kick upの意味は?kick up a fuss・dust・windの使い方と例文

kick up(巻き上げる・騒ぎを起こす)の意味を表すアイキャッチ画像

kick up は、「ほこりなどを巻き上げる」「騒ぎや問題を起こす」「風などが強まる」といった意味で使われる句動詞です。

The truck kicked up a cloud of dust.
トラックが土ぼこりを巻き上げました。

She kicked up a fuss about the extra charge.
彼女は追加料金について騒ぎ立てました。

意味がばらばらに見えますが、共通するのは下にあったもの・静かだったものが勢いよく立ち上がる感覚です。この記事では代表的な形と、raise・cause・act upなどとの違いを自然な例文で整理します。

kick upの基本イメージ

kickは「蹴る・勢いを与える」、upは「下から上へ」「低い状態から高い状態へ」という変化を表します。

足で地面を蹴れば、ほこりが下から上へ舞い上がります。この物理的な場面が、次のような抽象的な意味へ広がります。

  • ほこりや砂を巻き上げる
  • 騒ぎ・文句・問題を起こす
  • 風・波・活動が強まる

upの働きをさらに深く確認したい方は、be-rize.comのupのコアイメージも参考になります。

しゅみすけ(大山俊輔)

kick upは「蹴り上げる」と丸暗記するより、静かだったものが勢いよく立ち上がる様子を思い浮かべると、多くの用法がつながります。

kick up dust|ほこり・砂・水しぶきを巻き上げる

物理的な意味では、動きによって軽いものが空中へ舞い上がる場面に使います。

The horses kicked up dust as they ran.
馬たちは走りながら土ぼこりを巻き上げました。

A passing car kicked up gravel from the road.
通り過ぎた車が道路の小石を跳ね上げました。

The boat kicked up a lot of spray.
そのボートは大量の水しぶきを上げました。

Try not to kick up too much sand.
砂をあまり巻き上げないようにしてください。

目的語が名詞なら、kick up dustkick dust upの両方が可能です。ただしdustのような短い名詞では、kick up dustの語順がよく見られます。

kick up a fuss|騒ぎ立てる・大げさに文句を言う

kick up a fussは非常によく使われる定型表現で、「不満を強く訴える」「騒ぎ立てる」という意味です。

He kicked up a fuss when the restaurant added a service charge.
レストランがサービス料を加えると、彼は騒ぎ立てました。

Don’t kick up a fuss. We can solve this calmly.
騒ぎ立てないで。落ち着いて解決できます。

The customers kicked up a fuss about the long wait.
客たちは長い待ち時間について強く文句を言いました。

She didn’t want to kick up a fuss, but the bill was clearly wrong.
彼女は大ごとにしたくありませんでしたが、請求書は明らかに間違っていました。

fussは、必要以上に気にしたり騒いだりすることです。そのためkick up a fussには、話し手が「少し大げさだ」と感じている響きが出る場合があります。

kick up dust、kick up a fuss、the wind kicks upの3用法

kick up a stink・kick up a rowも「騒ぐ」

kick up a fussと似た定型表現があります。

表現 意味・ニュアンス 地域・特徴
kick up a fuss 大げさに騒ぐ・強く文句を言う 広く使われる
kick up a stink 強い抗議を起こす くだけた表現
kick up a row 騒ぎ・口論を起こす 主にイギリス英語

Residents kicked up a stink about the proposed closure.
住民たちは閉鎖案について強く抗議しました。

He kicked up a row at the front desk.
彼はフロントで騒ぎを起こしました。

自分で穏やかに「抗議する」と言うなら、complainprotestのほうが中立的です。

the wind kicks up|風・波などが強まる

風や波などが急に強くなったり、活動が活発になったりする場合、kick upを自動詞として使えます。

The wind started to kick up in the afternoon.
午後になって風が強まり始めました。

When the wind kicks up, the water gets rough.
風が強くなると、水面が荒れます。

Dust kicks up quickly on this dry road.
この乾いた道では、ほこりがすぐに舞い上がります。

この用法では、誰かが意図的に起こすというより、自然現象が「勢いを増して立ち上がる」感覚です。

痛み・症状が出るkick up

くだけた会話では、痛みや症状がまた強くなることをkick upで表す場合があります。

My back pain kicks up when the weather gets cold.
寒くなると腰の痛みが出ます。

My allergies tend to kick up in spring.
春になるとアレルギー症状が強くなりがちです。

ただし、症状についてはact upflare upのほうが一般的で自然な場合が多いです。

表現 中心のニュアンス
kick up 症状や問題が勢いを増す、やや口語的 My back pain kicks up.
act up 体の部位・機械などが調子を崩す My knee is acting up.
flare up 症状・炎症・争いが急に悪化する My eczema flared up.

