
dead as a doornail は、「完全に死んでいる」「完全に動かない」「もう完全に終わっている」を強く印象づける英語イディオムです。
直訳すると「ドアの釘のように死んでいる」。日本語だけを見ると不思議ですが、会話では単なる dead よりも「間違いなく、完全にダメ」という強調が加わります。人や動物だけでなく、スマートフォン、車、計画などにも比喩的に使えます。
Contents
dead as a doornailの意味は「完全に死んでいる」
(as) dead as a doornail の基本的な意味は次の3つです。
- 人・動物などが完全に死んでいる
- 機械や電池が完全に動かない
- 計画・考え・商売などが完全に終わっている
as … as ~ は「~と同じくらい…」という比較の形です。しかし、この表現では厳密な比較よりも「完全に」「疑いようもなく」という強調として受け取るのが自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「ドアの釘」がdeadなの?
doornail は、昔の木製ドアに使われた大きな釘を指します。釘の先を曲げたり平らに打ちつけたりすると、抜いて再利用しにくくなります。そこから「もう使えないほど完全に終わった」というイメージと結びついた、と説明されることがあります。
ただし、実際の会話で由来を思い浮かべる必要はありません。大事なのは次の対比です。
- 直訳:ドアの釘のように死んでいる
- 実際の感覚:完全に死んでいる/完全に動かない/もう終わっている
人・機械・計画に使える

1.人や動物が「完全に死んでいる」
The plant was as dead as a doornail by the time we got home.
家に帰ったころには、その植物は完全に枯れていました。
We found the fish dead as a doornail.
その魚が完全に死んでいるのを見つけました。
生死を直接扱うため、人について使うとかなり強く、場合によっては軽率または不謹慎に聞こえます。訃報やお悔やみの場面では避け、やわらかい pass awayの意味・使い方を選ぶほうが適切です。
2.機械などが「完全に動かない」
My phone is dead as a doornail. It won’t even turn on.
私のスマホは完全に動きません。電源すら入りません。
After sitting in the garage all winter, the car was dead as a doornail.
冬の間ずっとガレージに置いていたので、その車はまったく動きませんでした。
スマホの電池切れなら、通常は My phone is dead. だけで十分です。dead as a doornail にすると、「本当に何の反応もない」という大げさで印象的な響きが加わります。
3.計画や商売が「完全に終わっている」
Without funding, the project is as dead as a doornail.
資金がなければ、その計画は完全に終わりです。
That business idea looked exciting last year, but now it’s dead as a doornail.
そのビジネス案は昨年には面白そうでしたが、今では完全に立ち消えです。
この用法の dead は「死亡」ではなく、「活動・可能性・勢いが残っていない」という比喩です。
よく使われる形と語順
be as dead as a doornail
最も基本的なのは、be動詞の後ろに置く形です。
The battery is as dead as a doornail.
そのバッテリーは完全に切れています。
be dead as a doornail
会話では最初の as を省いた形も使われます。
This old printer is dead as a doornail.
この古いプリンターは完全に壊れて動きません。
find A dead as a doornail
find + A + 状態 で「Aが完全に死んでいる/動かない状態だと分かる」と表せます。
I found my laptop dead as a doornail this morning.
今朝、ノートパソコンが完全に動かなくなっていることに気づきました。
dead・completely deadとの違い
| 表現 | ニュアンス | 使いやすさ |
|---|---|---|
| dead | 死んでいる、電池が切れている、機能していない | 最も普通で幅広い |
| completely dead | 完全に死んでいる/完全に動かない | 意味が直接的で分かりやすい |
| dead as a doornail | 疑いようがないほど完全に終わっている | 口語的で印象的。やや大げさ |
dead as a doornail は、情報を正確に伝えるだけでなく、聞き手に強い絵を浮かばせる表現です。仕事の正式な報告では no longer operational や has been cancelled のほうが落ち着いて聞こえる場合があります。
日本人が間違えやすいポイント
軽い不調には使わない
少し調子が悪いだけの機械や、まだ復活しそうな計画に使うと強すぎます。
△ My phone is dead as a doornail, but it still works sometimes.
「完全に動かない」と「時々動く」がぶつかっています。
○ My phone isn’t working properly.
スマホの調子がよくありません。
doornailは一語
通常は doornail と一語で書きます。door nail と分けず、イディオム全体をひとかたまりで覚えましょう。
お悔やみでは使わない
この表現には大げさで、ときにユーモラスな響きがあります。亡くなった人について遺族に伝える場面には不向きです。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え(しゅみすけ式)
イディオムを思い出せなくても、基本的な英語で十分に伝えられます。
- It’s completely dead.(完全に死んでいます/完全に動きません)
- It doesn’t work at all.(まったく動きません)
- The plan is over.(その計画は終わりです)
- There’s no chance it will happen.(それが実現する可能性はありません)
まず It doesn’t work at all. のように意味を直接言えれば、会話は止まりません。そのうえで、表現に勢いやユーモアを加えたいときに dead as a doornail を使いましょう。
まとめ
dead as a doornail は、「完全に死んでいる」「完全に動かない」「計画などが完全に終わっている」を強調するイディオムです。
- as … as ~ の形でdeadを強く印象づける
- 人・動物だけでなく、機械や計画にも比喩的に使える
- 普通のdeadより大げさで、口語的な響きがある
- 軽い不調や、配慮が必要なお悔やみの場面には不向き
- 思い出せなければ It doesn’t work at all. で伝えられる
ほかの表現もまとめて確認したい方は、英熟語・定型表現の一覧もあわせてご覧ください。











