
a dime a dozen は、「ありふれていて珍しくない」「いくらでも見つかる」という意味の英語イディオムです。
ただ「数が多い」と言うだけではなく、文脈によってはたくさんあるので特別な価値を感じないという、少し否定的な評価まで含みます。人について使うと失礼に聞こえることもあるため、ニュアンスまで理解しておきましょう。
Contents
a dime a dozenの意味
a dime a dozen の基本的な意味は、次のとおりです。
- ありふれている
- 珍しくない
- 安く、簡単に手に入る
- 同じようなものがいくらでもある
典型的には be a dime a dozen の形で使います。
Cheap phone cases are a dime a dozen online.
安いスマホケースなら、ネット上にいくらでもあります。
Good ideas are common, but people who act on them aren’t a dime a dozen.
良いアイデアはよくありますが、それを実行する人はいくらでもいるわけではありません。
直訳「1ダースで10セント」から、なぜこの意味になる?
dime はアメリカの10セント硬貨、dozen は12個です。したがって直訳すると「12個で10セント」。12個まとめてもわずかな金額なので、大量にあり、安く手に入り、希少価値がないというイメージにつながります。
つまり、感覚の流れは次のようになります。
12個で10セント → とても安い → たくさん出回っている → 珍しくも特別でもない
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
a dime a dozen は、単純な「よくある」よりも、代わりがいくらでもあるため、特別扱いするほどではないという評価を帯びやすい表現です。
Cafés like this are a dime a dozen in this neighborhood.
この辺りでは、こういうカフェは珍しくありません。
この文は、客観的に数が多いことだけでなく、「似た店が多く、この店だけが特別というわけではない」という響きにもなります。
物・店・アイデア・アプリ・求人広告などには自然に使えます。一方、人に直接使うと「あなたの代わりはいくらでもいる」のように聞こえる場合があります。
Designers like him are a dime a dozen.
彼のようなデザイナーはいくらでもいます。
文法的には正しくても、本人や同業者の前ではかなり辛辣です。
よく使う形と語順
複数名詞+are a dime a dozen
もっとも一般的な形です。
Travel apps are a dime a dozen these days.
最近では旅行アプリは珍しくありません。
Opinions are a dime a dozen on social media.
SNSには意見がいくらでもあります。
単数でも使える?
表現の中の a dozen に引っ張られやすいのですが、主語に合わせてbe動詞を決めます。通常は「同種のものが多数ある」という意味なので、複数主語が自然です。
That kind of excuse is a dime a dozen.
そういう言い訳はありふれています。
このように、that kind of+単数名詞なら is を使えます。
自然な例文
仕事
Resumes with similar skills are a dime a dozen.
似たスキルが書かれた履歴書はいくらでもあります。
Anyone can suggest a new feature. Practical plans aren’t a dime a dozen.
新機能の提案なら誰でもできます。実行可能な計画はそう簡単には見つかりません。
買い物・暮らし
Those souvenirs are a dime a dozen near the station.
そういうお土産は駅の近くならどこにでもあります。
Basic white T-shirts are a dime a dozen, but this one fits perfectly.
普通の白いTシャツならいくらでもありますが、これはサイズがぴったりです。
人間関係
Dating advice is a dime a dozen, but every relationship is different.
恋愛のアドバイスはいくらでもありますが、どの関係もそれぞれ違います。
旅行
Tourist restaurants are a dime a dozen here. Let’s find a place locals love.
ここには観光客向けの店がいくらでもあります。地元の人に人気の店を探しましょう。

common・easy to findとの違い
common:中立的に「一般的・よくある」
common は、頻度や分布を客観的に表すことができます。価値が低いという評価は必ずしも含みません。
This spelling mistake is common among beginners.
このつづりの間違いは初心者によく見られます。
easy to find:簡単に見つかる
easy to find は入手・発見のしやすさを直接述べる表現です。「ありふれて価値が低い」という評価はありません。
Convenience stores are easy to find in Tokyo.
東京ではコンビニを簡単に見つけられます。
a dime a dozen:多すぎて特別ではない
a dime a dozen は、数の多さに加えて「希少ではない」「代わりがある」という話し手の評価が出やすいのが特徴です。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
「安い」とだけ訳さない
由来には安さがありますが、現代の会話では実際の値段が安いとは限りません。中心は「大量に存在して珍しくない」です。
人への使用には注意する
People like you are a dime a dozen. は、「あなたのような人はいくらでもいる」という侮辱になり得ます。人を評価する場面では、意図せず傷つけないよう注意しましょう。
否定形も便利
not a dime a dozen は、「どこにでもいる・あるわけではない」、つまり希少性を強調できます。
Reliable babysitters aren’t a dime a dozen.
信頼できるベビーシッターは、どこにでもいるわけではありません。
出てこないときの簡単な言い換え(しゅみすけ式)
a dime a dozen がすぐに出てこなくても、意味を直接言えば十分伝わります。
- There are many of them.(それはたくさんあります)
- They are very common.(それはとても一般的です)
- You can find them everywhere.(どこでも見つけられます)
- They are not special.(それは特別ではありません)
たとえば Cheap cafés are a dime a dozen here. が出なければ、There are many cheap cafés here. で問題ありません。
関連表現も一緒に確認
お金を使った英語らしい比喩をまとめて知りたい方は、お金の英語イディオム18選も参考になります。
反対に「非常に高い」を表す表現は、cost an arm and a legの意味・使い方で詳しく解説しています。
ほかの定番表現を探す場合は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。
まとめ
a dime a dozen は、「ありふれていて珍しくない」「いくらでもある」という意味です。直訳の「12個で10セント」から、大量に出回っていて希少価値が低いイメージが生まれました。
common よりも「特別ではない」という評価を含みやすく、人に使うと失礼になることがあります。まずは Ideas are a dime a dozen. のような短い形で、物やアイデアについて使ってみましょう。











