
run-of-the-mill は、「ごく普通の」「ありふれた」「特に目立つところのない」という意味の英語イディオムです。
It was a run-of-the-mill romantic comedy.
それは、よくある普通の恋愛コメディーでした。
単なるordinaryよりも、「同じようなものがたくさんあり、特別感がない」というニュアンスが出やすい表現です。ただし、必ずしも「品質が悪い」という意味ではありません。この記事では、意味の成り立ち、ハイフン、自然な例文、average・mediocreなどとの違いを整理します。
Contents
run-of-the-millの意味は「ごく普通の・ありふれた」
run-of-the-mill は、人・物・出来事・作品などが、標準的ではあるものの、特別に珍しくも印象的でもないことを表します。
- a run-of-the-mill product
ごく普通の製品 - a run-of-the-mill office job
ありふれた事務職 - a run-of-the-mill restaurant
特に変わったところのないレストラン - a run-of-the-mill problem
よくある普通の問題
日本語では文脈に応じて、「普通の」「平凡な」「月並みな」「ありきたりな」と訳せます。好意的に褒める語ではなく、少し物足りなさや退屈さをにじませる場合があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「工場・製粉所」から「ありふれた」になる?
mill は、製粉所や工場を表します。the run of the mill はもともと、工場・製粉所で通常の工程から出てくる標準的な製品を指す表現として使われました。
特別注文品や選び抜かれた品ではなく、通常の生産工程から次々に出てくるもの、というイメージから「標準的な」「ありふれた」という意味につながっています。
現代では工場の話に限らず、映画、仕事、店、人、出来事など幅広い対象に使います。語源を細かく暗記するより、生産ラインから同じ標準品が流れてくる映像で覚えると意味を思い出しやすくなります。
ハイフンと語順:run-of-the-millを一まとまりで使う
現代英語では通常、run-of-the-mill とハイフンでつないだ複合形容詞として使います。
名詞の前に置く
最も基本的な形です。
run-of-the-mill + 名詞
- It’s just a run-of-the-mill smartphone.
それはごく普通のスマートフォンにすぎません。 - We had a run-of-the-mill meeting this morning.
今朝は特に変わったところのない会議がありました。
be動詞の後ろにも置ける
人や物を説明する補語としても使えます。
- The story was pretty run-of-the-mill.
その物語はかなり平凡でした。 - The service is run-of-the-mill, but the location is excellent.
サービスは普通ですが、立地はすばらしいです。
ハイフンなしのrun of the millも古い用法や表記上見られますが、学習者が形容詞として書くなら、まずrun-of-the-millで統一すると分かりやすいでしょう。
日常・仕事・買い物で使える例文
映画・エンタメ
- The plot is run-of-the-mill, but the acting is great.
筋書きはありふれていますが、演技はすばらしいです。 - I expected something original, but it was a run-of-the-mill action movie.
独創的なものを期待しましたが、よくあるアクション映画でした。
仕事
- This isn’t a run-of-the-mill customer complaint.
これは、よくある普通の顧客クレームではありません。 - Most of the tasks are fairly run-of-the-mill.
仕事の大半は、ごく普通のものです。 - We need a fresh idea, not another run-of-the-mill campaign.
またありきたりなキャンペーンではなく、新鮮なアイデアが必要です。
買い物・食事
- It looks like a run-of-the-mill bag, but it’s surprisingly durable.
普通のバッグに見えますが、驚くほど丈夫です。 - The café was pleasant, though the menu was run-of-the-mill.
そのカフェは居心地がよかったですが、メニューはありふれていました。
人に使うとき
- She’s not your run-of-the-mill manager.
彼女はそこらにいる普通の管理職ではありません。
否定形のnot your run-of-the-mill …は、「ありきたりな〜ではない」「一味違う」と肯定的に目立たせる形です。一方、He’s run-of-the-mill.のように人へ直接言うと、「平凡な人」と失礼に響く可能性があります。
run-of-the-millと似た表現の違い

run-of-the-mill:ありふれて特別感がない
標準的なものがたくさんある中の一つ、というイメージです。少し退屈・ありきたりという含みが出ることがあります。
It was a run-of-the-mill interview.
それは特に変わったところのない面接でした。
ordinary:普通の・通常の
ordinary は最も中立的です。「特別ではない」というだけで、がっかりしているとは限りません。
It looked like an ordinary house.
それは普通の家に見えました。
average:平均的な・並の
average は、能力・品質・数値などが集団の中ほどにあることを表します。文脈によって「並で大したことはない」と聞こえる場合があります。
The food was average, but not bad.
料理は並でしたが、悪くはありませんでした。
mediocre:期待以下で平凡
mediocre ははっきり否定的で、「良くもなく、期待した水準に届かない」という意味です。
The performance was mediocre.
その演技は今ひとつでした。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
runを「走る」と訳さない
ここでのrunは、誰かが走る動作ではありません。run-of-the-mill全体で「通常の工程から出る標準的なもの」というイディオムです。
高品質な標準品にも使える
run-of-the-millは「不良品」ではありません。特に優れても劣ってもいない、標準的で珍しくないものを表します。品質が低いと言い切りたいならmediocreやpoor-qualityなど、別の語が必要です。
褒めたい相手へ不用意に使わない
料理・服・企画などに使うと、「ありきたりで印象に残らない」という評価になり得ます。褒めるならclassic(定番の)、reliable(信頼できる)など、意図に合う語を選びましょう。
この表現を知らなかったら?簡単な英語で言い換える
run-of-the-millが出てこなければ、次の短い表現で十分伝えられます。
- It’s very ordinary.
ごく普通です。 - There’s nothing special about it.
特別なところはありません。 - It’s like many other products.
ほかの多くの製品と同じようなものです。 - We’ve seen this many times before.
これは以前にも何度も見たようなものです。
「特別ではない」「ほかと同じ」と分けて説明すれば、難しいイディオムを思い出せなくても意図は伝わります。
関連表現
反対に「普通ではない・いつもと違う」を表すなら、out of the ordinaryの意味・使い方が参考になります。「目立つ・際立つ」はstand outの意味と語順で詳しく解説しています。
ほかの定型表現は、英熟語・定型表現の親記事から確認できます。
まとめ
run-of-the-mill は、「ごく普通の・ありふれた・特別感のない」という意味です。
- 標準品が通常の工程から出てくるイメージ
- 通常はハイフンでrun-of-the-millと書く
- 名詞の前でもbe動詞の後ろでも使える
- ordinaryより「ありきたり」の含みが出やすい
- mediocreほど強く品質を否定しない
まずは It was pretty run-of-the-mill.(かなりありふれていました)から使ってみましょう。









