
仕事で上を目指しながら、家族も自分の人生も大切にする。それは本当に「きれいに両立」できるのでしょうか。
ペプシコの元CEO、インドラ・ヌーイ(Indra Nooyi)は、世界的企業を率いた成功だけでなく、その陰にあった迷い、罪悪感、家族との時間についても率直に語ってきました。
この記事では、本人の講演やインタビュー、ペプシコの公式発表で確認できる英語の名言を7つ厳選。自然な和訳、言葉の背景、英語表現のポイント、初心者でも使える「かんたん英語」と一緒に紹介します。
Contents
インドラ・ヌーイとは?インドから世界的企業のCEOへ
インドラ・ヌーイは1955年、インド南部のチェンナイ生まれ。インドで経営学を学んだ後、アメリカのイェール大学へ留学し、複数の企業を経て1994年にペプシコへ入社しました。2006年からCEOを務め、短期的な利益だけでなく、健康、環境、人への責任を経営に組み込む「Performance with Purpose」を推進しました。
彼女の言葉の特徴は、成功を単純な上昇物語にしないことです。仕事をやり抜く強さと同時に、家族に十分な時間を使えなかった痛みも語ります。その正直さが、働く女性だけでなく、仕事と人生の選択に悩む多くの人に響いています。
インドラ・ヌーイの英語の名言7選
1.未来の肩書より、今の仕事に集中する
“I focused on the work.”
Indra Nooyi
日本語訳:私は、仕事そのものに集中しました。
背景:女性、有色人種、移民として会議室で少数派だったヌーイは、周囲の偏見に自分を定義させず、議論への貢献で評価されることを選びました。肩書を追いかけるより、目の前の仕事を確実に仕上げる姿勢です。出典:Yale School of Management
英語ポイント:focus on … は「〜に集中する」。短くても、仕事や学習で非常によく使う表現です。
かんたん英語:Do today’s work well.(今日の仕事をしっかりやろう。)
2.大切な変化を、あきらめずに伝える
“I never gave up.”
Indra Nooyi
日本語訳:私は決してあきらめませんでした。
背景:ペプシコの商品をより健康的にするという提案は、当初社内で歓迎されませんでした。それでも時代の変化を感じていたヌーイは、CEOになってから構想を前へ進めます。正しいと思う流れは、一度退けられても話し続けることが大切だと語りました。出典:Yale School of Management
英語ポイント:give up は「あきらめる」。never を前に置くだけで「決して〜しない」という強い意志になります。
かんたん英語:Keep going.(続けよう。)
3.仕事と家庭は、完璧なバランスではない
“There is no balance. It’s a big juggling act.”
Indra Nooyi
日本語訳:完璧なバランスなどありません。大きなジャグリングのようなものです。
背景:ヌーイは、仕事と家庭がいつも均等に整うという見方を否定します。実際には、その日に落としてはいけないボールを見ながら、いくつもの役割を回し続ける。その現実を隠さない言葉です。出典:Yale School of Management
英語ポイント:juggling act は直訳すると「曲芸のジャグリング」。複数の仕事や責任を同時にやりくりする状況を表します。
かんたん英語:Do what matters today.(今日大事なことをしよう。)
4.細部を理解してこそ、全体が見える
“Unless you zoom in to really understand the details, you can’t zoom out.”
Indra Nooyi
日本語訳:細部を理解するためにズームインしなければ、全体を見渡すズームアウトはできません。
背景:リーダーには大局観が必要ですが、現場や数字を知らないまま遠くを見るだけでは判断できません。まず小さな事実を学び、それから広い視点へ移る。危機のなかで意思決定する方法として語られた言葉です。出典:Amazon
英語ポイント:zoom in は「拡大して見る」、zoom out は「引いて全体を見る」。カメラだけでなく、思考にも使えます。
かんたん英語:Learn the small things first.(まず細かいことを学ぼう。)

5.リーダーには共感が必要
“You need to show empathy as a leader.”
Indra Nooyi
日本語訳:リーダーとして、共感を示す必要があります。
背景:ヌーイは社員と話すとき、仕事だけでなく家族や抱えている問題にも耳を傾けたといいます。成果を求めることと、人の事情を理解することは対立しません。信頼ある関係をつくるための具体的なリーダーシップです。出典:Amazon
英語ポイント:empathy は「相手の立場や感情を理解する共感」。show empathy で「共感を示す」です。
かんたん英語:Listen and try to understand.(話を聞いて、理解しよう。)
6.家に入るときは、肩書という冠を置く
“Leave your crown in the garage.”
Indra Nooyi
日本語訳:冠はガレージに置いてきなさい。
背景:ペプシコ社長就任を母親に伝えた夜、ヌーイがかけられたことで知られる言葉です。どれほど大きな肩書を持っても、家では家族の一員。成功に飲み込まれず、自分を地面につなぎ留めた母の教えとして語っています。出典:Hoover Institution
英語ポイント:leave A in B は「AをBに置いておく」。ここでの crown は、地位や権威の比喩です。
かんたん英語:At home, be family.(家では家族でいよう。)
7.利益を出しながら、世界に違いを生む
“Not only make a profit, but do so in a way that makes a difference in the world.”
Indra Nooyi
日本語訳:利益を上げるだけでなく、世界に良い違いを生む方法でそれを実現するのです。
背景:ヌーイが進めた「Performance with Purpose」の中心にある考え方です。企業の利益、環境、健康、社会への責任を別々のものにせず、長期的な成長のなかで結びつけようとしました。出典:PepsiCo
英語ポイント:not only A, but B は「AだけでなくBも」。make a difference は「変化を生む、役に立つ」という定番表現です。
かんたん英語:Make money and help people.(利益を出し、人を助けよう。)
インドラ・ヌーイの言葉から学べる3つのこと
キャリアは、次の肩書より今の貢献から始まる
「いつ昇進できるか」ばかり考えると、現在の仕事がおろそかになります。まず、いま任されている仕事で価値を出す。その積み重ねが、次の機会につながります。
家族と仕事の問題を、個人の努力だけにしない
ヌーイは、働く人が家庭の問題を抱えたまま職場へ来る現実を直視しました。本人が頑張るだけでなく、会社や社会が休暇、柔軟な働き方、ケアの仕組みを整える必要があります。
厳しさと共感を同時に持つ
成果を求める厳しさと、社員の人生に耳を傾ける共感は両立できます。人を「役割」だけで見ず、家庭や悩みを持つ一人の人間として見ることが、強い組織につながります。女性のキャリアとリーダーシップについてさらに読みたい方は、シェリル・サンドバーグの英語の名言もあわせてどうぞ。
今日から使える、インドラ・ヌーイ流の一言
Focus on the work.
仕事そのものに集中しよう。
大きな目標があっても、今日できることは限られています。目の前の仕事を丁寧に行い、周囲の人に耳を傾け、必要なときは家族のためにボールを持ち替える。それで十分、前へ進んでいます。
世界の起業家・経営者の言葉をテーマ別に読みたい方は、起業家・経営者の英語の名言集をご覧ください。
まとめ
インドラ・ヌーイの名言は、成功とは何も犠牲にせずすべてを手に入れることではない、と教えてくれます。選択の痛みを認めながら、目の前の仕事に集中し、学び、人に共感し、社会に良い変化を残す。仕事と人生の間で迷ったときに、現実的な勇気をくれる言葉です。
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