
No sooner had S done than S did … は、「Sが〜するとすぐに、…した」「〜した途端に…した」を表す構文です。
No sooner had I arrived home than my phone rang.
私が帰宅するとすぐに、電話が鳴りました。
二つの出来事がほとんど間を置かずに起きたことを、少し強調して伝えます。ただし、文頭の No sooner、疑問文のような had S done、そして後半の than と、学習者が迷いやすい点が多い表現です。この記事では語順の理由から、会話で使いやすい言い換えまで整理します。
Contents
No sooner had … than …の意味
基本形は次のとおりです。
No sooner had + 主語 + 過去分詞 + than + 主語 + 過去形
最初の出来事Aが完了した直後に、出来事Bが起きたことを表します。
No sooner had the meeting started than the fire alarm went off.
会議が始まるとすぐに、火災報知器が鳴りました。
No sooner had she sat down than the baby began to cry.
彼女が座った途端、赤ちゃんが泣き始めました。
No sooner had we left the hotel than it started to rain.
ホテルを出るとすぐに、雨が降り始めました。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜhadが主語の前に出るの?
No sooner のような否定的な表現を文頭に出すと、英語では強調のために倒置が起こります。助動詞 had が主語の前に移動し、疑問文に似た語順になります。
- 通常語順:I had no sooner arrived than my phone rang.
- 倒置語順:No sooner had I arrived than my phone rang.
疑問文に見えても、質問ではありません。文末にクエスチョンマークも付けません。
No sooner had he opened the email than he called me.
彼はメールを開くとすぐに、私に電話しました。
× No sooner he had opened the email than …
○ No sooner had he opened the email than …
なぜ過去完了と過去形を使うの?
出来事AとBはどちらも過去ですが、順番はA→Bです。先に完了したAを had + 過去分詞、その直後に起きたBを過去形で表すと、時間関係が明確になります。

No sooner had I closed my laptop than my boss sent another message.
パソコンを閉じた途端、上司から別のメッセージが届きました。
A:パソコンを閉じた(先に完了)
B:メッセージが届いた(その直後)
thanを使うのがポイント
sooner は比較級なので、組み合わせる接続詞は原則として than です。日本語の意味につられて when を置かないようにしましょう。
- ○ No sooner … than …
- × No sooner … when …
一方、よく似た Hardly had … や Scarcely had … では、通常 when または before を使います。
Hardly had … when …との違い
どちらも「〜するとすぐに」を表し、実際の時間関係はほぼ同じです。
- No sooner had A than B:AするとすぐにBした
- Hardly had A when B:AしたかしないかのうちにBした
No sooner had I fallen asleep than the alarm went off.
眠りについた途端、アラームが鳴りました。
Hardly had I fallen asleep when the alarm went off.
眠りについたかと思うと、アラームが鳴りました。
Hardly のほうが「Aがほとんど完了していないうちにB」という感覚を説明しやすいものの、多くの場面では言い換え可能です。詳しくはHardly had S done when …の意味と使い方で確認できます。
よく使われる場面別の例文
仕事
No sooner had I submitted the report than the client requested a revision.
報告書を提出した途端、クライアントから修正を求められました。
旅行
No sooner had we boarded the train than it began to move.
私たちが電車に乗り込むとすぐに、電車が動き始めました。
日常生活
No sooner had I finished cleaning than the kids made a mess again.
掃除を終えた途端、子どもたちがまた散らかしました。
恋愛・人間関係
No sooner had I sent the message than I regretted it.
メッセージを送った途端、後悔しました。
トラブル
No sooner had we reached the airport than we realized the passport was missing.
空港に着くやいなや、パスポートがないことに気づきました。
現在や未来の話にも使える?
この構文は、過去の出来事を物語る形が圧倒的に一般的です。現在の習慣や未来を自然に述べたいなら、無理に倒置を使わず as soon as を使うほうが分かりやすいでしょう。
As soon as I get home, I’ll call you.
家に着いたらすぐ電話します。
As soon as the store opens, customers come in.
店が開くとすぐに、お客さんが入ってきます。
よくある間違い
後半にも過去完了を使う
× No sooner had I arrived than the meeting had started.
通常は、先のAを過去完了、直後のBを過去形にします。
○ No sooner had I arrived than the meeting started.
thanをthenと書く
than は比較に使う語、then は「そのとき・それから」です。この構文では than が正解です。
会話で無理に複雑な形を作る
No sooner構文は正しい英語ですが、やや文語的・物語的で、ニュース、文章、印象的な語りに向いています。日常会話では as soon as や right after のほうが自然で作りやすいことが多いです。
しゅみすけ(大山俊輔)
中学英語で簡単に言い換えるなら
as soon as を使えば、ほとんどの場面を自然に言い換えられます。
No sooner had I arrived home than my phone rang.
→ As soon as I arrived home, my phone rang.
right after で二文をつなぐ方法もあります。
My phone rang right after I arrived home.
家に着いた直後に電話が鳴りました。
さらに簡単に、二文に分けても通じます。
I arrived home. Then my phone rang right away.
家に着きました。するとすぐ電話が鳴りました。
まとめ
No sooner had S done than S did … は、「Sが〜するとすぐに…した」を表します。
- No soonerが文頭に来るため、had + 主語 + 過去分詞 の倒置になる
- 先の出来事Aは過去完了、直後の出来事Bは過去形
- No soonerと組み合わせるのは than
- Hardly had …では通常 when を使う
- 日常会話では as soon as が簡単で自然
倒置を暗記するだけでなく、「Aが完了した、その直後にB」という時間の流れをつかむことが大切です。ほかの表現も学びたい方は、英熟語・定型表現の記事一覧も活用してください。









