
ホテル代や修理代を見て、「高い」だけでは足りないほど驚いたことはありませんか。そんなとき、英語では cost an arm and a leg という印象的なイディオムを使えます。
直訳は「腕一本と脚一本ほどの代価がかかる」。もちろん、本当に身体の一部を支払うわけではありません。それほど大きな犠牲に感じるくらい、ものすごく高いという誇張表現です。
Contents
cost an arm and a legの意味
cost an arm and a leg は、「ものすごく高い」「非常に高額である」「目玉が飛び出るほど値段が高い」という意味のカジュアルなイディオムです。
That bag costs an arm and a leg.
そのバッグはものすごく高いです。
Our hotel room cost an arm and a leg.
私たちのホテル代は非常に高額でした。
単に価格が平均より高いだけでなく、話し手が「高すぎる」「かなりの出費だった」と感じていることまで伝わります。そのため、値段を客観的に報告する表現というより、驚きや不満を込めた会話表現です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「腕と脚」が「ものすごく高い」になる?
arm は腕、leg は脚です。どちらも人にとって取り替えのきかない大切なもの。それを代価として差し出さなければならないと想像すれば、普通のお金では足りないほど大きな犠牲になります。
このあり得ない交換を使って、腕と脚を失うほどの代価 → とても払えないほど高いと誇張しているわけです。

日本語の「目玉が飛び出るほど高い」も、本当に目玉が飛び出すわけではありません。身体を使った強い誇張で驚きを表す点はよく似ています。
基本の語順:物+cost+人+an arm and a leg
cost は「費用がかかる」という動詞です。最も基本的な形は、値段の高い物やサービスを主語にします。
物・サービス+cost(s)+an arm and a leg
This apartment costs an arm and a leg.
このアパートはものすごく家賃が高いです。
The repairs cost an arm and a leg.
修理には莫大なお金がかかりました。
「誰にとって大きな出費だったか」を入れる場合は、costの後ろに人を置きます。
物・サービス+cost+人+an arm and a leg
The wedding cost us an arm and a leg.
その結婚式には、私たちはものすごいお金を使いました。
That last-minute flight cost me an arm and a leg.
直前に取ったその航空券は、私にとって非常に高い出費でした。
costの現在形・過去形に注意
cost の過去形も cost です。現在形で主語が三人称単数なら costs、過去なら主語に関係なく cost になります。
- It costs an arm and a leg.
それはものすごく高いです。 - It cost an arm and a leg.
それはものすごく高かったです。
It costed an arm and a leg. とは通常言いません。また、疑問文と否定文では原形のcostを使います。
Did it cost an arm and a leg?
それはものすごく高かったの?
It didn’t cost an arm and a leg.
それほど高くはありませんでした。
場面別の自然な例文
買い物
A: I love those shoes.
A:その靴、すてきだね。
B: Thanks, but they cost an arm and a leg.
B:ありがとう。でも、ものすごく高かったの。
海外旅行
Eating near the tourist attraction cost us an arm and a leg.
観光名所の近くでの食事は、私たちには非常に高くつきました。
A taxi from the airport can cost an arm and a leg at night.
夜に空港からタクシーへ乗ると、ものすごく高くなることがあります。
家庭・暮らし
Replacing the air conditioner cost an arm and a leg.
エアコンの交換には大金がかかりました。
Houses in this neighborhood cost an arm and a leg.
この地域の住宅はものすごく高いです。
恋愛・イベント
You don’t need a ring that costs an arm and a leg.
ものすごく高い指輪である必要はありません。
The concert tickets cost me an arm and a leg, but the show was amazing.
コンサートのチケットは非常に高かったですが、公演は最高でした。
仕事
Custom software can cost a small company an arm and a leg.
特注ソフトウェアは、小さな会社にとって莫大な費用になることがあります。
ネイティブが感じるニュアンス
金額ではなく「高すぎる感覚」を伝える
cost an arm and a legは、具体的な値段を伝える表現ではありません。同じ10万円でも、商品や人の予算によって高く感じるかは変わります。このイディオムは、話し手にとって負担が大きかったことを伝えます。
冗談や大げさな愚痴と相性がよい
身体を代価にするという明らかな誇張なので、日常会話では少しユーモラスに聞こえます。
A coffee at the airport almost cost me an arm and a leg!
