
「海外移住を検討しています」と言いたくて、I’m considering to move abroad. としていませんか。
consider は「検討する」、to do は「〜すること」と習うため、自然に見える組み合わせです。しかし、標準的な英語でconsiderの直後に行動を置くときは、通常doingを使います。
I’m considering to move abroad.- I’m considering moving abroad.
consider doingは、doingで表した行動を一つの「検討候補」として頭のテーブルに載せ、あれこれ眺める形です。まだ実行を決めたわけではなく、その行動案を検討の対象にしています。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
結論:considerの後ろで行動を表すならdoing
| 形 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| consider+名詞 | Consider the cost. | 費用を検討する |
| consider+doing | Consider changing jobs. | 転職することを検討する |
| consider+疑問詞節 | Consider what to do next. | 次に何をするか検討する |
| consider+that節 | Consider that prices may rise. | 価格上昇の可能性を考慮する |
行動をconsiderの直接の検討対象にするなら、次のようにdoingを置きます。
- We’re considering moving to Osaka.
大阪への引っ越しを検討しています。 - She considered changing jobs.
彼女は転職を考えました。 - Have you considered taking a break?
少し休むことを考えましたか。

学校文法ではどう説明される?
学校文法では、considerは後ろに動詞を続けるとき、to不定詞ではなく動名詞を目的語に取る動詞だと説明されます。
- consider doing:正しい
- consider to do:この意味では通常使わない
動名詞とは、動詞に-ingを付けて「〜すること」という名詞の働きをさせる形です。moving abroad 全体が、considerの目的語、つまり「何を検討するのか」に当たります。
この規則は正確です。ただ、consider=doing とだけ暗記すると、なぜto doではないのか、また be considered to be がなぜ正しいのかが分かりにくくなります。ここでは学習者向けの見方として、doingを行動を一つの検討材料として置く形と捉えてみます。
consider doingが見せる景色
considerには、「対象をいろいろな角度からよく考える」という働きがあります。名詞なら、その物事を検討の対象として置けます。
- We considered the proposal.
私たちはその提案を検討しました。 - Please consider the risks.
リスクを考慮してください。
行動を検討対象にするときも同じです。doingを使うことで、動きを「一つの案・活動」としてまとまりにし、テーブルに載せられます。
- the proposal=提案という検討材料
- moving abroad=海外へ移るという検討材料
- working from home=在宅勤務をするという検討材料
つまり、consider moving abroad は「海外へ向かって進む」と宣言しているのではなく、海外移住という行動案を候補として眺めている状態です。
なぜto doではないの?
to不定詞のtoには、これからの行動・目的・方向へ意識を向ける感覚が出やすくあります。そのため、決定・意図・希望などを表す動詞とよく結び付きます。
- decide to move:引っ越すと決める
- plan to move:引っ越す計画を立てる
- want to move:引っ越したい
- hope to move:引っ越せることを願う
一方のconsiderは、行動へ踏み出す決定ではありません。複数の可能性の中から、その行動を検討対象として取り上げます。そのため、行動をまとまりとして扱うdoingが標準的な型になっています。
| 表現 | 焦点 | 決定の段階 |
|---|---|---|
| consider moving | 引っ越しを候補として検討 | まだ決めていない |
| decide to move | 引っ越す方向を決定 | 決めた |
| plan to move | 引っ越すための計画 | 実行へ向けている |
ただし、doingとto doの選択をすべて一つのイメージだけで断定できるわけではありません。動詞にはそれぞれ定着した語法があります。イメージは理解の手掛かりにし、自然な型も例文ごと覚えましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
consider doingとthink about doingの違い
どちらも「〜することを考える」と訳せますが、焦点が少し違います。
| 表現 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| consider doing | 現実的な選択肢として検討する | I’m considering changing jobs. |
| think about doing | 広くそのことについて考える | I’m thinking about changing jobs. |
consider は、メリット・デメリットや条件を比べて判断しようとする響きが出やすい表現です。think about は日常会話で幅広く使え、まだ漠然と思っている段階にも合います。
- I’m thinking about taking a cooking class.
料理教室に通おうかなと考えています。 - I’m considering taking a cooking class next month.
