Hardly had S done when … の意味は?倒置・時制・No soonerとの違い

Hardly had S done when の意味と倒置を解説するアイキャッチ画像

Hardly had S done when … は、「Sが〜した途端に…した」「〜するかしないかのうちに…した」という意味の定型表現です。

たとえば、Hardly had I arrived home when the phone rang. は「家に着いた途端、電話が鳴った」。最初の出来事がほぼ終わったその瞬間に、次の出来事が起きたことを印象的に伝えます。

ただし、語順が疑問文のように見えたり、hardly を「一生懸命」と誤解したりしやすい表現でもあります。この記事では、意味だけでなく、なぜ倒置になるのか、なぜ過去完了を使うのか、No sooner … than との違いまで整理します。

Hardly had S done when … の意味と基本形

基本の形は次のとおりです。

Hardly had + 主語 + 過去分詞 + when + 主語 + 過去形 …

日本語では、文脈に応じて次のように訳せます。

  • 〜した途端に…した
  • 〜するかしないかのうちに…した
  • 〜したばかりなのに、すぐ…した

Hardly had I arrived home when the phone rang.
家に着いた途端、電話が鳴りました。

先に起きたのは「家に着いたこと」、その直後に起きたのが「電話が鳴ったこと」です。2つの出来事の間がほとんどない、という感覚がポイントです。

hardly は「一生懸命」ではなく「ほとんど〜ない」

hard には「一生懸命に」という意味がありますが、hardly は別の単語として考えましょう。ここでの hardly は「ほとんど〜ない」「かろうじて」という否定に近い意味です。

I had hardly arrived home when … を直感的にほどくと、「家に着くという出来事が、まだほとんど終わっていないくらいの時に…」です。そこから「家に着いた途端に…」という自然な日本語になります。

しゅみすけ(大山俊輔)

hardly を見て「難しく」と訳そうとしないことが大切です。「最初の出来事と次の出来事の間が、ほとんどない」とイメージすると理解しやすくなります。

なぜ Hardly had I … と倒置するの?

この文には、倒置していない普通の語順もあります。

I had hardly arrived home when the phone rang.
私は家に着いた途端、電話が鳴りました。

この文の hardly を文頭へ出して強調すると、否定的な意味を持つ語が文頭に置かれるため、助動詞と主語が入れ替わります。

Hardly + had + I + arrived home + when …

つまり、I hadhad I になります。疑問文のような語順ですが、質問ではありません。文頭の Hardly を強調するための倒置です。

否定語を文頭に出したときの倒置をまとめて確認したい方は、be-rize.comの英語の倒置とは?否定語・Only・So・場所・仮定法を例文で解説も参考になります。

なぜ had done と過去形を使い分けるの?

Hardly had S done when と As soon as の構文を比較する図

最初の出来事には通常、過去完了の had + 過去分詞 を使います。次の出来事より先に完了したことを示すためです。when の後ろには、次に起きた出来事を過去形で置きます。

部分 時制 役割
Hardly had we sat down 過去完了 先に起きた出来事
when the lights went out 過去形 直後に起きた出来事

Hardly had we sat down when the lights went out.
私たちが座った途端、明かりが消えました。

場面別の自然な例文

日常生活

Hardly had I fallen asleep when the baby began to cry.
眠りについた途端、赤ちゃんが泣き始めました。

仕事

Hardly had she started her presentation when the projector stopped working.
彼女がプレゼンを始めた途端、プロジェクターが動かなくなりました。

旅行

Hardly had the plane landed when everyone stood up.
飛行機が着陸した途端、みんなが立ち上がりました。

恋愛・人間関係

Hardly had we said goodbye when he sent me a message.
別れのあいさつをした途端、彼からメッセージが届きました。

少し意外な展開を語る

Hardly had I opened the door when the dog rushed outside.
ドアを開けた途端、犬が外へ飛び出しました。

この構文は、次の出来事が急に起きたことや、少し困った・意外だった展開を物語るときによく合います。

No sooner had … than との違い

No sooner had S done than … も「〜するとすぐに…した」という意味です。意味は非常によく似ていますが、接続詞の組み合わせに注意しましょう。

表現 組み合わせ ニュアンス
Hardly had S done when … hardly + when 直後の出来事を強調。やや文語的
No sooner had S done than … no sooner + than 意味はほぼ同じ。より改まった響きもある
As soon as S did, … as soon as 日常会話でも自然で使いやすい

No sooner had I closed my laptop than my boss called.
パソコンを閉じた途端、上司から電話がありました。

As soon as I closed my laptop, my boss called.
パソコンを閉じるとすぐ、上司から電話がありました。

なお、no soonersooner or later(遅かれ早かれ)は別の定型表現です。形が似ていても混同しないようにしましょう。

Scarcely / Barely had … も似た形

Scarcely had … when/beforeBarely had … when/before も、「〜した途端に」「〜するかしないかのうちに」という意味を表せます。

Scarcely had the meeting begun when the fire alarm went off.
会議が始まったかと思うと、火災報知器が鳴りました。

Barely had we left the hotel when it started to rain.
ホテルを出た途端、雨が降り始めました。

いずれも会話ではやや硬く聞こえることがあります。普段の会話なら as soon asright after のほうが気軽に使えます。

日本人が間違えやすいポイント

1. Hardly と than を組み合わせない

誤:Hardly had I arrived than the phone rang.
正:Hardly had I arrived when the phone rang.

than と組み合わせるのは No sooner … than です。

2. 文頭の Hardly の後は倒置する

誤:Hardly I had arrived when …
正:Hardly had I arrived when …

3. had の後ろは過去分詞

誤:Hardly had she start her presentation.
正:Hardly had she started her presentation.

had の後ろには動詞の過去分詞を置きます。不規則動詞なら Hardly had he gone … のように形が変わる点にも注意しましょう。

4. when 節まで過去完了にしない

不自然:Hardly had I arrived when the phone had rung.
自然:Hardly had I arrived when the phone rang.

直後に起きた2つ目の出来事は、基本的に過去形で表します。

難しければ中学英語でこう言い換えよう

倒置や過去完了がすぐに出てこなくても、次のように言えば十分伝わります。

  • As soon as I got home, the phone rang.
    家に着くとすぐ電話が鳴りました。
  • The phone rang right after I got home.
    家に着いた直後に電話が鳴りました。
  • I got home, and then the phone rang immediately.
    家に着き、その直後に電話が鳴りました。

しゅみすけ(大山俊輔)

会話では as soon as や right after で十分です。Hardly had … when を読んで理解できるようにしつつ、自分で話すときは簡単な表現から使ってみましょう。

まとめ

  • Hardly had S done when … は「Sが〜した途端に…した」
  • hardly はここでは「ほとんど〜ない」という否定に近い意味
  • 否定的な語を文頭へ出すため、had + 主語 の倒置になる
  • 先の出来事は過去完了、直後の出来事は通常過去形
  • Hardly … whenNo sooner … than の組み合わせを守る
  • 会話では as soon asright after が簡単で自然

一見複雑な構文ですが、「最初の出来事がほとんど終わらないうちに、次が起きた」という芯をつかめば、意味も語順も理解しやすくなります。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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