
crack on は、仕事や作業を「さっさと始める」「ぐずぐずせず進める」「勢いよく続ける」という意味の句動詞です。特にイギリス英語のカジュアルな会話でよく使われます。
締め切りが近いときに「そろそろ取りかかろう」、休憩を終えて「仕事に戻ろう」、話を切り上げて「作業を続けないと」と言いたい場面にぴったりです。
この記事では、crack on の基本イメージ、crack on with + 名詞 の語順、自然な例文、get on with・carry on・get cracking との違いまで解説します。
Contents
crack onの意味とニュアンス
crack on の中心的な意味は、ためらったり時間を無駄にしたりせず、やるべきことを始めて前へ進めることです。
We need to crack on if we want to finish by five.
5時までに終えたいなら、どんどん進めないといけません。
日本語訳は場面によって変わります。
- さっさと始める
- 仕事をどんどん進める
- 作業を続ける
- 本腰を入れて取りかかる
単に「続ける」だけでなく、時間を意識して行動に移す勢いがあるのが特徴です。命令形の Crack on! なら「さあ、始めよう」「ほら、仕事を進めて」という声かけになります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜcrack onで「さっさと進める」になる?
crack には「割れる・ひびが入る」という意味がありますが、crack on を毎回「割る+接触」と直訳しても意味はつかみにくいでしょう。
この表現では crack が動作の鋭さや勢いを感じさせ、on が「その先へ継続する」感覚を加えています。つまり、止まっていた状態から勢いをつけ、作業を前へ進めるイメージです。
同じ on の継続感は、carry on(そのまま続ける)や go on(続ける)にも見られます。ただし crack on には、「では、話はここまでにして実際にやろう」という行動的な響きがあります。

crack onでよく使う形と語順
crack on:作業を始める・続ける
何をするかが会話ですでに分かっている場合は、crack on だけで使えます。
We’ve talked enough. Let’s crack on.
もう十分話しました。そろそろ取りかかりましょう。
I’d better crack on. I have a lot to do today.
そろそろ仕事に戻ったほうがよさそうです。今日はやることがたくさんあります。
You crack on. I’ll answer the phone.
あなたはそのまま作業を進めて。電話には私が出ます。
I’d better crack on. は、会話や休憩を丁寧に切り上げるときにも便利です。「失礼します」ではなく、「やることがあるので、そろそろ戻ります」という自然な理由を伝えられます。
crack on with + 名詞:〜をどんどん進める
何を進めるのかを明示するときは、crack on with + 仕事・作業 の形を使います。
Let’s crack on with the report.
レポートをどんどん進めましょう。
She cracked on with her work after lunch.
彼女は昼食後、仕事をどんどん進めました。
I need to crack on with the packing tonight.
今夜は荷造りを本腰を入れて進めないといけません。
目的語を直接置いて crack on the report とはせず、原則として with を使う点に注意してください。
crack on with doing:〜する作業を進める
with の後ろには動名詞も置けます。
We should crack on with preparing the presentation.
プレゼンの準備をどんどん進めたほうがよいでしょう。
He cracked on with cleaning the kitchen.
彼はキッチンの掃除をさっさと進めました。
ただし、会話では名詞で簡潔に言えるなら crack on with the presentation や crack on with the cleaning も自然です。
仕事で使えるcrack onの例文
We’re behind schedule, so let’s crack on.
予定より遅れているので、どんどん進めましょう。
Can we crack on with the next item?
次の項目へ進めてもよいですか。
I’ll crack on with the slides while you check the figures.
あなたが数字を確認している間に、私はスライドを進めます。
Once everyone arrives, we can crack on with the meeting.
全員が到着したら、会議をさっそく始められます。
Sorry, I can’t chat right now. I need to crack on.
ごめんなさい、今はおしゃべりできません。仕事を進めないといけないんです。
crack on はカジュアルな英国口語です。親しい同僚との会話では自然ですが、非常に改まった文書や顧客向けメールでは proceed with や continue with のほうが無難です。
日常会話で使えるcrack onの例文
家事・暮らし
Let’s crack on with dinner before the guests arrive.
