「咀嚼する」は英語で?digest・process・chew overの違いと簡単な言い換え

「咀嚼する」は英語で?digest・process・chew overの違いを解説するアイキャッチ画像

「説明を一度自分の中で咀嚼したい」「まだ気持ちを咀嚼できていない」のように、情報や経験をよく考えて理解する意味で使う「咀嚼する」。英語では、何をどう咀嚼するかによって表現が変わります。

情報を理解して自分のものにするなら digest、情報や感情を頭の中で処理するなら process、案や問題をじっくり考えるなら chew over が代表的です。食べ物を実際に咀嚼する場合は、シンプルに chew を使います。

この記事では「咀嚼する」を一語に置き換えるのではなく、場面ごとの自然な英語、語順、例文、似た表現との違い、そして難しい単語が出てこないときの伝え方まで解説します。

「咀嚼する」の主な英語表現

英語 中心的な意味 よく使う場面 代表例
digest 情報を十分に理解する 説明、報告、知らせ I need time to digest this.
process 情報・感情を頭の中で処理する 驚く知らせ、複雑な経験 I’m still processing the news.
chew over 案や問題をじっくり考える 提案、選択、判断 Let me chew it over.
chew 食べ物を歯で噛む 食事、健康上の注意 Chew your food well.

しゅみすけ(大山俊輔)

日本語の「咀嚼する」から英単語を一つ探すのではなく、「理解したいのか、気持ちを整理したいのか、決める前に考えたいのか」に分けると選びやすくなります。

digest:情報を理解して自分のものにする

digest は本来、食べ物を「消化する」という動詞です。食べ物を体の中で使える形に変えるように、情報や考えを頭の中で理解できる形にする、という比喩でも使われます。

ただ目を通すのではなく、内容の意味や影響を十分に理解する感覚があるため、「情報を咀嚼する」に最も近いことが多い表現です。

  • digest+名詞:情報・知らせなどを咀嚼する
  • take time to digest+名詞:時間をかけて内容を理解する
  • be hard to digest:理解・受容するのが難しい

I need a little time to digest everything you told me.
あなたが話してくれたことを全部咀嚼するのに、少し時間が必要です。

The report contains a lot of information, so read it slowly and digest it.
その報告書には情報が多いので、ゆっくり読んで内容を理解してください。

That’s a lot to digest in one meeting.
一度の会議で理解するには、かなりの情報量ですね。

なお、英語の digest は「難しい説明を簡単に説明する」という意味ではありません。相手に分かりやすく説明するなら explain it simplybreak it down が自然です。break downの意味と使い方も参考にしてください。

process:情報や感情を頭の中で整理する

process は、入ってきた情報や感情を頭の中で順に処理するイメージです。内容を「理解する」だけでなく、驚きや悲しみを受け止め、自分がどう感じるかを整理する場面でもよく使われます。

  • process+名詞:情報・出来事・感情を処理する
  • be still processing+名詞:まだ受け止めている途中である
  • need time to process+名詞:整理する時間が必要である

I’m still processing what happened yesterday.
昨日起きたことを、まだ自分の中で整理しているところです。

Give her some time to process the news.
その知らせを受け止める時間を彼女にあげてください。

It took me a while to process all the feedback.
すべてのフィードバックを咀嚼するのに少し時間がかかりました。

digest が「内容を理解する」ことに焦点を置くのに対し、process は理解や感情の整理が進行中であることを表しやすい語です。突然の知らせに対して I need a moment to process that. と言えば、「ちょっと頭を整理させて」という自然な反応になります。

chew over:案や問題をじっくり考える

chew over は、食べ物を何度も噛むように、案・問題・提案を繰り返し考える句動詞です。「内容を理解する」よりも、結論を出す前に時間をかけて検討するニュアンスがあります。

  • chew over+名詞:案などをじっくり考える
  • chew+代名詞+over:chew it over / chew them over

Let me chew over your proposal before I answer.
返事をする前に、あなたの提案をじっくり考えさせてください。

We chewed the idea over during lunch.
私たちは昼食中、その案についてじっくり考えました。

I’ll chew it over and get back to you tomorrow.
よく考えて、明日お返事します。

代名詞を使うときは chew over it より chew it over が基本です。詳しい語順や think over との違いは、既存記事のchew overの意味・使い方で確認できます。

図で見るdigest・process・chew overの違い

「咀嚼する」をdigest・process・chew overの3つに分けた比較図

同じ「咀嚼する」でも、英語では次のように目的を見ます。

  • 情報を理解できる形にする:digest
  • 情報や感情を頭の中で整理する:process
  • 案を決める前に検討する:chew over
  • 食べ物を歯で噛む:chew

