miss to doが不自然なのはなぜ?miss doingの「恋しい・し損なう」を解説

miss to doは不自然でmiss doingが自然だと示すアイキャッチ

「あなたと話していた時間が恋しい」と言いたくて、I miss to talk with you. としていませんか。

結論からいうと、missの後ろに行為を置く基本形はmiss doingです。

  • I miss to talk with you.
  • I miss talking with you.
    あなたと話していた時間が恋しいです。

miss doingには、大きく分けて次の2つの使い方があります。

  1. 以前していた行為がなくて寂しい・恋しい
  2. 行為をする機会を逃した・し損なった

どちらも、doingで表した「行為・経験のまとまり」が、自分の現在や経験から欠けている景色です。

しゅみすけ(大山俊輔)

missの後ろでは「これから何をする?」ではなく、「どの経験が今ここにない?」と考えてみましょう。その経験をdoingで一つのまとまりにします。

結論:missの後ろに行為を置くならdoing

意味
miss+人・物 いなくて寂しい/見逃す/乗り損なう miss you / miss the train
miss+doing 〜することが恋しい/〜し損なう miss talking / miss seeing
miss+chance/opportunity to do 〜する機会を逃す miss the chance to talk

miss to doは標準的な英語では通常使いません。「〜し忘れた」ならforget to do、「〜できなかった」ならfail to doなど、意図に合う別の動詞を使います。

miss doingの恋しいとし損なうという2つの意味を示す図

学校文法ではどう説明される?

学校文法では、missは「動名詞を目的語に取る動詞」と説明されます。動名詞とは、動詞に-ingを付け、文の中で名詞のように働かせる形です。

I miss living near the sea.
海の近くで暮らしていたころが恋しいです。

living near the sea全体が「何を恋しく思うのか」に答える目的語です。British Councilも、missを-ing形が続く動詞の一つに挙げています。

このルールは正確です。ただし「missの後ろは-ing」とだけ覚えると、「人が恋しい」と「行為をし損なう」がなぜ同じmissで表せるのか分かりにくいかもしれません。

missのコアイメージは「あるはずのものが届かない」

missには、ばらばらに見える意味があります。

  • I miss you.:あなたがいなくて寂しい
  • I missed the train.:電車に乗り損なった
  • I missed the target.:的を外した
  • I missed what she said.:彼女の言葉を聞き取れなかった

共通するのは、人・乗り物・的・情報など、自分とつながるはずだった対象に届かないことです。

doingが後ろに来ると、対象が物ではなく行為・経験になります。

  • miss working with the team:チームと働く経験が今はない
  • miss seeing the beginning:冒頭を見る経験を取り逃す

ここでは学習者が理解しやすい見方として「経験が自分のところにない」と説明しています。ただし、doingとto doの選択は動詞ごとに定着した語法でもあります。イメージだけで全動詞を断定せず、miss doingという型も例文と一緒に覚えましょう。

意味1:以前していたことが恋しい

今はしていない活動を懐かしく思うとき、現在形のmiss doingをよく使います。

  • I miss talking with you.
    あなたと話していた時間が恋しいです。
  • She misses living in London.
    彼女はロンドンで暮らしていたころを恋しく思っています。
  • We miss having dinner together.
    私たちは一緒に夕食を食べていた時間が恋しいです。
  • He misses playing soccer with his friends.
    彼は友達とサッカーをしていたころを懐かしく思っています。

この用法では、doingの行為は以前の習慣や経験として存在していました。今はそれがないため、心の中に空白を感じています。

意味2:する機会を逃す・し損なう

missは「予定・期待されていた経験をしないまま終わる」という意味でも使えます。

  • I missed seeing her at the station.
    駅で彼女に会い損ないました。
  • We missed hearing the announcement.
    私たちはそのアナウンスを聞き損ないました。
  • He narrowly missed being hit by the car.
    彼はもう少しで車にはねられるところでした。

ただし、I missed talking with her.のような短い文は、文脈によって「彼女と話していたころが恋しかった」と「彼女と話し損なった」の両方に読める場合があります。

「機会を逃した」と確実に伝えたいなら、次の形が明確です。

  • I missed the chance to talk with her.
    彼女と話す機会を逃しました。
  • I didn’t get a chance to talk with her.
    彼女と話す機会がありませんでした。

しゅみすけ(大山俊輔)

短いmissed doingは文脈で意味が揺れることがあります。会話で誤解を避けたいときは、missed the chance to doを使えば「機会を逃した」とはっきり伝わります。

なぜmiss to doではないの?

to不定詞は、これから実現する行為、目的、意思などと結び付きやすい形です。

  • want to talk:これから話したい
  • plan to talk:これから話す計画を立てる
  • promise to talk:これから話すと約束する

