
予算不足でプロジェクトを小さくする、生産量を減らす、採用計画を控えめにする――こうした「完全にはやめないが、規模や量を小さくする」場面でよく使われるのがscale backです。
日本語では「縮小する」「削減する」と訳されますが、reduceやcut backと何が違うのか、scale back the projectとscale the project backのどちらが正しいのか迷いやすい表現でもあります。
先に結論を言うと、scale backは、計画・活動・生産・支出などの規模や量を、それまでより小さくする句動詞です。多くの場合、活動そのものは続けます。
Contents
scale backの基本的な意味
scale back+対象で「〜の規模を縮小する」「〜を削減する」という意味になります。
- scale back operations:事業・業務の規模を縮小する
- scale back production:生産を縮小する
- scale back spending:支出を減らす
- scale back a plan:計画を縮小する
- scale back hiring:採用を抑える
We had to scale back the project.
私たちはプロジェクトの規模を縮小せざるを得ませんでした。
The company is scaling back production.
その会社は生産規模を縮小しています。
scale+backから意味の仕組みを理解する
scaleには「規模」「段階」という感覚があり、動詞では規模を調整することを表します。backは「後ろへ」「以前より控えめな位置へ戻す」という方向です。
つまりscale backは、今の規模を一段後ろへ戻して、より小さく管理しやすい状態にするイメージです。
しゅみすけ(大山俊輔)
ネイティブが感じるニュアンス
scale backには、単に数字を下げるだけでなく、計画や活動の範囲そのものを見直すニュアンスがあります。対象は、予算・人員・生産・機能・イベント・事業など、ある程度の「規模」を持つものです。
そのため、日常の小さな節約よりも、仕事・ニュース・経営・政策の文脈で特によく使われます。ただし、個人の旅行計画や生活上の予定にも使えます。
scale backの語順:分離できる句動詞
scale backは分離可能な他動詞型です。名詞の目的語なら、次の両方が使えます。
- scale back the project
- scale the project back
長い目的語では、scale backのまとまりを先に置く形が自然です。
They scaled back their plans for international expansion.
彼らは海外展開計画の規模を縮小しました。
代名詞はscale it back
目的語がitやthemなどの代名詞なら、必ずscaleとbackの間へ置きます。
- ○ We need to scale it back.
- × We need to scale back it.

しゅみすけ(大山俊輔)
自動詞のscale back onも使われる
scale back on+対象の形で「〜を控える・減らす」と言うこともあります。
We’re scaling back on travel this year.
今年は出張・旅行を減らしています。
ただし、対象を直接目的語にするscale back travelも可能です。onを使う形は「その活動や使用量を控える」という響きが出やすくなります。
よく使われる活用形と文型
- 現在形:scale back / scales back
- 過去形・過去分詞:scaled back
- 進行形:scaling back
The original plan was scaled back.
当初の計画は縮小されました。
Management has scaled back its growth targets.
経営陣は成長目標を下方修正しました。
仕事・TOEICで使える自然な例文
予算・支出
We need to scale back our marketing budget.
マーケティング予算を縮小する必要があります。
The department scaled back spending after sales declined.
売上が落ちたため、その部署は支出を削減しました。
生産・事業
The factory will scale back production next month.
工場は来月、生産を縮小する予定です。
The company scaled back its overseas operations.
その会社は海外事業の規模を縮小しました。
計画・イベント
We scaled back the event because of the weather forecast.
天気予報を受けて、イベントの規模を縮小しました。
They decided to scale the proposal back to its essential features.
彼らは提案を必要不可欠な機能だけに絞ることにしました。
採用・人員
The firm is scaling back its hiring plans.
その会社は採用計画を縮小しています。
「人を解雇する」という意味そのものではありません。採用予定数や人員配置の規模を小さくする表現です。
日常生活
We scaled back our vacation plans to save money.
節約のため、休暇の計画を小さくしました。
I’m trying to scale back my commitments this month.
今月は引き受ける予定を減らそうとしています。
scale backとcut backの違い
| 表現 | 中心的な意味 | よく使う対象 |
|---|---|---|
| scale back | 全体の規模・範囲を小さくする | 計画、事業、生産、機能、採用 |
| cut back on | 使用量・消費量・支出を減らす | 費用、砂糖、飲酒、残業、エネルギー |
We scaled back the project.
プロジェクト全体の規模を小さくしました。
We cut back on project expenses.
プロジェクトの経費を減らしました。
実際には意味が重なる場面もありますが、scale backは全体設計の縮小、cut back onは使う量の削減に焦点を置きやすい表現です。
scale backとscale downの違い
scale downも「規模を小さくする」という意味で、かなり近い表現です。
- scale back:以前の計画・水準から控えめに戻す
- scale down:サイズや規模を小さい段階へ下げる
ビジネスでは入れ替えられる場合も多いですが、scale backは「やりすぎ・大きすぎを少し戻す」、scale downは「大きさそのものを小さくする」という方向がやや見えやすくなります。
reduce・downsize・pull backとの違い
- reduce:最も広く使える「減らす」。数字・量・危険などにも使える
- downsize:組織や人員を小さくする。人員削減を含むことがある
- pull back:計画・投資・部隊などから手を引く、後退する
scale backは、対象を続けながら規模を調整する点が中心です。撤退寄りのニュアンスを知りたい場合は、pull backの意味と使い方も参考になります。
日本人が間違えやすいポイント
- 「完全に中止する」という意味ではない
- 代名詞はscale it backにする
- scale back on costsも使えるが、cut back on costsのほうが日常的な場合がある
- scaleを「はかり」とだけ覚えず、「規模・段階」の意味を意識する
- 小さな物を物理的に縮めるだけなら、make it smallerのほうが分かりやすい場合がある
この句動詞が出てこなかったら?簡単な英語ならこう言える
scale backを忘れても、何をどの程度変えるのかを基本語で直接説明できます。
- We decided to make the project smaller.
プロジェクトを小さくすることにしました。 - We will spend less money on this plan.
この計画に使うお金を減らします。 - We will produce fewer products next month.
来月は製品の生産数を減らします。 - We will do only the most important parts.
最も重要な部分だけを行います。
「規模を縮小する」に対応する難しい一語を探すより、何を小さくするのかを伝えれば会話は成立します。
TOEICで一緒に覚えたい表現は、TOEIC対策で覚えたい句動詞一覧に整理しています。
まとめ
scale backは、計画・事業・生産・支出などの規模や量を以前より小さくする句動詞です。通常は完全にやめるのではなく、必要な部分を残して続けます。
名詞ならscale back the project / scale the project back、代名詞ならscale it backです。全体の規模を小さくするscale backと、消費・支出を減らすcut back onの焦点の違いも押さえておきましょう。
仕事で使う関連表現は仕事・ビジネスで使う句動詞一覧、句動詞全体は英語の句動詞一覧から確認できます。