空港のコーヒー、びっくりするほど高かったよ!
almost を加えると、「危うく腕と脚を取られるところだった」と冗談めかした印象になります。
基本的には金銭的な高さに使う
時間や努力が大変だったことを言うなら、通常は take a lot of time や require a lot of effort のほうが自然です。cost an arm and a legは、主に物・サービス・費用が高い場面で使います。
expensiveとの違い
expensive は「高価な」を表す最も一般的な形容詞です。冷静な説明にも、不満のある会話にも使えます。
The hotel is expensive.
そのホテルは高いです。
The hotel costs an arm and a leg.
そのホテルはものすごく高いです。
後者には「高すぎる」「大きな出費になる」という感情と誇張が加わります。ビジネス文書や価格比較ではexpensive、友達との会話で驚きを伝えるならcost an arm and a legが使いやすいでしょう。
pricey・cost a fortune・break the bankとの違い
pricey:ちょっと高め
pricey はカジュアルな「値段が高め」です。cost an arm and a legほど強烈ではありません。
The restaurant is nice, but a little pricey.
そのレストランは良いですが、少し値段が高めです。
cost a fortune:大金がかかる
cost a fortune も「莫大なお金がかかる」という強い表現です。fortuneは「財産・大金」。cost an arm and a legと近いですが、身体を使った大げさでユーモラスな絵はありません。
That renovation must have cost a fortune.
その改装には大金がかかったに違いありません。
break the bank:予算を使い果たす
break the bank は、単に値段が高いだけでなく、払うと予算や資金に大きな打撃がある感覚です。否定形の It won’t break the bank. は「それほど高くない」「財布には優しい」という宣伝や会話でよく使われます。
We want a nice hotel that won’t break the bank.
予算を圧迫しない、良いホテルを探しています。
value for money・worth the moneyとは何が違う?
cost an arm and a legは「値段の高さ」に注目します。一方、value for money と worth the money は、払った金額に見合う価値があったかを評価します。
It cost an arm and a leg, but it was worth the money.
ものすごく高かったですが、その金額を払う価値はありました。
このように「高かった」と「価値があった」は両立します。詳しい違いは、value for moneyの意味・使い方で確認できます。
日本人が間違えやすいポイント
arms and legsと複数にしない
定型は an arm and a leg です。腕一本と脚一本なので、それぞれ単数形にします。
冠詞anとaを落とさない
cost arm and leg ではなく、cost an arm and a leg を一つのかたまりで覚えましょう。armは母音の音で始まるためan、legにはaを使います。
人を主語にしてbuyの代わりにしない
基本は「物が費用を必要とする」という語順です。
× I cost an arm and a leg for this bag.
○ This bag cost me an arm and a leg.
このバッグは私にとってものすごく高い買い物でした。
○ I paid a lot for this bag.
私はこのバッグに大金を払いました。
しゅみすけ(大山俊輔)
しゅみすけ式:簡単な英語で言い換える
イディオムが出てこなくても、次の基本表現で十分に伝わります。
- It was very expensive.
とても高かったです。 - It cost a lot of money.
大金がかかりました。 - I paid a lot for it.
それにたくさんお金を払いました。 - It was too expensive for me.
私には高すぎました。 - I can’t afford it.
私にはそれを買う余裕がありません。
まずは It was very expensive. で伝え、会話に慣れたら It cost an arm and a leg. へ置き換えてみましょう。
まとめ
cost an arm and a leg は、「ものすごく高い」「非常に高額である」というカジュアルなイディオムです。腕と脚ほど大切なものを代価として失うという、あり得ないほど大きな犠牲から生まれる誇張表現です。
- It costs an arm and a leg.:それはものすごく高い
- It cost me an arm and a leg.:それは私にとって非常に高い出費だった
- costの過去形もcost
- expensiveより感情と誇張が強い
- priceyは「高め」、cost a fortuneは「大金がかかる」
- break the bankは「予算に大打撃を与える」
お金に関するほかの表現は、お金の英語イディオム18選や、英熟語・定型表現のまとめから確認できます。











