
「親しい相手でも一線を引きたい」「仕事とプライベートには一線を引いている」。日本語の「一線を引く」には、関係の境界や、ここまでは許せるという限界を決める意味があります。
英語では、健全な境界を設けるなら set boundaries、許容範囲の限界を明確にするなら draw the line が自然です。
I need to set some boundaries.
まず覚えたい基本表現
少し一線を引く必要があります。
仕事上の関係にとどめたいなら keep things professional。難しければ This is too much for me. と負担を率直に伝える方法もあります。
Contents
- 1 一線を引くの基本は set boundaries
- 2 draw the line は「ここが限界」と示す
- 3 keep things professional は「仕事上の関係にとどめる」
- 4 初心者なら This is too much for me. で伝える
- 5 set boundaries・draw the line・keep things professionalの違い
- 6 友人との間に一線を引く
- 7 家族との境界を設ける
- 8 職場で一線を引く
- 9 恋愛・好意に一線を引く
- 10 壁を作る・敬遠するとの違い
- 11 境界を穏やかに伝える型
- 12 境界を越える・尊重する英語
- 13 よくある間違い
- 14 ミニ会話で確認
- 15 人間関係の境界に関する関連記事
- 16 まとめ
一線を引くの基本は set boundaries
boundary は「境界・境界線」。人間関係では、自分が受け入れられることと受け入れられないことを示すルールや限界を指します。
It’s important to set healthy boundaries.
健全な境界を設けることは大切です。
I’m learning to set boundaries with people.
人との間に一線を引くことを学んでいます。
boundaries は複数形で使われることが多く、連絡の時間、頼まれごと、個人情報、身体的な距離など、複数の境界を含められます。
- time boundaries:時間についての境界
- emotional boundaries:感情面の境界
- personal boundaries:個人的な境界
- professional boundaries:仕事上の境界
set boundaries with+人
I need to set boundaries with my coworker.
その同僚とは一線を引く必要があります。
She set clear boundaries with her family.
彼女は家族との間に明確な境界を設けました。
相手を続けるときは with+人。何についてかを言うなら around+事柄 も使えます。
We need boundaries around work calls at night.
夜の仕事の電話について境界を設ける必要があります。
draw the line は「ここが限界」と示す
draw the line は、許容できる範囲とできない範囲の境目を示すイディオムです。
I draw the line at personal insults.
個人攻撃は絶対に受け入れません。
We need to draw the line somewhere.
どこかで一線を引く必要があります。
draw the line at+行為・事柄 で、「~までは許せない」「~は限界だ」と言えます。
- draw the line at lying:嘘は許容しない
- draw the line at working weekends:週末勤務までは受け入れない
- draw the line at rude comments:失礼な発言は許さない
set boundaries は日常的なルールを設ける継続的な行為、draw the line は限界点をはっきり示す響きがあります。

keep things professional は「仕事上の関係にとどめる」
職場で私生活を混ぜず、プロとしての関係を保つなら keep things professional が便利です。
I prefer to keep things professional.
仕事上の関係にとどめたいです。
Let’s keep our relationship professional.
私たちの関係は仕事上のものにしておきましょう。
同僚から個人的な誘いを受けた場合などにも使えますが、かなり明確な線引きです。声の調子を柔らかくすると角が立ちにくくなります。
I enjoy working with you, but I’d like to keep things professional.
一緒に仕事をするのは楽しいですが、関係は仕事上のものにしておきたいです。
初心者なら This is too much for me. で伝える
boundary という単語が出てこなくても、負担や希望を短い英語で伝えられます。
This is too much for me.
これは私には負担が大きすぎます。
- I need some time alone.(一人の時間が必要です)
- I can’t do that today.(今日はそれができません)
- Please don’t call me late at night.(夜遅くには電話しないでください)
- I don’t want to talk about that.(そのことは話したくありません)
- I need some space.(少し距離・時間が必要です)
抽象的に「一線を引く」と言うより、してほしくないことや必要なことを具体的に伝えるほうが、初心者にも相手にも分かりやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
初心者なら、これでOK!
英会話では、難しい単語を思い出すことより、伝えたい中身を分けることが大切です。「一線を引く」も、まずは This is too much for me. のような短い文で言ってみましょう。
set boundaries・draw the line・keep things professionalの違い
- set boundaries:自分を守るための健全なルールや境界を設ける
- draw the line:これ以上は許容できないという限界点を示す
- keep things professional:仕事と私生活を分け、職業上の関係を保つ
日常的に使いやすく、冷たく聞こえにくいのは set boundaries。相手の行動が限界を超えた場合は draw the line が合います。
友人との間に一線を引く
I value our friendship, but I need to set some boundaries.
私たちの友情は大切ですが、少し一線を引く必要があります。
I’m happy to listen, but I can’t always solve everything for you.