お客さんが来る前に、夕食の準備をさっさと進めよう。
I need to crack on with the laundry.
洗濯をどんどん片づけないと。
学校・学習
I’ve had my break. Time to crack on with my homework.
休憩は終わり。宿題を進める時間です。
Let’s crack on so we can finish this project today.
今日この課題を終えられるよう、どんどん進めよう。
旅行・準備
We should crack on with packing. The taxi will be here soon.
荷造りを急いで進めたほうがいいよ。もうすぐタクシーが来ます。
It’s a long drive, so we’d better crack on.
長距離の運転になるから、そろそろ出発したほうがよさそうです。
最後の例のように、文脈によっては「先へ進む」「出発する」に近くなります。共通するのは、立ち止まらず次の行動へ移る感覚です。
crack on・get on with・carry on・get crackingの違い
| 表現 | 中心となる感覚 | 代表例 |
|---|---|---|
| crack on | ぐずぐずせず勢いよく始め、進める | Let’s crack on. |
| get on with | やるべきことに取りかかる・続ける | Get on with your work. |
| carry on | 中断せず、そのまま続ける | Carry on working. |
| get cracking | すぐ行動を開始する | Let’s get cracking. |
get on withとの違い
get on with も「〜を進める」という意味ですが、crack on より勢いのニュアンスが弱く、作業へ戻ること自体に焦点があります。
I need to get on with my work.
仕事に取りかからないといけません。
I need to crack on with my work.
仕事をさっさと進めないといけません。
carry onとの違い
carry on は、すでに行っていることを中断せず続ける表現です。crack on は、始める段階にも、途中から再び勢いをつける場面にも使えます。
Please carry on. I didn’t mean to interrupt.
どうぞ続けてください。邪魔をするつもりはありませんでした。
get crackingとの違い
get cracking は「さあ始めよう」「すぐ取りかかろう」と、開始を強く促す表現です。crack on は開始後に作業を進める意味まで含めやすいのが違いです。
We only have an hour, so let’s get cracking.
1時間しかないから、さっそく始めよう。
日本人が間違えやすいポイント
crackの「割る」に引っ張られない
crack on は、物にひびを入れるという意味ではありません。ひとまとまりの句動詞として「勢いをつけて進める」と覚えましょう。
アメリカ英語では使用頻度が下がる
crack on は特にイギリス英語らしい表現です。アメリカ英語の会話なら、get started、get to work、keep going などのほうが伝わりやすい場合があります。
相手への命令は口調に注意する
Crack on! は励ましにもなりますが、関係や声の調子によっては「さっさとやって」と強く聞こえます。柔らかく提案するなら Shall we crack on? や Let’s crack on. が使いやすいでしょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
crack onが出てこないときの簡単な言い換え
crack on が思い出せなくても、基本的な英語で十分に伝えられます。
- Let’s start now.
今始めましょう。 - Let’s keep working.
作業を続けましょう。 - We need to work faster.
もっと速く作業する必要があります。 - I need to get back to work.
仕事に戻らないといけません。 - Let’s finish this today.
今日これを終わらせましょう。
たとえば We need to crack on with the report. が出てこなければ、We need to work on the report now. と言えば要点は伝わります。
まとめ
crack on は、イギリス英語のカジュアルな表現で、「ぐずぐずせず始める」「仕事や作業を勢いよく進める」という意味です。
- Let’s crack on.:さあ、始めて進めよう
- I’d better crack on.:そろそろ作業に戻らないと
- crack on with + 名詞:〜をどんどん進める
- crack on with doing:〜する作業を進める
get on with は「取りかかる」、carry on は「そのまま続ける」、get cracking は「さあ始める」に重心があります。まずは、休憩や会話を終えて作業へ戻るときの I’d better crack on. から使ってみましょう。
ほかの句動詞や定型表現も学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。









