
愛する人とは近くにいたい。でも、近くなりすぎると、ときめきや好奇心が薄れてしまうこともあります。長続きする関係に必要なのは、いつも一つになることではなく、親しさの中にも「あなたは私とは違う人」という距離を残すことかもしれません。
エスター・ペレル(Esther Perel)は、ベルギー出身の心理療法士・作家。恋愛、結婚、欲望、不倫、夫婦関係を、単純な正解・不正解ではなく、人間が抱える矛盾から読み解いてきました。この記事では、本人の公式記事とTED公式インタビューから、恋愛と人生を考え直す英語の名言を7つ紹介します。
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エスター・ペレルとは?
エスター・ペレルは、ニューヨークを拠点に活動する心理療法士です。著書『Mating in Captivity』や『The State of Affairs』、ポッドキャスト『Where Should We Begin?』を通して、現代の親密な関係を探究しています。TEDによれば9言語を話し、35年以上にわたりカップルや組織の関係性に向き合ってきました。
人間関係で相手を変えようとして疲れている方には、先に公開したロリ・ゴットリーブの名言もおすすめです。「相手のダンスステップ」ではなく、自分が変えられる一歩に目を向けるヒントがあります。
エスター・ペレルの英語の名言7選
1.愛は「私たち」になろうとする
We want to be an “us.”
和訳:私たちは「二人で一つの私たち」になりたいと願います。
背景:ペレルは、愛には安心、安全、親しみ、信頼を求める働きがあると説明します。恋愛では「あなたと私」の間にある距離を縮め、同じチームである感覚を持ちたくなる。それは関係を支える大切な力です。
英語ポイント:an us は通常の文法を少し崩した印象的な表現。「一つの“私たち”という存在」を意味します。
簡単な英語なら:We want to feel close.(私たちは近くに感じたいのです。)
2.欲望には、少しの謎が必要
Desire needs mystery.
和訳:欲望には、謎が必要です。
背景:愛は相手を知り尽くしたいと願う一方、ときめきは「まだ知らないもの」に引かれます。長年のパートナーであっても、相手を完全に分かったつもりにならず、一人の未知を含む人として見直すことが関係に新しい空気を入れます。
英語ポイント:desire は「欲望、強い願い」。ここでは恋愛における惹かれる気持ち。mystery は「謎、未知」です。
簡単な英語なら:We like what we do not fully know.(私たちは、まだよく知らないものに惹かれます。)
3.愛は、相手のすべてを知りたがる
Love enjoys knowing everything about you.
和訳:愛は、あなたのことを何もかも知るのを喜びます。
背景:安心を求める愛と、未知に惹かれる欲望。ペレルはどちらかを選ぶのではなく、この矛盾を抱えながら関係を育てることを考えます。相手をよく知りつつ、「まだ知らない一面もある」と残しておく姿勢です。
英語ポイント:enjoy + -ing は「〜することを楽しむ」。know about は「〜について知る」です。
簡単な英語なら:Love wants to know you well.(愛はあなたをよく知りたいと思います。)

4.人間関係は白か黒かではない
Relationships are never black and white.
和訳:人間関係は、決して白黒だけではありません。
背景:大好きなのに腹が立つ。離れたいのに失いたくない。恋愛や家族関係では、反対方向の感情が同時に存在します。迷いがあるから愛が偽物なのではなく、相反する気持ちも関係の一部だとペレルは考えます。
英語ポイント:black and white は色だけでなく「善悪や正誤がはっきりした」という意味のイディオムです。
簡単な英語なら:Relationships are not simple.(人間関係は単純ではありません。)
5.愛は義務ではなく、贈り物
Love is not an obligation, it’s a gift.
和訳:愛は義務ではありません。贈り物です。
背景:「愛しているなら全部受け入れるべき」という言葉が、我慢や支配を正当化することがあります。しかし、愛は相手に何でも耐える義務を負わせるものではありません。自分を大切にする境界線と、相手を愛することは両立します。
英語ポイント:obligation は「義務、責任」。難しければ something you must do と言い換えられます。
簡単な英語なら:You do not have to accept everything.(すべてを受け入れなくてもいいのです。)
6.自分を失わず、相手ともつながる
How do I stay connected to myself without losing you?
和訳:あなたを失わずに、どうすれば自分自身ともつながっていられるだろう?
背景:TED公式インタビューで、すべての関係に内在する緊張として語られた問いです。相手に合わせすぎれば自分を失い、自己防衛に固まりすぎればつながりを失う。関係は、この二つの間を一度決めて終わりではなく、何度も調整する営みです。
英語ポイント:stay connected to は「〜とのつながりを保つ」。人だけでなく、自分の価値観や目的にも使えます。
簡単な英語なら:How can I be myself and still love you?(自分らしいまま、どうあなたを愛せるだろう?)
7.文字だけでなく、声で話す
Speak to people.
和訳:人と、声で話しましょう。
背景:ペレルは、誤解が生まれやすいテキストだけで済ませず、電話や声を使うことを勧めています。声には、文字では消えてしまう温度、間、ためらい、親しさがあります。大切な話ほど「伝達」ではなく「対話」に戻すことが必要です。
英語ポイント:speak to は「〜に話しかける/〜と話す」。talk to より少し端的で、呼びかけとして力があります。
簡単な英語なら:Call and talk, not only text.(文字だけでなく、電話で話しましょう。)
エスター・ペレルの名言から学べること
長く続く関係では、安心だけを増やせばよいわけでも、刺激だけを追えばよいわけでもありません。近づくことと離れること、知ることと知らないままでいること、「私たち」であることと「私」であること。その両方を行き来する柔軟さが必要です。
境界線を引くことに罪悪感を覚えやすい方は、ネドラ・グローバー・タワブの名言もあわせてどうぞ。愛を壊さずに、自分を守るための具体的な考え方につながります。
今日から使える3つの問い
- 私は相手を「もう知っている人」と決めつけていない?
- 関係の中で、自分らしさを失っている部分はない?
- 文字ではなく、声で話した方がよいことはない?
出典
- Esther Perel公式:Appreciating Otherness in Relationships
- Esther Perel公式:The Myth of Unconditional Love
- TED公式インタビュー:Esther Perel on relationship baggage
- TED公式プロフィール:Esther Perel
愛することは、相手を完全に所有したり理解したりすることではありません。親しさの中に少しの余白を残すと、見慣れた相手の中に、もう一度会ってみたい新しい人が見えてきます。