話は聞きますが、いつもすべてを解決してあげることはできません。
Please ask before coming over.
家に来る前に確認してください。
友情を否定せず、まず大切に思っていることを伝えてから境界を示すと、柔らかい言い方になります。
家族との境界を設ける
I don’t discuss my finances with family.
家族とはお金の話をしません。
I need you to respect my decision.
私の決断を尊重してほしいです。
I’m not available every weekend.
毎週末、都合がつくわけではありません。
家族との境界は文化や関係によって異なります。英語では respect my boundaries(私の境界を尊重する)という表現もよく使われます。
I love my family, but I also need them to respect my boundaries.
家族を愛していますが、私の境界も尊重してもらう必要があります。
職場で一線を引く
I don’t check work messages after 8 p.m.
午後8時以降は仕事のメッセージを確認しません。
I’m happy to help, but I can’t take on another project.
お手伝いしたいですが、別のプロジェクトまでは引き受けられません。
Let’s keep personal issues out of the workplace.
個人的な問題は職場に持ち込まないようにしましょう。
職場では No. だけで終わらず、可能な範囲や代案を添えると協力的な印象を保てます。
I can’t do it today, but I can look at it tomorrow morning.
今日はできませんが、明日の朝なら確認できます。
恋愛・好意に一線を引く
I only see you as a friend.
あなたのことは友人としてだけ見ています。
I’m not comfortable with that.
それには抵抗があります。
I need us to slow things down.
私たちの関係をゆっくり進める必要があります。
曖昧さを残したくないときは、I’d like to remain friends.(友人のままでいたいです)のように希望する関係を具体的に伝えます。
壁を作る・敬遠するとの違い
put up walls は、傷つくことを恐れて心理的に心を閉ざすニュアンスです。
keep one’s distance や steer clear of は、特定の相手を避けたり距離を取ったりする意味です。
set boundaries は、関係を続けながらルールや限界を示すことができます。必ずしも相手を拒絶する表現ではありません。
境界を穏やかに伝える型
境界を伝えるときは、相手を責める You always … より、自分を主語にする I need … が使いやすいです。
- I appreciate …, but I need …(~には感謝していますが、私は~が必要です)
- I’m happy to …, but I can’t …(~は喜んでしますが、~はできません)
- I’m not comfortable with …(~には抵抗があります)
- Please ask me before …(~する前に確認してください)
I appreciate your concern, but I need to make this decision myself.
心配してくれることには感謝していますが、この決断は自分でする必要があります。
相手の意図を認め、自分の必要を伝え、具体的な希望を示す。この順番にすると線引きが伝わりやすくなります。
境界を越える・尊重する英語
He crossed a boundary.
彼は一線を越えました。
That crossed the line.
それは一線を越えています。
Thank you for respecting my boundaries.
私の境界を尊重してくれてありがとう。
cross a boundary は個人的な境界を越えること、cross the line は許容範囲を越えた不適切な行為を表します。
draw the line で線を引き、相手がそれを越えると cross the line になる、とセットで覚えると分かりやすいでしょう。
よくある間違い
× I pull a line.
日本語の「線を引く」を直訳しても、人間関係の境界を表す英語にはなりません。
I set boundaries. または I draw the line. を使いましょう。
△ I keep a distance.
物理的な距離のように聞こえることがあります。特定の人との距離なら I keep my distance from him. の形が自然です。
関係のルールを設ける意味なら I set boundaries. が合います。
× I make a boundary.
boundary と一緒に使う基本動詞は set です。set a boundary / set boundaries と言いましょう。
ミニ会話で確認
A: Can I call you tonight about work?
今夜、仕事のことで電話してもいい?
B: Could we talk tomorrow? I don’t take work calls at night.
明日にできる?夜は仕事の電話を受けないんです。
A: Why didn’t you tell me about your decision?
どうして決断について話してくれなかったの?
B: I value your advice, but I need to make some decisions on my own.
あなたの助言は大切ですが、自分で決める必要があることもあります。
A: Would you like to have dinner, just the two of us?
二人だけで夕食に行かない?
B: Thank you, but I’d prefer to keep things professional.
ありがとう。でも仕事上の関係にとどめたいです。
人間関係の境界に関する関連記事
まとめ
健全な意味で「一線を引く」なら set boundaries。許容できない限界を示すなら draw the line を使います。
仕事と私生活を分けるなら keep things professional。難しければ This is too much for me. や I need some time alone. のように、自分に必要なことを短く伝えれば十分です。
境界は相手を遠ざける壁とは限りません。お互いが無理をせず、関係を長く保つためのルールにもなります。
まずは I appreciate that, but I need … の型を使い、相手を尊重しながら自分の限界を伝えてみましょう。