食べ物を「咀嚼する」はchew

医学的・説明的な日本語では「食べ物をよく咀嚼する」と言いますが、日常英語では chew your food well が自然です。

Chew your food well before you swallow.
飲み込む前に、食べ物をよく噛んでください。

He has trouble chewing hard food.
彼は硬い食べ物を噛むのが大変です。

chew は他動詞にも自動詞にもなります。chew food のように目的語を直接続けられ、chew on a piece of bread のように on を使う形もあります。

「咀嚼する」と似た英語表現の違い

think overとの違い

think over は、決定前にあることをよく考える一般的な表現です。chew over の比喩的で少しくだけた響きを避けたいときに使いやすい言い換えです。

I need to think over the offer.
そのオファーについてよく考える必要があります。

mull overとの違い

mull over も「じっくり考える」ですが、頭の中で何度も考え続けるニュアンスがあります。より詳しくはmull overの意味・語順とthink overとの違いをご覧ください。

understandとの違い

understand は「理解している」という結果を直接表します。理解に至るまで内容をゆっくり取り込む過程を強調したいときは digest が合います。

I understand the main point, but I need time to digest the details.
要点は分かりましたが、詳細を咀嚼する時間が必要です。

場面別の自然な例文

仕事

There’s no need to decide today. Take some time to digest the proposal.
今日決める必要はありません。提案をよく咀嚼してみてください。

I’m still processing the client’s comments.
クライアントのコメントをまだ整理しているところです。

学習

I reread the chapter slowly to digest the main ideas.
要点を咀嚼するため、その章をゆっくり読み直しました。

After class, I wrote a short summary to process what I had learned.
授業後、学んだことを整理するために短い要約を書きました。

人間関係

I heard what you said, but I need some time to process it.
言ってくれたことは聞きましたが、少し整理する時間が必要です。

Let’s both chew it over and talk again this weekend.
お互いによく考えて、週末にもう一度話しましょう。

この英語を知らなかったら?【しゅみすけ式】

digestprocess が出てこなくても、「何をする時間が必要なのか」を基本語で説明すれば通じます。

  • I need time to understand it.
    理解する時間が必要です。
  • I want to think about it carefully.
    それについてよく考えたいです。
  • There is a lot of information.
    情報がたくさんあります。
  • I’m not ready to answer yet.
    まだ答える準備ができていません。
  • Let me read it again.
    もう一度読ませてください。

しゅみすけ(大山俊輔)

難しい単語を思い出そうとして黙り込む必要はありません。「時間が必要」「もう一度読む」「よく考える」と、実際にすることを短い文で伝えれば十分です。

日本人が間違えやすいポイント

digestの後ろにaboutを置かない

digest は他動詞なので、情報を目的語として直接続けます。

× I need to digest about the news.
○ I need to digest the news.

processは進行形でもよく使う

「まだ整理している途中」は I’m still processing it. が自然です。日本語の「処理する」から、機械や事務作業だけに使う語だと思わないようにしましょう。

chew overを物理的な「噛む」に使わない

食べ物を噛むなら chew food です。chew over は、案や問題を考える比喩表現として使います。

「噛み砕いて説明する」は別の意味

相手に分かるよう簡単に説明する場合は、話し手が内容を咀嚼するのではなく、内容を小さく分けて伝えています。そのため explain it in simple termsbreak it down が自然です。

よくある質問

「情報を咀嚼する」は英語で何と言いますか?

digest information が代表的です。理解するまで時間が必要なら I need time to digest the information. と言えます。

「気持ちを咀嚼する」にdigestは使えますか?

使える場合もありますが、感情や出来事を受け止めて整理している途中なら process my feelingsprocess what happened のほうが自然です。

「一度持ち帰って咀嚼します」は英語で?

仕事では Let me think it over and get back to you. が自然です。「検討して後で返事します」という意図が明確に伝わります。

digestとunderstandの違いは?

understand は理解したという状態、digest は情報を時間をかけて取り込み、十分に理解する過程を強調します。

chew onとchew overは同じですか?

どちらも考える意味で使われることがありますが、chew over は案や問題をじっくり検討する意味が明確です。chew on は食べ物を噛む意味でも使うため、文脈が重要です。

まとめ

「咀嚼する」は、英語では目的に合わせて表現を選びます。

  • digest:情報を理解して自分のものにする
  • process:情報や感情を頭の中で整理する
  • chew over:案や問題をじっくり考える
  • chew:食べ物を実際に噛む

表現が出てこないときは、I need time to understand it.Let me think about it carefully. で十分です。「咀嚼する」という日本語をそのまま訳そうとせず、理解・整理・検討のどれをしているのかに分けて考えましょう。

同じ工房1の「思考・理解・判断」に関する表現は、日本語のニュアンス表現を英語でのカテゴリから続けて学べます。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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