学習者が自分で使うなら、My knee is acting up.My symptoms got worse.のほうが安全で分かりやすいでしょう。

kick upの語順|分離できる場合と固定表現

物を巻き上げる意味では、kick upは分離可能です。

  • kick up the dust
  • kick the dust up
  • kick it up(代名詞は真ん中)

The tires kicked the mud up onto the windshield.
タイヤが泥をフロントガラスへ跳ね上げました。

There’s dust on the floor, so don’t kick it up.
床にほこりがあるので、舞い上げないでください。

一方、kick up a fussは定型表現としてまとまりが強く、通常はこの語順のまま使います。kick a fuss upも一部のイギリス英語では見られますが、学習者はkick up a fussで覚えるのが自然です。

kick it up a notchの意味

kick it up a notchは「レベルを一段上げる」「さらに強化する」という関連表現です。

Let’s kick it up a notch for the final presentation.
最終プレゼンに向けて、もう一段レベルを上げよう。

The chef kicked the flavor up a notch with fresh herbs.
シェフは新鮮なハーブで味を一段引き上げました。

ここでもupは、強さやレベルが上へ動く感覚です。kick up a fussとは意味が違うので、it / the flavor+up a notchという形で見分けます。

raise・cause・stir upとの違い

表現 意味 ニュアンス
kick up 巻き上げる・騒ぎを起こす 勢いがあり口語的
raise 上げる 最も一般的で中立
cause 原因となって起こす 動きより因果関係に注目
stir up 感情・問題をかき立てる 眠っていたものを刺激する

The truck raised a cloud of dust.
トラックが土ぼこりを巻き上げました。

The decision caused a lot of complaints.
その決定は多くの苦情を引き起こしました。

His comment stirred up old tensions.
彼の発言は昔の緊張を再燃させました。

kick upは、足元からほこりが勢いよく上がるような、生き生きとした動きが感じられる表現です。

日本人が間違えやすいポイント

kick upだけで常に「騒ぐ」ではない

「騒ぎ立てる」と言うときは、通常kick up a fussまで必要です。kick upだけでは、何を巻き上げる・起こすのかが文脈に依存します。

kick up a fussは中立ではない

相手の抗議をkick up a fussと表現すると、「必要以上に騒いでいる」という評価が入ることがあります。正当な抗議を中立的に述べるならcomplainraise a concernを使います。

She raised a concern about safety.
彼女は安全性について懸念を示しました。

痛みにはact upのほうが使いやすい

kick upを症状に使える場合はありますが、日常会話で「膝の調子が悪い」ならMy knee is acting up.のほうが自然で汎用的です。

しゅみすけ(大山俊輔)

まずはkick up dustとkick up a fussの2つを覚えれば十分です。症状ならact upやget worseへ簡単に言い換えられます。

簡単な英語で言い換えるなら

kick upが出てこなくても、基本語で具体的に説明できます。

  • The car made the dust go up.
    車によってほこりが舞い上がりました。
  • She complained loudly.
    彼女は大声で文句を言いました。
  • The wind got stronger.
    風が強くなりました。
  • My back started to hurt again.
    腰がまた痛み始めました。
  • My symptoms got worse.
    症状が悪化しました。

「何が上がったのか」「何が強くなったのか」を直接言えば、句動詞が思い出せなくても十分伝わります。

会話で使ってみよう

A: Why is that customer so upset?
あのお客さんは、どうしてあんなに怒っているの?

B: He’s kicking up a fuss about the service charge.
サービス料について騒ぎ立てているんだ。

A: Should we call the manager?
店長を呼んだほうがいい?

B: Yes, before things get worse.
うん、もっと大ごとになる前にね。

まとめ

kick upの中心イメージは、下にあったもの・静かだったものに勢いを与えて「立ち上げる」ことです。

  • kick up dust:ほこりを巻き上げる
  • kick up a fuss:騒ぎ立てる・大げさに文句を言う
  • the wind kicks up:風が強まる
  • pain kicks up:痛みが出る・強くなる(口語的)
  • kick it up a notch:レベルを一段上げる

まずはThe car kicked up dust.He kicked up a fuss.の2文から、物理的な「上がる」と抽象的な「騒ぎが起こる」をセットで覚えてみましょう。

ほかの句動詞も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご活用ください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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