
act outには、大きく分けて「場面・物語を実際に演じて見せる」と「内側にある感情を行動で表す」という意味があります。
Let’s act out the conversation.
その会話を実際に演じてみましょう。
He acted out his frustration.
彼は不満を行動で表しました。
さらに、The child is acting out.のように目的語なしで使うと、特に子どもなどが不安やストレスを問題行動として表していることを意味します。この記事では、outの共通感覚、分離できる語順、自然な例文、act・pretend・act upとの違いまで整理します。
Contents
act outの意味をつなぐoutのイメージ
actは「行動する・演じる」、outは「内側から外へ出る」という感覚を持ちます。act outの複数の意味は、次のようにつながっています。
- 頭の中にある場面を、動作やせりふとして外へ出す
- 心の中にある感情を、行動として外へ出す
- 不安やストレスが、問題行動として外に表れる
日本語訳を別々に丸暗記するより、「内側にあるものを行動で見える形にする」と捉えると理解しやすくなります。
しゅみすけ(大山俊輔)
act outの3つの使い方

1.場面・会話・物語を演じて見せる
台本の一場面、会話、手順、出来事などを、動作やせりふを使って実演する意味です。演劇だけでなく、英語の授業、研修、説明にも使われます。
The students acted out a scene from the story.
生徒たちは物語の一場面を演じました。
Can you act out what happened at the station?
駅で何が起きたのか、動作で再現してもらえますか。
We acted out a customer complaint during the training.
研修で、顧客から苦情を受ける場面を実演しました。
2.感情・願望などを行動で表す
言葉で説明する代わりに、怒り、不満、不安、空想、願望などを行動として表す意味です。本人が意識的に表す場合も、無意識に出る場合もあります。
She was acting out the anger she couldn’t express in words.
彼女は言葉にできない怒りを、行動で表していました。
He acted out his fantasy of being a famous singer.
彼は有名歌手になる空想を実際に演じてみました。
Some people act out their fears instead of talking about them.
恐れについて話す代わりに、それを行動で表す人もいます。
3.acting out:問題行動を起こす
act outを目的語なしで使うと、特に子どもや若者が、怒り・不安・寂しさ・ストレスを乱暴な態度や反抗などで表すことを意味します。
He’s been acting out since his parents separated.
両親が別居してから、彼は問題行動を起こすようになっています。
The child may be acting out because she feels ignored.
その子は、自分が無視されていると感じて問題行動を起こしているのかもしれません。
単に「悪さをする」と決めつけるより、言葉にできない気持ちが行動へ出ている含みがあります。人を評するときには、事情を知らずに安易に使わないほうがよいでしょう。
act outの語順|act it outはなぜ間に入る?
「場面などを演じる」のact outは、目的語を取る分離可能な句動詞です。
名詞は2つの位置に置ける
act out a scene
一場面を演じる
act a scene out
一場面を演じる
どちらも文法的に可能ですが、act out a sceneの語順が分かりやすく一般的です。
代名詞はactとoutの間
目的語がit・themなどの代名詞なら、必ずactとoutの間に置きます。
○ Let’s act it out.
それを実際に演じてみましょう。
× Let’s act out it.
They read the dialogue and then acted it out.
彼らは会話文を読み、それから実際に演じました。
問題行動のact outは目的語なし
The child is acting out.では、act outの後ろに目的語を置きません。「その子が内面の問題を行動として表している」という一まとまりの意味です。
日常・学校・仕事で使える例文
学校・英語学習
Work in pairs and act out the dialogue.
ペアになって、その会話を演じてください。
I remember phrases better when I act them out.
フレーズを動作で演じると、よりよく覚えられます。
Let’s act out ordering food at a restaurant.
レストランで料理を注文する場面を演じてみましょう。
仕事・研修
We acted out both sides of the negotiation.
私たちは交渉の双方の役を実演しました。
Could you act out how you would greet the customer?
お客様にどう挨拶するか、実演してもらえますか。
家庭・子育て
Instead of asking for help, he started acting out.
助けを求める代わりに、彼は問題行動を起こし始めました。
She isn’t just being difficult; she may be acting out her anxiety.