一方、missは行為を未来へ送り出す動詞ではありません。行為・経験が今ないことを感じたり、その機会が自分を通り過ぎたことを表したりします。そのため、行為を一つの経験としてまとめるdoingが続く型が定着しています。

表現 見ている方向
want to talk これから話す方向へ気持ちが向く
plan to talk これから話す行為を計画する
miss talking 話す経験が今ないことを感じる

miss doingとforget to doの違い

日本語ではどちらも「〜し損なう」と訳せますが、焦点が違います。

  • I forgot to call her.
    彼女に電話するのを忘れました。
  • I missed the chance to call her.
    彼女に電話する機会を逃しました。

forget to doは、記憶から抜けて行為を実行しなかったこと。missは、機会やタイミングが通り過ぎ、経験に届かなかったことです。

miss doingとmiss out on doingの違い

miss out on doingは、よい経験・機会・利益を得られず「損をする」というニュアンスをはっきり出します。

  • I missed seeing the final scene.
    最後の場面を見損ないました。
  • I missed out on seeing the final scene on the big screen.
    最後の場面を大画面で見る貴重な機会を逃しました。

miss doingは単に経験しなかったことも表せます。miss out on doingは「本来なら得られたのに、参加できず損をした」という残念さが強くなります。

miss having doneは使える?

miss having doneは文法的に可能で、過去にしていた経験を今恋しく思うことを明示できます。

  • I miss having lived near my family.
    家族の近くで暮らしていたころが恋しいです。
  • She misses having worked with that team.
    彼女はそのチームと働いていた経験を懐かしく思っています。

ただし、多くの場合は短いmiss livingmiss workingで十分です。前後関係を特に強調したいときだけhaving doneを使えばよいでしょう。

日本人がmiss to doを作りやすい理由

1.「〜すること」を全部to doにする

doingもto doも日本語では「〜すること」と訳せます。しかし英語では、前の動詞ごとに自然な型が異なります。

2.「し損なう」を未来の未実行だと考える

行為をしなかったのだからto doに見えますが、missが捉えるのは「これからする行為」ではなく、すでに通り過ぎた経験です。

3.miss youの後ろにも動詞をそのまま置く

miss youのyouは名詞相当の目的語です。同じ場所へ行為を置くには、doingで名詞のように扱います。

会話で使えるmiss doingの例文

  • I miss chatting with you after work.
    仕事の後にあなたと話していた時間が恋しいです。
  • Do you miss living in Japan?
    日本で暮らしていたころが恋しいですか。
  • I really miss working with everyone.
    みんなと働いていた時間が本当に恋しいです。
  • She misses seeing her grandchildren every week.
    彼女は毎週孫に会っていたころを恋しく思っています。
  • We missed hearing the first part.
    私たちは最初の部分を聞き損ないました。
  • Don’t miss seeing the night view.
    その夜景を見るのをお見逃しなく。

よくある間違いを直してみよう

  • I miss to talk with you.
    I miss talking with you.
  • She misses to live near her family.
    She misses living near her family.
  • We missed to hear the announcement.
    We missed hearing the announcement.
  • I missed to call her.
    → 忘れたなら I forgot to call her.
    機会を逃したなら I missed the chance to call her.

迷ったときの3秒判定

  1. 人・物・乗り物が対象? → miss+名詞
  2. 以前の活動が恋しい? → miss+doing
  3. 行為をし損なった? → miss+doing、明確にするならmiss the chance to do
  4. 単に忘れた? → forget to do

しゅみすけ(大山俊輔)

まずは「I miss doing…=以前していたことが恋しい」を会話の型にしましょう。昔の仕事、住んでいた場所、誰かとの習慣など、自分の思い出を入れると覚えやすくなります。

まとめ:miss doingは「経験がここにない」

  • missの後ろに行為を置く基本形はmiss doing
  • miss to doは標準的な英語では通常使わない
  • 以前していた活動がなくて恋しいときに使える
  • 行為をする機会を逃した意味にもなる
  • 曖昧さを避けるならmiss the chance to doが明確
  • 忘れて実行しなかったならforget to do

doingとto doを取る動詞の全体像は、be:RIZEの不定詞と動名詞の使い分け|to do・doingを取る動詞と意味の違いで体系的に解説しています。

同じdoing型を感覚で理解したい方は、b-cafe.netのpractice to doが不自然なのはなぜ?practice doingになる理由と、admit to doが不自然なのはなぜ?admit doingとの違いも参考にしてください。

参考:British Council: Verbs followed by ‘-ing’ or infinitiveBritish Council: Verbs followed by the ‘-ing’ formCambridge Dictionary: miss

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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