来月、料理教室に通うことを具体的に検討しています。
実際のニュアンスは文脈によって重なりますが、considerのほうが比較・判断を伴う検討として聞こえやすい、と考えるとよいでしょう。
consider doingとconsider whether to doの違い
considerの後ろには、whether to do を置くこともできます。ここは consider to do と混同しやすいポイントです。
- I’m considering moving abroad.
海外移住を検討しています。 - I’m considering whether to move abroad.
海外移住するかどうかを検討しています。
whether to move では、considerが直接to doを取っているのではありません。whether to move=移るかどうかという疑問詞のまとまり全体が、considerの検討対象です。
同じ仕組みで、次の形も使えます。
- We need to consider what to do next.
次に何をするか検討する必要があります。 - Consider how to explain it.
どう説明するか考えてください。 - She’s considering where to stay.
彼女はどこに泊まるか検討しています。
be considered to beはなぜ正しい?
consider to do は通常使わないのに、He is considered to be talented. は正しい英文です。一見矛盾して見えますが、構造が違います。
He considered to be talented.- People consider him talented.
- He is considered to be talented.
He is considered to be talented. は、「人々は彼を才能があると考える」という受動態です。ここでのto beは、「彼=才能がある」という判断内容を補っています。consider doing の「行動を検討する」とは別の語法です。
| 構造 | 意味 |
|---|---|
| consider doing | 〜することを検討する |
| consider A (to be) B | AをBだと考える |
| A is considered (to be) B | AはBだと考えられている |
たとえば、次の文はいずれも自然です。
- Many people consider this book a classic.
多くの人がこの本を名作だと考えています。 - This book is considered to be a classic.
この本は名作だと考えられています。 - She is considered one of the best players.
彼女は最高の選手の一人だと見なされています。
会話でよく使うconsider doingの例文
- I’m considering buying a new laptop.
新しいノートパソコンの購入を検討しています。 - We’re considering moving closer to the office.
職場の近くへの引っ越しを検討しています。 - Have you considered talking to your manager?
上司に相談することは考えましたか。 - You might consider taking a short break.
少し休憩することを考えてもよいかもしれません。 - She’s considering going back to school.
彼女は学校へ戻ることを検討しています。 - I’d consider accepting the offer.
私ならその申し出を受けることを検討します。
You should… より控えめに提案したいときは、You might consider doing… が便利です。「〜するという選択肢も検討してみては」という響きになります。
日本人が間違えやすい理由
1.日本語ではdoingもto doも「〜すること」になる
日本語訳だけでは違いが見えないため、「未来のことだからto do」と選びやすくなります。しかし、未来の行動でも、considerの検討対象として置くならdoingです。
2.decide to doと混ざる
「検討する」と「決める」は一連の流れにありますが、英語では動詞ごとに型が違います。
- consider doing:候補を検討
- decide to do:実行を決定
3.whether to doを見てconsider to doも可能だと思う
consider whether to go のtoは、whetherから始まる「行くかどうか」というまとまりの中にあります。considerが直接to doを取っているわけではありません。
迷ったときの3秒判定
- 「〜することを検討する」? → consider doing
- 「〜するかどうかを検討する」? → consider whether to do
- 「AはBだと考えられている」? → A is considered (to be) B
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ:considerは行動をdoingで「検討材料」にする
- 行動を検討するときは consider doing
- consider to do は、この意味では通常使わない
- doingは行動を一つの案・活動として検討対象にする
- consider whether to do は「するかどうか」というまとまり
- be considered to be は「〜だと考えられている」という別構造
consider doing を覚えるときは、「considerの後は機械的に-ing」とだけ覚えるのではなく、行動案を頭のテーブルに載せて眺める景色を思い浮かべてください。検討から決定へ進めば、decide to do へ表現も切り替わります。
considerと似た「検討する」の表現は、b-cafe.netの「検討する」は英語で?consider・look into・review・think it overの違いで紹介しています。
to不定詞と動名詞の全体的な使い分けは、be:RIZEの不定詞と動名詞の使い分け|to do・doingを取る動詞と意味の違いも参考にしてください。










