
addressと聞くと、多くの人が最初に思い浮かべるのは「住所」でしょう。ところが、英語ではaddress the audienceで「聴衆に向かって話す」、address the problemで「問題に取り組む・対処する」という意味にもなります。
「住所」と「問題への対処」は、どうつながるのでしょうか。学習者向けに整理すると、addressの中心には「人・物・言葉・注意を、特定の相手や対象へ向ける」という感覚があります。
手紙なら届ける先を示し、言葉なら聞き手へ向け、注意や行動なら問題へ向けます。日本語訳は変わっても、対象を定め、そこへ何かを向ける点は共通しています。
しゅみすけ(大山俊輔)
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addressの主な意味を一覧で確認
| 表現 | 自然な日本語 | 向けるもの・対象 |
|---|---|---|
| my home address | 自宅住所 | 人や郵便物が行き着く場所 |
| address an envelope | 封筒に宛名を書く | 郵便物を届け先へ向ける |
| address the audience | 聴衆に演説する | 言葉を聴衆へ向ける |
| address her as Ms. Lee | 彼女をリーさんと呼ぶ | 決まった呼び方を人へ向ける |
| address the problem | 問題に取り組む | 注意や行動を問題へ向ける |
| address the question | 質問を取り上げる | 説明や回答を質問へ向ける |
辞書では名詞・動詞の各語義を分けて示します。それぞれの正確な使い方を確認することは大切です。そのうえで「対象へ向ける」という共通の景色を持つと、初めて見る文でも意味を推測しやすくなります。
addressのコアイメージは「対象へ向ける」
addressは、古い用法では「方向づける・狙いを定める」という意味でも使われてきました。現代の用法でも、誰・何を対象にしているかが重要です。
- 郵便物を届け先へ向ける
- 言葉を聞き手へ向ける
- 呼び名を相手へ向ける
- 注意や行動を問題へ向ける
つまり、addressは「対象が定まっていない状態」から、向かう先をはっきりさせる働きをします。

ここでは複数の辞書的意味を無理に一つへまとめるのではなく、学習者が理解しやすい見方として「対象へ向ける」という共通点を使っています。実際の日本語訳は、何をどこへ向ける場面なのかによって変わります。
なぜaddressが「住所」になるの?
住所は、人・建物・組織などがどこにあるか、どこへ連絡や郵便物を届ければよいかを示す情報です。言い換えると、目的地を特定するための目印です。
- What’s your address?
住所はどこですか。 - Please enter your home address.
自宅住所を入力してください。 - I sent it to the wrong address.
間違った住所へ送りました。 - Could I have your email address?
メールアドレスを教えていただけますか。
email addressも、電子メールをどの相手・アカウントへ届けるかを示す「行き先」です。street addressと形は違っても、情報が届く場所を指定する働きは同じです。
動詞addressは「宛名を書く」
- Please address the envelope clearly.
封筒の宛名をはっきり書いてください。 - The letter was addressed to me.
その手紙は私宛てでした。 - Who should I address this package to?
この荷物は誰宛てにすればよいですか。
封筒に文字を書くだけではなく、郵便物の進む先を定めるところにaddressらしさがあります。
なぜaddressが「話しかける・演説する」になるの?
言葉を特定の人や集団へ向けると、addressは「話しかける」「正式に話す」「演説する」を表します。単なるおしゃべりより、誰に向けた発言かがはっきりしている用法です。
- The president addressed the nation.
大統領は国民に向けて演説しました。 - She addressed the audience in English.
彼女は聴衆に英語で話しました。 - He addressed his remarks to young entrepreneurs.
彼は若い起業家に向けて発言しました。 - May I address the committee?
委員会に発言してもよろしいですか。
talk toは日常的な「〜と話す」に広く使えます。一方、address an audienceは、聴衆・会議・国民などに向けた、まとまりのある発言や比較的正式な場面に自然です。
| 表現 | 主な場面 | 響き |
|---|---|---|
| talk to someone | 人と話す・相談する | 日常的 |
| speak to someone | 人に話す・人と話す | 中立的 |
| address an audience | 聴衆に向けて話す | 対象が明確でやや正式 |
しゅみすけ(大山俊輔)
address 人 as 呼び名の仕組み
address A as Bは、「AをBという呼び方で呼ぶ」という形です。ここでも、特定の呼び名を相手へ向けています。
- Please address me as Ken.
