
「彼は辞めると脅した」を英語にするとき、threatened quitting と threatened to quit のどちらを使うのでしょうか。
結論からいうと、動詞のthreatenの後ろに「起こすと脅した行為」を置くなら、基本形はthreaten to doです。
- He threatened to quit.
彼は辞めると脅しました。 He threatened quitting.
threaten は、すでに起きている活動を説明するのではなく、「言うことを聞かなければ、これからこうする」と未来の行為を相手に見せる動詞です。
しゅみすけ(大山俊輔)
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threaten doingではなくthreaten to doが基本
学校文法では、threatenは「後ろにto不定詞を取る動詞」と説明されます。to不定詞とは、to + 動詞の原形 の形です。
- She threatened to call the police.
彼女は警察を呼ぶと言いました。 - They threatened to cancel the contract.
彼らは契約を取り消すと脅しました。 - He threatened not to come back.
彼はもう戻らないと言って脅しました。
British Councilの文法資料でも、threatenはagree・promise・refuseなどと同じく、後ろにto不定詞を取る「発言に関する動詞」として整理されています。
threatenは未来の行為を相手に突きつける

Cambridge Dictionaryでは、threatenの基本的な場面を、相手が望む行動をしなければ「傷つける・問題を起こす」と伝えることとして説明しています。
Do what I say, or I’ll leave.
言うとおりにしろ。さもないと出ていく。
これを後から説明すると、次の形になります。
He threatened → to leave.
脅した時点では、leaveという行為はまだ実行されていません。話し手は、相手にとって困る未来の可能性を目の前に差し出しています。
ここでは、to を今の発言から未来の行為へ伸びる矢印のように捉えると分かりやすいでしょう。
ただし、動詞の後ろの型をイメージだけですべて予測できるわけではありません。ここでは学習者向けの理解としてこの景色を使い、threaten to doという語法とセットで覚えてください。
なぜthreaten doingは不自然なの?
doing は、行為をひとまとまりの活動・出来事として扱うときによく使われます。一方、threatenで問題になる行為は、脅した時点ではまだ現実になっていません。
「これからこうする可能性がある」と相手へ向けるため、to doを使う型が定着しています。
- The workers threatened to strike.
労働者たちはストライキをすると警告しました。 The workers threatened striking.
後者は、通常の「ストライキをすると脅した」という意味を表す標準的な形にはなりません。
しゅみすけ(大山俊輔)
threaten to doでは誰が行為をする?
threaten to doの行為をするのは、文の主語です。
Lisa threatened to tell my boss.
リサは私の上司に話すと脅しました。
上司に話すのはLisaです。脅された相手が話すわけではありません。
これは次のような動詞とは異なります。
- Lisa told me to leave.
リサは私に出ていくよう言いました。 - Lisa threatened to leave.
リサは自分が出ていくと脅しました。
tell 人 to do では人が行為をしますが、threaten to do ではthreatenの主語が行為をします。
threaten me to doは自然?
「私を脅して〜させる」を日本語の順番で考え、He threatened me to sign. としやすいのですが、通常はこの型を使いません。
「脅して人に〜させる」は、threaten 人 into doing で表せます。
He threatened me into signing the document.
彼は私を脅して、その書類に署名させました。
into には「外から中へ入れる」向きがあり、脅された人を行為の中へ追い込む景色です。
一方、「自分が〜すると脅す」ならthreaten to doです。
- He threatened to report me.
彼は私を通報すると脅した。 - He threatened me into admitting it.
彼は私を脅して、それを認めさせた。
threaten 人 with 名詞の使い方
脅しに使う物・行為・結果を名詞で示すなら、threaten 人 with 名詞を使います。
- They threatened him with legal action.
彼らは法的措置を取ると言って彼を脅しました。 - She threatened me with dismissal.
彼女は解雇を持ち出して私を脅しました。
このwithは「何を手段・材料として脅したか」を示します。
| 形 | 見せるもの | 例 |
|---|---|---|
| threaten to do | 主語がこれからする行為 | threaten to sue |
| threaten 人 with 名詞 | 相手に突きつける物・結果 | threaten him with a lawsuit |
| threaten 人 into doing | 相手を追い込んでさせる行為 | threaten him into paying |
threaten to doは「脅す」以外にも使う
threatenの主語は人だけではありません。天候・問題・状況などが主語になると、「悪いことが起こりそうだ」「〜を危うくする」という意味になります。
- The storm threatens to destroy the crops.
嵐で作物が壊滅するおそれがあります。 - Rising costs threaten to close the business.
費用の上昇によって、その事業は閉鎖に追い込まれかねません。 - Dark clouds threatened to ruin our picnic.
暗い雲のせいで、ピクニックが台無しになりそうでした。
雲や費用が言葉で脅しているわけではありません。「この先に悪い結果が迫っている」という未来への向きが、人の脅しから比喩的に広がっています。
promise to doと何が違う?
promiseもthreatenも、発言の後に未来の行為を置くためto doを取ります。ただし、相手に見せる未来の価値が反対です。
- I promise to help you.
相手にとって望ましい未来を約束する。 - I threaten to expose you.
相手にとって望ましくない未来を突きつける。
どちらも「今の発言→これからの行為」という時間関係を持ちますが、promiseは安心や責任、threatenは圧力や危険を伝えます。
日本人が間違えやすい3つのポイント
- 「〜すること」を何でもdoingにしない
threatenの直後に行為を置く基本形はto doです。 - threaten 人 to doにしない
主語がするならthreaten to do、人を脅してさせるならthreaten 人 into doingです。 - 人以外の主語を見落とさない
状況が主語なら「〜するおそれがある」という意味になります。
会話やニュースで使われる例文
- He threatened to leave if nothing changed.
何も変わらなければ辞めると彼は言いました。 - She threatened to take the matter to court.
彼女はその件を裁判に持ち込むと警告しました。 - The company threatened to cut jobs.
会社は人員削減を行う可能性を示しました。 - The disagreement threatens to delay the project.
その意見の不一致で、プロジェクトが遅れるおそれがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ:threaten to doは困る未来を相手に見せる
- 「〜すると脅す・警告する」は基本的にthreaten to do
- threaten doing は通常この意味では使わない
- to doを行うのはthreatenの主語
- 物・結果を使って脅すならthreaten 人 with 名詞
- 人を脅して行為へ追い込むならthreaten 人 into doing
- 人以外が主語なら「〜するおそれがある」に意味が広がる
to不定詞と動名詞の仕組みは、be-rize.comの「不定詞と動名詞の使い分け」と「to不定詞を未来へ向かう矢印で理解する」で体系的に確認できます。
同じ「今の発言から未来の行為へ向かう」動詞は、「promise doingが不自然なのはなぜ?」と「offer doingが不自然なのはなぜ?」を比較すると理解が深まります。










