当たる」を表しますが、日常会話で広く使いやすいのはhitです。strikeはhitより硬い響きや強い衝撃を伴うことがあり、報道・説明文・定型表現でよく見かけます。
| hit | strike | |
|---|---|---|
| 基本 | 打つ・当たる一般 | 強く打つ・衝突する |
| 会話 | 自然で頻度が高い | やや硬い場合がある |
| 抽象用法 | hit me=気づいた、影響した | strike me=ふと気づいた、印象を与えた |
| 定型例 | hit the ball | strike me as odd |
- He hit me.
彼は私を殴りました。 - He struck me.
彼は私を打ちました。やや硬く、強い響きがあります。
ただしスポーツ、事故、報道などではstrikeも自然です。「strikeは必ず強い」「hitは弱い」と機械的に分けず、よく使われる組み合わせごと覚えるのが安全です。hitの意味の広がりは、be-rize.comのhitの意味とコアイメージでも確認できます。
日本人が間違えやすいポイント
I struck an idea.とは普通言わない
「私がアイデアを思いついた」から直訳して、I struck an idea.とはしません。考えが人に届く形にします。
- × I struck an idea.
- ○ An idea struck me.
- ○ It struck me that we needed more time.
strike me asの後ろに印象を置く
- × She strikes as kind.
- ○ She strikes me as kind.
誰にそう感じられるのかを、strikeとasの間に置きます。
過去形・過去分詞はstruck
strikeは不規則動詞です。基本変化はstrike–struck–struck。一部の専門的な用法ではstrickenも見られますが、まずはstruckを使えるようにすれば十分です。
会話ではどう使う?
A: What did you think of the new manager?
新しいマネージャーをどう思いましたか。
B: She struck me as calm and practical.
落ち着いていて現実的な人という印象でした。
A: Why did you call me so late?
どうしてそんな遅くに電話したのですか。
B: It suddenly struck me that today was the deadline.
今日が締め切りだと突然気づいたんです。
A: How did you solve the problem?
どうやって問題を解いたのですか。
B: An idea struck me while I was taking a walk.
散歩中にアイデアがふと浮かびました。
しゅみすけ(大山俊輔)
strikeから意味が広がる別の表現
- strike a match:マッチをする
- strike gold:金を掘り当てる/大成功のもとを見つける
- strike a chord:琴線に触れる、共感を呼ぶ
- strike up a conversation:会話を始める
- go on strike:ストライキに入る
たとえばstrike a chordは、楽器の弦を打って音を生み、その響きが人の心にも届く表現です。会話を始める用法は、strike up a conversationの意味・使い方で詳しく紹介しています。
まとめ|訳語より「何が何に当たるか」を見る
strikeの多くの意味は、次の流れで整理できます。
- 物や力が対象に強く当たる:打つ・衝突する
- 災害などの力が突然届く:襲う
- 考えが心に当たる:ふと思いつく・気づく
- 特徴が意識に当たる:印象を与える
- 鐘を打って音を出す:時計が時を打つ
すべてを一つの訳語にする必要はありません。文の中で「何が、誰・何に届き、どんな反応を起こしたか」を見ると、自然な意味を選びやすくなります。
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