私のことはケンと呼んでください。 - How should I address her?
彼女を何とお呼びすればよいですか。 - He addressed the judge as “Your Honor.”
彼は裁判官をYour Honorと呼びました。 - You can address her as Ms. Lee.
彼女はMs. Leeとお呼びすれば大丈夫です。
call A Bも「AをBと呼ぶ」を表しますが、address A as Bは敬称・肩書・正式な呼び方を尋ねたり説明したりする場面でよく使われます。
なぜaddress the problemが「問題に対処する」になるの?
問題に対して、注意・議論・時間・行動を向けると、放置していた問題を正式に取り上げることになります。そこからaddressは「問題を扱う・取り組む・対処する」という意味になります。
- We need to address this problem now.
私たちは今、この問題に対処する必要があります。 - The new policy addresses safety concerns.
新しい方針は安全上の懸念に対応しています。 - Let’s address the main issue first.
まず中心的な問題を取り上げましょう。 - The report fails to address the cause.
その報告書は原因を取り上げていません。
ここで注意したいのは、addressしたから必ず問題が解決したとは限らないことです。問題へ注意を向け、議論や対応を始めるところまでを表せます。
address・solve・fixの違い
| 動詞 | 中心 | 結果まで含む? |
|---|---|---|
| address | 問題を取り上げて対応する | 解決済みとは限らない |
| solve | 問題の答え・解決策を得る | 解決を表す |
| fix | 壊れた状態や不具合を直す | 直した結果を意識しやすい |
- We addressed the complaint, but the issue remains.
苦情には対応しましたが、問題は残っています。 - We solved the problem.
私たちは問題を解決しました。 - We fixed the error.
私たちはそのエラーを修正しました。
issueの意味については、issueの意味はなぜ多い?でも詳しく解説しています。
addressとhandle・deal withの違い
「対処する」と訳せる表現は一つではありません。それぞれ見ているところが少し違います。
| 表現 | 感覚 | 例 |
|---|---|---|
| address | 問題を対象に定め、注意や対応を向ける | address the concern |
| handle | 担当として扱い、うまくさばく | handle the complaint |
| deal with | 問題・人・状況と向き合う | deal with the situation |
Who will handle this?なら「誰が担当して処理するのか」が焦点です。We need to address this.なら「これを放置せず、正式に取り上げよう」という響きになりやすいでしょう。
handleの意味の広がりは、handleが「対処する」になるのはなぜ?で解説しています。場面別の比較は、「対応する」は英語で?handle・deal with・respond toの違いも参考にしてください。
日本人が間違えやすいポイント
address to the problemとは言わない
「問題に向けて」という日本語感覚からtoを入れたくなりますが、動詞addressは目的語を直接取ります。
- × We must address to the problem.
- ○ We must address the problem.
address a problemは「住所を書く」ではない
addressの直後にproblem・issue・concern・needなどが来たら、通常は「取り上げる・対応する」という意味です。
- address a problem:問題に対処する
- address an issue:論点・問題を取り上げる
- address a concern:懸念に対応する
- address a need:必要性に応える
話しかけるなら何でもaddressではない
駅で人に道を尋ねる、友達に声をかけるなどの日常場面では、talk to、speak to、askなどが自然です。addressは誰かに正式に言葉を向ける、特定の呼び方をする、という場面で使います。
会話で使えるaddressの例
A: What’s the purpose of today’s meeting?
今日の会議の目的は何ですか。
B: We need to address the recent customer complaints.
最近の顧客からの苦情に対応する必要があります。
A: Has the software issue been solved?
ソフトウェアの問題は解決しましたか。
B: Not yet, but the team is addressing it.
まだですが、チームが対応中です。
A: How should I address the new client?
新しい顧客を何とお呼びすればよいですか。
B: You can address her as Dr. Brown.
Dr. Brownとお呼びすれば大丈夫です。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ|addressは「行き先・相手・問題」を定める
addressの意味は、次のように整理できます。
- 郵便物や連絡の行き先を示す:住所・アドレス
- 封筒の届け先を定める:宛名を書く
- 言葉を聴衆へ向ける:話す・演説する
- 呼び名を相手へ向ける:〜と呼ぶ
- 注意や対応を問題へ向ける:取り上げる・対処する
日本語訳を一つずつ暗記するより、文の中で何を、誰・何へ向けているのかを見ると、addressの意味を判断しやすくなります。
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