彼女は単に扱いにくいのではなく、不安を行動で表しているのかもしれません。
恋愛・人間関係
He acted out his jealousy by checking her phone.
彼は彼女の携帯を確認することで、嫉妬心を行動に表しました。
We acted out the argument again to understand what went wrong.
何が悪かったのか理解するために、私たちは口論をもう一度再現しました。
act outとactの違い
act単独には、「行動する」「振る舞う」「俳優として演じる」などの意味があります。act outは、特定の場面・内容・感情を、行動を通して外へ表すことに焦点があります。
She acts in movies.
彼女は映画に出演しています。
She acted out the final scene.
彼女は最後の場面を演じて見せました。
俳優として活動するならact、ある場面を具体的に実演するならact outが自然です。
act outとpretendの違い
pretendは「本当ではないのに〜のふりをする」ことです。act outは、場面・会話・出来事を動作やせりふで再現します。
He pretended to be asleep.
彼は寝ているふりをしました。
He acted out the scene where the character falls asleep.
彼は登場人物が眠りにつく場面を演じました。
「ふりをする」の語順やlieとの違いは、pretend to doの専門記事で詳しく解説しています。
act outとplay a roleの違い
play a roleは、劇で役を演じるほか、「物事の中で役割を果たす」という比喩にも使います。act outは、場面や出来事そのものを実演する表現です。
She played the role of the manager.
彼女はマネージャー役を演じました。
She acted out a difficult conversation with a customer.
彼女は顧客との難しい会話を実演しました。
roleとpartの使い分けは、play a role inの意味・使い方も参考になります。
act outとact upの違い
この2つは似ていますが、中心が違います。
- act out:内面の感情などを問題行動として表す/場面を実演する
- act up:人が行儀悪く振る舞う/機械や身体が不調になる
The child is acting out because he feels anxious.
その子は不安を感じていて、それを問題行動で表しています。
The children are acting up because they’re tired.
子どもたちは疲れていて、行儀悪く振る舞っています。
act outには行動の背後にある感情を意識させることが多く、act upは目の前の困った振る舞いに焦点を置きます。
日本人が間違えやすいポイント
act out itとは言わない
act outが分離できる用法では、代名詞を必ず間に置きます。
× Can you act out it?
○ Can you act it out?
それを実演してもらえますか。
acting outを単なる「演技中」と訳さない
He is acting out.は、多くの場合「彼は問題行動を起こしている」です。「彼は演技している」と言うなら、文脈に応じてHe is acting.やHe is performing.を使います。
人へのラベルとして使わない
acting outは行動の背景に不安やストレスがあることを示せる一方、心理状態を断定する表現にもなり得ます。本人が困っている状況では、具体的な行動を説明するほうが中立的です。
He shouted and left the room.
彼は叫んで部屋を出ました。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
- Show me what happened.(何が起きたか動作で見せてください)
- Let’s do the conversation.(その会話をやってみましょう)
- He showed his anger through his actions.(彼は行動で怒りを表しました)
- She is upset and behaving badly.(彼女は動揺して、よくない振る舞いをしています)
- He got angry and threw his book.(彼は怒って本を投げました)
表現を思い出せないときは、「何を再現したのか」「どんな感情があったのか」「実際に何をしたのか」に分けると伝えやすくなります。
関連するact onとの違い
前回のact onは、情報・助言・感情などを受けて「それに基づいて行動する」表現です。act outは、場面や内面を「行動として外に表す」表現です。
She acted on her anger.
彼女は怒りに任せて行動しました。
She acted out her anger.
彼女は怒りを行動で表しました。
詳しくは、act onの意味・使い方で確認できます。
まとめ
act outは「内側にある場面・内容・感情を、行動として外へ出す」という句動詞です。
- act out a scene:場面を演じて見せる
- act it out:それを実演する。代名詞は間に置く
- act out feelings:感情を行動で表す
- be acting out:不安やストレスなどを問題行動として表す
- actは俳優として演じる、pretendはふりをする、act upは行儀悪く振る舞うことが中心
ほかの句動詞・定型表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。









