
up front は、会話でも仕事でもよく使われる表現です。ところが文脈によって「前もって」「前払いで」「前の方に」と意味が変わり、さらに upfront と1語で書く場合もあります。
この記事では、up front・upfrontの意味と自然な使い方、表記の使い分け、be upfront about の語順、そして in advance との違いまで例文とともに整理します。
Contents
up front・upfrontの意味をまず整理
よく使われる意味は、次の4つです。
- tell you up front:最初に・前もって伝える
- pay up front:前払いする
- be upfront about …:〜について率直である、隠さず話す
- sit up front:前の方に座る
「最初の段階に出しておく」という共通イメージをつかむと、ばらばらに暗記する必要はありません。
しゅみすけ(大山俊輔)
up frontが「前もって・最初に」になる理由
front は「前、先頭」という意味です。そこにある情報や条件を、話や手続きの前の段階に置くと考えると、up front は「最初に」「あらかじめ隠さず」という意味になります。
I’ll tell you up front that the job involves some weekend work.
最初に伝えておきますが、この仕事には週末勤務が多少あります。
Let me be clear up front: we can’t change the deadline.
最初にはっきり言っておくと、締め切りは変更できません。
She told him up front that she wasn’t looking for a serious relationship.
彼女は真剣な交際を求めていないことを、彼に最初から率直に伝えました。
この用法には、単に時間的に「前」なだけでなく、条件や考えを早い段階で明らかにするという透明性のニュアンスがあります。
pay up frontは「前払いする」
料金や費用の話で up front を使うと、「商品やサービスを受ける前に」「契約の最初に」支払うという意味になります。
Do I have to pay the full amount up front?
全額を前払いする必要がありますか?
We paid two months’ rent up front.
私たちは家賃2か月分を前払いしました。
There are no hidden fees, but you need to pay a deposit up front.
隠れた手数料はありませんが、保証金は先に支払う必要があります。
an upfront fee や an upfront cost と名詞の前に置けば、「前払いの料金」「初期費用」という形容詞になります。
The plan has a small upfront cost.
そのプランには少額の初期費用がかかります。
upfrontが「率直な・隠し立てしない」になる場合
形容詞の upfront は、人や態度について「率直な」「隠し立てしない」という意味です。悪い知らせや不都合な条件も早い段階で隠さず示す、というニュアンスがあります。
be upfront with 人 about 事柄
基本の語順は次のとおりです。
be upfront with + 人 + about + 事柄
Please be upfront with me about the cost.
費用について、私に正直に話してください。
He was upfront about his lack of experience.
彼は自分の経験不足について率直に話しました。
I want to be upfront with you: I may not be able to join the trip.
率直に言っておきたいのですが、その旅行には参加できないかもしれません。

sit up frontは「前の方に座る」
教室、車、バス、会場など、実際の位置を表す場合は「前の方に」という文字どおりの意味です。
Let’s sit up front so we can hear better.
よく聞こえるように前の方に座ろう。
The kids rode up front with the driver.
子どもたちは運転手と一緒に前の席に乗りました。
Is there any space up front?
前の方に空いている場所はありますか?
この意味では、会話の状況に「座席」「車内」「会場」などが出てくるため、ほかの意味と区別しやすいでしょう。
up frontとupfrontの表記の違い
学習者は、次の使い分けを基準にすると安全です。
| 表記 | 働き | 例 |
|---|---|---|
| up front | 副詞句。「前もって」「前払いで」「前の方に」 | tell you up front / pay up front |
| upfront | 形容詞。「率直な」「前払いの」 | an upfront fee / be upfront |
実際の英文では副詞を upfront と1語で書く例も見られますが、まずは副詞なら up front、形容詞なら upfront と覚えると迷いにくく、フォーマルな文章でも無難です。
しゅみすけ(大山俊輔)
up frontとin advance・beforehandの違い
| 表現 | 中心となる感覚 | 自然な場面 |
|---|---|---|
| up front | 最初の段階で明らかにする・支払う | 条件の開示、率直な説明、前払い |
| in advance | 予定の時点より前に | 予約、準備、連絡、支払い |
| beforehand | その前に | 日常的な事前行動全般 |
Please let me know in advance.
事前に知らせてください。
これは中立的に「予定より前に連絡して」という意味です。一方、I’ll tell you up front. は「後で問題にならないよう、最初にはっきり言う」という姿勢が感じられます。
ただし支払いでは、pay in advance と pay up front の両方が使えます。前者は支払う時期が事前であること、後者は契約や利用の最初にまとまった金額を払うことをやや強く意識させます。
in advanceの使い方は、in advanceの意味・beforehandやahead of timeとの違いでも詳しく解説しています。
upfrontとhonest・frank・directの違い
- upfront:重要なことを最初から隠さない
- honest:うそをつかず正直である
- frank:遠慮せず率直に言う。少し手厳しく聞こえることもある
- direct:回りくどくなく、要点を直接伝える
She was honest about the mistake. は「ミスについてうそをつかなかった」、She was upfront about the mistake. は「ミスを最初から隠さず明らかにした」という違いです。
場面別の自然な例文
仕事
The client was upfront about the limited budget.
クライアントは予算が限られていることを最初から率直に伝えました。
買い物・契約
You can pay monthly instead of paying everything up front.
全額を前払いせず、月払いにできます。
恋愛・人間関係
I appreciate you being upfront with me.
私に率直に話してくれて感謝しています。
海外旅行
The hotel charged us for breakfast up front.
ホテルでは朝食代を先に請求されました。
学校・学習
I sat up front because I forgot my glasses.
眼鏡を忘れたので、前の方に座りました。
日本人が間違えやすいポイント
upfrontlyとは言わない
「率直に」を表したくても、通常 upfrontly とは言いません。be upfront や tell someone up front を使います。
人にはwith、話題にはabout
Be upfront to me. よりも、Be upfront with me. が自然です。話題を続けるなら about the problem のように about を使います。
up frontはいつも「前払い」とは限らない
お金の語があれば前払い、情報や条件なら最初に明らかにする、座席や場所なら前方、と文脈で判断しましょう。
簡単な英語で言い換えるなら
up front・upfrontがすぐに出てこなくても、次のような基本英語で十分伝わります。
- I’ll tell you now, before we start.
始める前に、今伝えます。 - You need to pay before you use it.
使う前に支払う必要があります。 - Please be honest about the cost.
費用について正直に話してください。 - Let’s sit near the front.
前の近くに座りましょう。
まとめ
up front は「最初に・前もって」「前払いで」「前の方に」を表す副詞句です。upfront は、an upfront fee の「前払いの」や、be upfront about … の「率直な・隠し立てしない」のように形容詞として使われます。
ポイントは、情報・条件・お金を後回しにせず最初に出すというイメージです。副詞は up front、形容詞は upfront を基本にすると、表記も使い方も整理しやすくなります。
ほかの英熟語・定型表現も学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめをご覧ください。









